IPA システム戦略・企画 — 頻出論点と過去問

この分野の学び方

1. この分野の全体像

システム戦略・企画は、経営方針から業務と情報システムの将来像を描き、業務の見直しとシステム化案の比較を経て、開発前の決めごとを固めます。各段階の用語や役割の見分けはITパスポートの問題で確かめられ、アーキテクチャの分類や国の指針の中身、表の条件から費用や評価点を求める計算は、応用情報技術者の午前で問われます。全社の方向性と統治の仕組みが定まり、そのもとで現場の業務手順をどう改めるかが検討され、具体化した複数のシステム化案を費用や効果で比較して導入の計画に落とし込むという順序でつながります。

2. 配下の論点の案内

  • IT戦略・ITガバナンス・EA: 全社の情報システムの基本方針や経営陣による統治の枠組み、業務とシステムの全体最適化を図る設計手法を扱います。下流の業務改善や個別システムの企画に対する上位の方針となる位置づけにあり、ITパスポートや応用情報技術者の午前で手法や制度の定義、経営陣の役割を選ぶ問題が出ています。

  • システム企画・IT投資管理: 構想から計画、要件定義、調達へと進む上流の作業と、複数のシステム化案を費用・効果・リスクの面から比較・評価する手法を学びます。応用情報技術者の午前やプロジェクトマネージャの午前IIで、与えられた表から総費用や削減効果、重み付けした評価点を計算して最適な案を決める問題が出題されています。

  • 業務プロセス改善・ソリューション: 現行の業務の流れを可視化・分析して見直す手法と、定型作業の自動化やシステム連携を実現する仕組みを扱います。システム企画の段階でどの業務をどう変えるかの具体案を作る位置づけにあり、ITパスポートとITストラテジストの午前IIでモデリング手法や改善フレームワーク、自動化ツールが適する業務の条件を判定させます。

3. 学習の順序の提案

「IT戦略・ITガバナンス・EA」で描く全社の方針と全体像は、「業務プロセス改善・ソリューション」で見直す業務と「システム企画・IT投資管理」で比べるシステム化案が、どの目標に合わせて選ばれるかを決めています。次に「業務プロセス改善・ソリューション」で業務の可視化や改善の手法を知り、その上で「システム企画・IT投資管理」に進むと、改善案をシステム化計画や調達文書にまとめ、費用と効果で比較する一連の流れがつながります。

受ける区分 先に学ぶ論点 次に学ぶ論点
ITパスポート 業務プロセス改善・ソリューション(自動化や業務可視化の用語と適用場面) IT戦略・ITガバナンス・EA、システム企画・IT投資管理(役職・手法の名称と企画から調達までの役割分担)
応用情報技術者 / 高度試験の午前I IT戦略・ITガバナンス・EA(アーキテクチャの体系とDX関連の指針) システム企画・IT投資管理(表からの費用・効果・評価点の計算)、業務プロセス改善・ソリューション(外部連携と改善活動でのKPI設定)
高度試験の午前II ITストラテジストはIT戦略・ITガバナンス・EAと業務プロセス改善・ソリューション、システム監査技術者はIT戦略・ITガバナンス・EA、プロジェクトマネージャとITサービスマネージャはシステム企画・IT投資管理 システム企画・IT投資管理(ITストラテジスト・システム監査技術者)

午後の大問を見ると、ITストラテジストで事業環境と自社の強みを踏まえた新サービスや基幹システムの刷新の企画が、システムアーキテクトでデジタル技術や外部のデータを使った業務とシステムの見直しが、システム監査技術者でIT投資計画や再構築の企画段階のリスクと管理の仕組みの監査がテーマでした。情報システム戦略の策定を問う大問は、応用情報技術者の午後にも出ています。

4. 分野をまたいで間違えやすいところ

同じ業務の見直しや新ツールの導入を題材にした問題は、作業の仕組みや導入手順を問うものと、導入後の金銭的な効果を比べるものの二通りです。定型作業を自動化するツールの特徴や向いている業務は「業務プロセス改善・ソリューション」の知識で、業務を見直した後の効果を金額に直して案を比べる計算は「システム企画・IT投資管理」の枠組みで解きます。

IT投資の経済性を測る計算でも、システムの一生にかかる費用の集計や案の採点と、キャッシュフローから投資の回収期間や現在価値を評価する計算とでは、使う知識の分野が違います。前者は「システム企画・IT投資管理」で扱い、回収期間(PBP)や、将来のキャッシュフローを割り引いて求める正味現在価値(NPV)の問題は、この分野の問題であると同時に、会計・財務の分野の問題でもあります。

企業の間の供給網を管理する考え方は、経営戦略の分野の「生産方式・サプライチェーン」と重なり、その説明や事例を選ぶ問題はこの分野からも出ています。経営戦略の側は生産と在庫の流れを最適にする手法として、この分野の側は企業の間をつなぐ情報システムを入れた効果として、同じ考え方に触れます。

ITガバナンスやシステム企画の枠組みは、「システム監査」の分野とも重なります。経営陣が組織の力を整えて企画の達成目標を定めるまではこの分野の問いで、独立した監査人がその投資計画や再構築計画の妥当性とリスクを確かめ、監査証拠を集める活動は「システム監査」の観点になります。

システム戦略・企画の論点別の過去問

IT戦略・ITガバナンス・EA33問 システム企画・IT投資管理27問 業務プロセス改善・ソリューション18問

システム戦略・企画の理解度チェック

システム戦略・企画の過去問一覧

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