令和4年度 春期 ITストラテジスト試験 午前II 問4

プロジェクト開始時点で150百万円の支出を行うIT投資プロジェクトにおいて,3年間の金銭的価値をDCF法で算定した場合,正しい金額は a〜d のどれか。

なお,割引率は 20% で固定とし,キャッシュフローは全て年度末に発生するものとする。また,金銭的価値の算定の際には年度ごとに百万円未満を切り捨てて計算している。

IT投資プロジェクト
図の説明テキスト

IT投資プロジェクトに関する表。単位は百万円。

投資年 プロジェクト開始時点 1年後 2年後 3年後
キャッシュフロー -150 100 100 100
DCF法による金銭的価値の算定結果
図の説明テキスト

DCF法による金銭的価値の算定結果に関する表。単位は百万円。

算定結果\投資年 プロジェクト開始時点 1年後 2年後 3年後 合計
a -150 83 69 57 59
b -150 83 71 62 66
c -150 83 83 83 99
d -150 83 96 99 128
解答・解説

正解: ア. a

DCF(Discounted Cash Flow)法は、将来発生するキャッシュフローを現在の価値(現在価値)に割り引いて評価する手法です。
現在価値は以下の計算式で求められます。

現在価値=将来のキャッシュフロー(1+割引率)n現在価値 = \frac{将来のキャッシュフロー}{(1 + 割引率)^n}
※ nn は経過年数

問題の条件に従い、割引率を 20%20\%(0.20.2)とし、図表の各年のキャッシュフローを用いて現在価値を計算します。なお、金銭的価値の算定の際は年度ごとに百万円未満を切り捨てます。

  1. プロジェクト開始時点
    支出であるため、そのままマイナスの値になります。
    −150 (百万円)-150 \text{ (百万円)}

  2. 1年後
    キャッシュフローは 100100 百万円です。
    100(1+0.2)1=1001.2=83.333...\frac{100}{(1 + 0.2)^1} = \frac{100}{1.2} = 83.333...
    百万円未満を切り捨てて 8383 百万円となります。

  3. 2年後
    キャッシュフローは 100100 百万円です。
    100(1+0.2)2=1001.44=69.444...\frac{100}{(1 + 0.2)^2} = \frac{100}{1.44} = 69.444...
    百万円未満を切り捨てて 6969 百万円となります。

  4. 3年後
    キャッシュフローは 100100 百万円です。
    100(1+0.2)3=1001.728=57.870...\frac{100}{(1 + 0.2)^3} = \frac{100}{1.728} = 57.870...
    百万円未満を切り捨てて 5757 百万円となります。

  5. 合計
    算定された各年の現在価値を合計します。
    −150+83+69+57=59 (百万円)-150 + 83 + 69 + 57 = 59 \text{ (百万円)}

この計算結果は、図表「DCF法による金銭的価値の算定結果」の「算定結果 a」の各年の数値および合計値と完全に一致します。したがって正解はアとなります。

各選択肢の解説

  • ア: 正解です。DCF法の公式に基づく正しい計算結果(算定結果 a)を示しています。
  • イ: 算定結果 b は、2年後以降の現在価値の計算結果が誤っています。
  • ウ: 算定結果 c は、2年後および3年後の現在価値が1年後と同じ数値(83)のままとなっており、経過年数を考慮した適切な割引計算が行われていないため誤りです。
  • エ: 算定結果 d は、2年後以降の現在価値の計算結果が正しくないため誤りです。

Spineチーム