管理業務主任者 請負・委任等 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

工事を頼む、事務を任せる、物を預ける、財産をただで渡す。管理組合や区分所有者が結ぶこうした契約は、それぞれ民法に別の決まりがあります。請負は完成という結果に報酬が付く契約で、委任は相手を信頼して事務を任せる契約です。

2. 実際の出題のされ方

工事の請負や住戸の贈与などの事例を示して、民法の規定や判例に照らした正誤を問う問題があります。請負契約の記述のうち適切なものの個数を選ぶ問題や、適切な記述をすべて含む組合せを選ぶ問題もあります。

請負を1問で取り上げた問題では、建築や修繕の工事を題材に、注文者と請負人がそれぞれ何をできるかが1肢ずつ問われました。委任を1問で取り上げた問題では、報酬や費用、解除、終了の原因が並べられていました。マンションの1住戸の贈与について誤っているものを選ぶ問題も出ています。

複数の契約を比べさせる問題もあります。委任と寄託の異同について適切な記述を選ぶ問題、民法上の注意義務の程度を事例で比べさせる問題、いくつかの契約の解除を1問で問う問題です。

3. 学習のポイント

請負で注文者が損害を賠償して解除できるのは、仕事が完成するまでの間です。工事に手を付けた後でも、完成前ならこの解除ができます。

  • 請負人の契約不適合責任:完成した工事に契約との不適合があるときは、注文者は直すことや報酬の減額などを求められます。この権利を保つ期間は、平成29年の改正(2020年4月施行)で、不適合を知ってから1年以内に請負人へ通知する形になりました。請負人が引渡しの時に不適合を知っていたときや、重大な過失で知らなかったときは、この制限がありません。
  • 受任者の報酬と注意義務:委任は、報酬の取り決めが無ければ無償です。無償でも受任者の注意の程度は軽くならず、善良な管理者の注意が求められます。
  • 寄託:寄託は、平成29年の改正(2020年4月施行)で、物を渡さなくても合意だけで成立する契約になりました。無報酬の受寄者の注意は自分の財産と同じ程度で足り、この点が委任と違います。
  • 贈与:書面によらない贈与は、平成29年の改正(2020年4月施行)で、撤回という言い方が解除に改められました。履行が終わった部分は解除できず、判例では、住戸の贈与は移転登記の前でも引渡しがあれば履行が終わった扱いです。死因贈与には遺贈の規定が準用され、書面で結んだものでも判例では原則として撤回できます。

4. 間違えやすいところ

建物が完成する前なら請負人の側からも損害を賠償して解除できるとする誤った記述がありました。この解除は注文者にだけ認められたもので、請負人には同じ形の解除がありません。

受任者に不利な時期だと委任者は解除できないとする誤答肢がありました。委任はいつでも解除でき、不利な時期の解除で問題になるのは、やむを得ない事由が無いときの損害の賠償です。

受任者が保佐開始の審判を受けると委任が終わるとする誤答肢がありました。審判で委任が終わるのは受任者の後見開始で、保佐開始は終了の原因に入りません。

受任者が支出した必要な費用について、委任者は現に利益を受けている分だけ返せばよいとする誤答肢がありました。委任の費用の償還にはこの制限が無く、委任者は費用と支出の日以後の利息を償還します。

請負・委任等の理解度チェック

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