管理業務主任者 代理 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

本人に代わって別の人が契約を結ぶと、その効果は本人に直接及びます。住戸の売却を人に任せた場合も、管理者が区分所有者を代理して取引する場合も同じ関係です。権限の無い人が代理人を名乗って結んだ契約は、本人が追認するまで本人に効果が及ばず、宙に浮いた状態に置かれます。

2. 実際の出題のされ方

マンションの住戸の売却や抵当権の設定を人に任せた事例や、代理権の無い人がマンション管理業者や住戸の所有者の代理人を名乗って契約した事例で、民法の規定や判例に照らして正誤を判定させる問題があります。管理組合の管理者がした取引を題材に、代理権が消える事由とその後の法律関係を問う問題もあります。

無権代理に関する問いが繰り返し出題されていて、問われるのは本人への催告、相手方の取消し、代理人を名乗った人の責任です。ほかに、制限行為能力者が代理人になった場合、復代理人、双方代理、代理権の濫用、表見代理と無権代理人の責任の関係が組み合わされた問題もあります。

3. 学習のポイント

宙に浮いた無権代理の契約を動かすために相手方が使える手段は、相手方が事情を知っていたかどうかで扱いが違います。

無権代理の相手方が持つ催告権と取消権
本人への催告は、代理権の無いことを知っていた相手方でもできますが、契約の取消しは、知らなかった相手方にしか認められません。催告に本人が期間内に答えないときは、追認を断ったものと扱われます。

無権代理人の責任
代理人を名乗った人に履行や損害賠償を求める道は、相手方が代理権の無いことを知っていたときは閉じられます。過失で知らなかったときも同じですが、平成29年の改正(2020年4月施行)で、名乗った人自身が権限の無いことを知っていたときは、相手方に過失があっても責任を免れないと定められました。

4. 間違えやすいところ

代理権を与えられた時に制限行為能力者だった人は代理人になれないとする誤答肢がありました。改正前は、代理人に行為能力は要らないと定められていて、平成29年の改正(2020年4月施行)後は、ほかの制限行為能力者の法定代理人になっている場合を除いて、代理人の行為能力の制限を理由には取り消せないという定めになっています。どちらの定めでも、本人が制限行為能力者を代理人に選ぶことは妨げられません。

やむを得ない事情で選ばれた復代理人は、選んだ代理人の名で、その代理人を代理するとする誤答肢がありました。復代理人がその権限の範囲で代表するのは本人で、本人の名で行為をします。

代理人が補助開始の審判を受けると代理権が消えて取引の効力が生じないとする誤答肢がありました。代理人の側の事情で代理権が消えるのは、死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判です。補助開始や保佐開始の審判はこれに当たらず、代理権は残ります。

代理権が消えた後の取引について、相手方が消滅を知らず過失も無かったときでも本人に効力が及ばないとする誤答肢がありました。この場面は代理権消滅後の表見代理に当たり、本人は、過失なく知らなかった相手方に対して責任を負います。

代理の理解度チェック

代理の過去問一覧

民法・その他の法令のほかの分野

意思表示・錯誤3問 制限行為能力3問 時効12問 共有4問 抵当権・担保物権5問 保証・連帯債務4問 債権総論4問 契約の成立・解除6問 売買5問 賃貸借(民法)7問 借地借家法7問 不法行為7問 相続9問 不動産登記法4問 請負・委任等11問 宅地建物取引業法11問 品確法・アフターサービス7問 個人情報保護法5問 賃貸住宅管理業法5問 その他の関連法令16問