管理業務主任者 その他の関連法令 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

マンションの売買や賃貸、日々の管理には、区分所有法や民法のほかにも多くの法律が関わります。取引の場面では契約の当事者がどんな立場で契約したのかが問題になり、建物の管理の場面では届出先や期間、距離といった具体的な定めが問題になります。同じ法律の中に、必ず守る定めと努力を求めるだけの定めが同居しています。

2. 実際の出題のされ方

問題の形は、1つの法令を取り上げるものと、「各種の法令に関する次の記述のうち」と問いかけて別々の法令を1肢ずつ並べるものに大きく分けられます。問いの形としても、4肢択一だけでなく、適切なものの組合せを選ぶ問題、条件に当てはまる記述の数を答える個数問題、条文の空欄に入る語句の組合せを選ぶ問題が出題されています。

単独の法令を取り上げた問題には、消費者契約法と地震保険に関する法律のものがあります。消費者契約法では、第1条(目的)の条文の空欄補充のほか、マンションの売買・賃貸借・媒介の具体的な事例を挙げて同法が適用されるかを判断させる問題が出ています。地震保険に関する法律では、単独の組合せ問題のほか、区分所有法や標準管理規約と合わせてマンションの損害保険全般を問う問題も出題されています。このほか、建築士法や長期優良住宅の普及の促進に関する法律を取り上げた問題があります。住宅宿泊事業法は施行要領(ガイドライン)と合わせて問われ、消費生活用製品安全法は長期使用製品安全点検制度の形で問われています。特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律だけを問う問題もあります。2016年に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)について誤った記述を選ぶ問題もありますが、全国計画はその後改められ、現在のものは2026年3月に閣議決定されています。

複数の法令を1肢ずつ並べる問題には、消防法のように建物の管理に近い法令を取り上げた肢や、駐車や郵便受箱のように暮らしの細かな定めを取り上げた肢があります。

3. 学習のポイント

消費者契約法の適用範囲

消費者契約法が適用されるのは、片方が消費者で、もう片方が事業者の契約です。法人やその他の団体はいつも事業者の側で、人が住むための契約を結ぶときでも消費者にはなりません。個人は職業ではなく契約の目的で決まり、事業のために結ぶ契約なら事業者、自分の暮らしのために結ぶ契約なら消費者です。

地震保険に関する法律

地震保険契約は、火災保険などの損害保険契約に付けて結ぶ契約で、それだけを単独で結ぶことはできません。

住宅と製品に関わる法令

  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律:計画の認定を受けた人には、建築と維持保全の記録を作って保存する義務があります。
  • 長期使用製品安全点検制度(消費生活用製品安全法):対象の特定保守製品は、令和3年の政令改正(2021年8月施行)で、石油給湯機と石油ふろがまの2品目になりました。

各種の法令で問われる届出・数値・義務

  • 自動車の保管場所の確保等に関する法律:保管場所は、自動車の使用の本拠から2キロメートル以内に確保します。道路上でも、夜の間に同じ場所に8時間以上止め続けることは禁じられています。
  • 身体障害者補助犬法:同じ法律の中で定めの強さが違います。施設を利用する身体障害者が補助犬に訓練済みであることの表示を付けるのは義務で、住宅の管理者が居住者の補助犬の使用を受け入れることは努力義務です(国等の管理者は除きます)。
  • 消防法:一定の規模の共同住宅などでは、管理の権原を持つ人が防火管理者を選び、選んだら遅滞なく消防長か消防署長に届け出ます。
  • 郵便法:階数が3以上の住宅などに置く郵便受箱は、差入口が横16センチメートル以上、縦2センチメートル以上の大きさであることが必要です。

4. 間違えやすいところ

規約に禁止の定めさえなければ住宅宿泊事業を営めるとする誤った記述がありました。規約に定めがない場合の届出では、管理組合に禁止の意思がないことの確認を示します。施行要領は、総会や理事会で禁止の方針を決議していないことを、その意思がない状態としています。

人を宿泊させる日数の上限を年90日とする誤った記述がありました。住宅宿泊事業法が定める日数の上限は、1年間で180日です。

現寸図を設計図書に含め、仕様書を外す誤答肢がありました。建築士法の設計図書は工事の実施に必要な図面と仕様書で、現寸図のような図面は除かれています。

建築士事務所に属する建築士の定期講習を2年ごととする誤答肢がありました。施行規則が定める期間は、直近の講習を受けた年度の翌年度の初めから数えて3年です。

動物が逃げないようにする措置を怠ると罰則があるとする誤答肢がありました。動物の愛護及び管理に関する法律のこの定めは飼い主などに努力を求めるもので、違反に罰則を結び付けた規定ではありません。

浄化槽の保守点検と清掃を3年に1回とする誤答肢がありました。浄化槽法の頻度は毎年1回が基本で、環境省令で定める場合だけ別の回数になります。

損害の区分を全損と一部損の2つだけとする誤った記述がありました。政令はこの間に大半損と小半損も置き、区分ごとに支払う金額を変えています。

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