管理業務主任者 債権総論 — 頻出論点と過去問
頻出論点
1. この分野は何か
管理費や工事代金のように、相手に支払を求められる権利が債権で、払われないときの責任や債権者が取れる手段は、契約の種類を問わない共通の決まりで動きます。賠償を求められる損害の範囲、一部弁済の当て方、債権者代位権で行使できる額は、条文の言葉だけでは見分けにくいところです。債権は財産の一つで、他人に譲り渡すことも、債権者が債務者に代わって行使することもあります。
2. 実際の出題のされ方
債務不履行責任について、民法の規定及び判例に照らして誤っている記述を選ばせる問題が出ています。また、管理組合法人が区分所有者に対する管理費債権を保全するために、その区分所有者が第三者に対して有する金銭債権を代位行使した事例をもとに、債権者代位権に関する適切な記述を選ばせる問題も出題されています。さらに、滞納管理費が一部弁済された場合の充当順序を判断する要素を優先順位の高い順に並べさせる問題や、工事代金をめぐる民法の規定を問う問題もあります。
3. 学習のポイント
不履行による損害賠償の範囲は、その不履行から通常生じる損害が基本で、この損害は当事者が予見できたかどうかを問わず請求できます。特別の事情から生じた損害については、改正前は当事者が予見し又は予見できたときに請求できましたが、平成29年の改正(2020年4月施行)で、現在は当事者がその事情を予見すべきであったときに請求できます。金銭の支払を目的とする債務には別の決まりがあり、債権者は損害を証明しなくても賠償を請求でき、支払えなかった原因が天災のような不可抗力でも、債務者は賠償の責任を免れません。
同じ債権者に同種の債務をいくつも負っている人が一部だけ弁済したとき、どの債務に当てるかは、当事者が決めたことが法律の定めより先に働きます。法律の定めは、当事者の誰も決めなかったときの受け皿で、債務者にとって弁済の利益が多い債務から当てる考え方でできています。
4. 間違えやすいところ
管理組合法人が区分所有者の金銭債権を代位行使する場面で、行使できる額は管理費債権の額に縛られないとする誤答肢がありました。金銭債権のように分けられる権利を代位行使するとき、行使できるのは自分の債権の額までです。権利の全部を行使できるのは、その目的が分けられない場合です。
請負代金債権に譲渡を禁じる取り決めがあると、債務者の承諾のない第三者への譲渡は無効になるとする誤答肢がありました。平成29年の改正(2020年4月施行)で、そうした取り決めがあっても債権の譲渡そのものは効力を失わないことになりました。取り決めを知っていたか重大な過失で知らなかった譲受人に対して、債務者が履行を拒むなどできるにとどまります。
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