管理業務主任者 不法行為 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

建物の欠陥や工事中の事故で他人に損害が出たとき、賠償を負うのは手を下した本人とは限りません。建物を使っている人、持ち主、従業員を雇う会社、工事を頼んだ管理組合のうち誰が負い、どんな事情なら免れるのかは、立場ごとに条件が違います。賠償を負う人と、損害の原因を作った人は、同じとは限りません。

2. 実際の出題のされ方

マンションで起きた事故を例に、誰が損害賠償の責任を負うかを、民法や判例に照らして判断させる問題が出ています。正しいものを1つ選ばせる形式のほか、適切な記述がいくつあるかを問う個数問題や、区分所有者が住戸を賃貸している場合における賃借人の義務・責任について不適切なものの組合せを選ばせる問題も出ています。

土地の工作物の瑕疵による損害で、占有者と所有者のどちらが負うかを問う記述があります。使用者の責任や、工事を頼んだ注文者の責任を問う記述もあります。

このほか、建物の建築に携わる者が、契約関係にない人に対してどのような責任を負うかについて、最高裁判所の判決文の空欄に入る語句の組合せを選ぶ問題があります。胎児の損害賠償請求権や慰謝料請求権の相続を問う問題も出ています。

3. 学習のポイント

建物の設置や保存の瑕疵(欠陥)で他人に損害が出たとき、被害者に最初に責任を負うのは、その建物を使っている占有者です。占有者は、損害を防ぐ注意を尽くしていれば免れますが、そのときは所有者が負い、所有者には注意を尽くしたという言い分がありません。

工事を頼んだ注文者は、請負人が工事で他人に与えた損害を原則として負いません。負うのは、注文の仕方や指図に過失があったときです。

4. 間違えやすいところ

設備の点検を請け負った会社の従業員が点検中に設備を傷めた場面で、会社は従業員の選び方や監督に落ち度が無くても賠償するとする誤答肢がありました。使用者の責任には、選び方と監督に十分注意していたときや、注意しても損害が避けられなかったときに免れる道があります。

外壁のタイルが落下して通行人が負傷した場合に、損害賠償債務は被害者が請求した時点で履行遅滞になるとする誤答肢がありました。最高裁判所の判例では、不法行為に基づく損害賠償債務は被害者からの催告を待たず、損害の発生と同時に履行遅滞となります。

被害者が亡くなった場面で、父母は財産以外の損害を加害者に請求できないとする誤答肢がありました。生命を奪われた人の父母、配偶者、子は、自分の財産に損害が無くても賠償を請求できます。

不法行為の理解度チェック

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