管理業務主任者 賃貸借(民法) — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

住戸や駐車場の貸し借りには、借り手が別の人に使わせる、貸し手が物件を売るといった形で、後から第三者が入ってきます。承諾のない転貸でどんなときに解除できるのか、物件が売られたときに貸主の立場がどうなるのかは、賃貸借で判断に迷う場面です。賃貸借は、貸し手が物を使わせ、借り手が賃料を払って、契約が終わったら物を返す約束です。

2. 実際の出題のされ方

転貸借と賃借権の譲渡については、賃貸借契約を結んで住戸を引き渡した事例を読ませ、判例まで含めて誤りを見つけさせる問題があります。

専有部分を賃貸する事例では、民法と借地借家法の規定を一緒に当てはめて正しい記述を選ばせる問題があります。合意した特約の中から無効なものをそろえた組を選ばせる形も出ています。

マンションに関する民法と区分所有法の論点を1肢ずつ並べた問題や、契約の種類を変えて解除を問う問題にも、賃貸借の記述が入っています。

3. 学習のポイント

賃借権を譲ったり賃借物を転貸したりするには、賃貸人の承諾が要ります。承諾を得ずに第三者に実際に使わせると、賃貸人は契約を解除できます。ただ、最高裁判所の判例は、賃貸人との信頼を裏切るとまでは言えない特段の事情があれば解除を認めていません。

承諾を得た転貸では、転借人は賃貸人に対して直接義務を負います。平成29年の改正(2020年4月施行)で、その範囲は元の賃貸借で賃借人が負う債務までと条文に書かれました。

賃貸物を保つために必要な工事は、賃借人の意思に反していても拒めません。賃借人が解除できるのは、その工事のせいで借りた目的を果たせなくなるときです。

賃料を滞納したら賃貸人が裁判などの手続を経ずに賃借人を締め出せるとする特約は、公序良俗に反して無効です。

4. 間違えやすいところ

期間を定めた賃貸借で、途中で解約できるとの取り決めが無くても、借主は予告を置けば解約できるとする誤答肢がありました。期間の途中で解約を申し入れられるのは、当事者が契約で解約の権利を残しておいたときです。期間を定めなかった賃貸借なら、借主はこの取り決めが無くても予告を置いて解約を申し入れられます。

賃料は、特約が無ければ、その月の分を前の月の末日に払うとする誤答肢がありました。民法が定める建物の賃料の支払時期は毎月末で、後払いが原則です。前の月のうちに払う形は、特約で決めたときのものです。

賃貸中の住戸が売られ、買主が移転登記をしても、元の貸主から借主への通知が無ければ貸主の地位は移らないとする誤答肢がありました。借主が引渡しを受けているなど賃貸借の対抗要件を備えていれば、貸主の地位は借主の承諾や通知が無くても買主に移ります。判例の考え方が平成29年の改正(2020年4月施行)で条文になり、買主は所有権の移転の登記をしていれば、借主に自分が貸主だと主張できます。

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