管理業務主任者 宅地建物取引業法 — 頻出論点と過去問
頻出論点
1. この分野は何か
マンションの住戸を買う人は、建物の管理の状態や毎月の負担を、外から見ただけでは分かりません。売主や仲介に入る宅地建物取引業者は、契約の前に書面で説明し、契約の後にも決まったことを書面にして渡します。説明の一覧と契約後の書面の一覧は、重なる事項もありますが別のものです。
2. 実際の出題のされ方
宅地建物取引業者が自ら売主として、または媒介によってマンションの一住戸の売買を行う事例を設定し、買主が宅地建物取引業者ではない場合と宅地建物取引業者である場合とを対比させながら、宅地建物取引業法第35条の重要事項の説明に関する記述の正誤を判断させる問題が繰り返し出題されています。
また、宅地建物取引業者の媒介によりマンションの売買契約が成立した場面で宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面の記載事項を問う問題や、宅地建物取引業者が自ら売主となって宅地建物取引業者ではない買主に住戸を売却した場合における担保責任の特約の制限を民法の規定と組み合わせて問う問題も出ています。
3. 学習のポイント
- 説明の手続と相手: 重要事項の説明は、契約が成立するまでに、書面を交付して宅地建物取引士が行います。書面には宅地建物取引士の記名が要り、令和3年の改正(2022年5月施行)で、押印なしで足りるようになりました。買主も宅地建物取引業者であれば、書面の交付だけで足り、説明は要りません。
- マンションで加わる事項: マンションの売買では、一般の事項に、規約の定め、所有者が負うお金、建物の管理の状況が加わります。お金については、所有者が負担する通常の管理費用の額を説明します。修繕の積立ては、規約の定めがあれば、その内容だけでなく、これまでに積み立てられた額まで説明します。
- 37条書面: 37条書面は、契約が成立した後、遅滞なく交付します。物件の表示や代金、引渡しの時期のように必ず書く事項と、解除や不可抗力による損害の負担のように定めがあるときに書く事項があります。引渡しの時期や不可抗力の負担は、35条の説明の一覧には入っていません。
- 自ら売主となる場合の特約: 宅地建物取引業者が自ら売主で買主が業者でない売買では、種類や品質の不適合の責任について、民法より買主に不利な特約はできません。例外は、不適合の通知の期間を引渡しの日から2年以上とする特約です。平成29年の改正(2020年4月施行)で民法の期間が不適合を知ってから1年以内の通知に改められたのに合わせて、この規定も改められました。これに反する特約は無効です。
4. 間違えやすいところ
管理の委託先について、委託先の事務所にいる専任の管理業務主任者の名前まで説明するとする誤答肢がありました。委託先の説明は氏名や商号と住所までで、担当者の名前は含まれません。
一住戸の売買の説明として、台所や浴室などの設備の整備の状況を挙げる誤答肢がありました。この事項が説明の対象になるのは建物の貸借の契約で、売買では対象になっていません。
マンションが土砂災害警戒区域の外にあっても、外にあることを説明するとする誤答肢がありました。説明が要るのは区域の中にあるときで、外にある場合の説明は求められていません。
預り金の保全措置を講ずるときは、講ずることだけ説明すれば足りるとする誤答肢がありました。50万円以上の預り金などでは、講ずるかどうかに加えて、措置の概要まで説明します。
石綿の調査や建物状況調査を、説明のために業者自身が実施しなければならないとする誤答肢がありました。説明の対象は、記録された調査の結果や、調査を実施しているかどうかとその結果の概要で、調査そのものの義務ではありません。
宅地建物取引業法の理解度チェック
宅地建物取引業法の過去問一覧
- 2025年度(R7) 問45 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに対してマンションの販売を行う場合、宅地建物取引業法…
- 2024年度(R6) 問45 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに対してマンションの一住戸の売買を行う場合における宅…
- 2023年度(R5) 問45 法人である宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに対してマンションの一住戸の売買を行う場合…
- 2022年度(R4) 問45 宅地建物取引業者の媒介によりマンションの売買契約が成立した場合における宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面…
- 2021年度(R3) 問45 宅地建物取引業者Aが自ら売主としてマンションの一住戸の売買を行う場合、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説…
- 2020年度(R2) 問45 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBを買主として、マンションの住戸の売買を行う場合に、宅地建…
- 2019年度(R1) 問45 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないB又は宅地建物取引業者Cを買主として、マンションの一住戸の…
- 2018年度(H30) 問45 宅地建物取引業者A(以下、本問において「A」という。)が自ら売主として、宅地建物取引業者ではないB又は宅地建物取引業者で…
- 2017年度(H29) 問45 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではないB又は宅地建物取引業者Cとの間で、マンションの住戸の売買を行…
- 2016年度(H28) 問41 旧法 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法第2条第3号に規定する者をいう。以下同じ。)である売主A(以下、本問において「A」とい…
- 2016年度(H28) 問45 マンションの一住戸の売買の際に、宅地建物取引業者が、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明を行う場合におい…
民法・その他の法令のほかの分野
意思表示・錯誤3問 制限行為能力3問 代理6問 時効12問 共有4問 抵当権・担保物権5問 保証・連帯債務4問 債権総論4問 契約の成立・解除6問 売買5問 賃貸借(民法)7問 借地借家法7問 不法行為7問 相続9問 不動産登記法4問 請負・委任等11問 品確法・アフターサービス7問 個人情報保護法5問 賃貸住宅管理業法5問 その他の関連法令16問