IPA 進捗管理 — 頻出論点と過去問
この分野の学び方
1. この分野の全体像
進捗管理は、作業の順序と日数から日程を組み、実行中の出来高と費用の実績から遅れと完了時の見通しを求めて、納期を守る手を打つ活動です。経路の日数を足すだけの問題や比例の計算はITパスポートにもあり、応用情報技術者の午前から高度試験の午前IIにかけては、資源の取り合いや作業どうしの開始・終了の条件を含む日程の計算、EVMの指標を使った残作業の効率の算出へと、計算の条件が増えていきます。日程の計算は計画を立てるときと変更が起きたときに、実績による評価と予測は実行の途中に使われ、どちらも納期と予算の基準を実績と突き合わせる点でつながっています。
2. 配下の論点の案内
スケジュールネットワーク・短縮技法
作業間の依存関係を図や表に表して全体の最短所要日数やクリティカルパス、各作業の余裕日数を求める計算と、遅れを取り戻すための期間短縮技法やバッファの配置を扱います。応用情報技術者の午前では作業の分割で全体が何日縮むかの計算や短縮技法の識別が問われ、高度試験の午前IIでは試験設備や要員の数、休憩の条件が付いた最短時間の計算まで出ています。EVM・実績に基づく予測
途中の時点までに完成した作業の予算価値と実コスト・計画価値を比べて進捗と費用の状況を評価し、完了時の総コストや残り日数を予測する計算および分析技法を扱います。応用情報技術者の午前やプロジェクトマネージャの午前IIでは、表やグラフからコスト効率やスケジュール効率などの指標を求めて適切な対策を選ぶ問題や、回帰分析・傾向分析の特徴を問う問題が出題されています。
3. 学習の順序の提案
「スケジュールネットワーク・短縮技法」で引いた日程は、「EVM・実績に基づく予測」で途中の時点までに終わっているはずの作業の価値を決める基準になります。実績で遅れが見つかったあとにどの作業を縮めるかは、その作業が全体の期間を決める経路の上にあるかどうかで決まるため、予測の結果は再び日程の論点に戻って使われます。
| 受ける区分 | 先に学ぶ論点 | 次に学ぶ論点・広げる範囲 |
|---|---|---|
| ITパスポート | スケジュールネットワーク・短縮技法(アローダイアグラムの経路計算、要員数と作業時間の条件整理) | EVM・実績に基づく予測(専門用語を使わない進捗率・コスト比率の計算と予算超過額の算出)、人日計算による追加要員数の算出 |
| 応用情報技術者 / 高度試験の午前I | スケジュールネットワーク・短縮技法(結合点時刻と総余裕日数、図の書き換え、作業分割や短縮技法の適用) | EVM・実績に基づく予測(PV・EV・ACのグラフの読み取り、SV・CPI・EAC・TCPIと作業配分モデルの計算) |
| プロジェクトマネージャ / ITサービスマネージャ | スケジュールネットワーク・短縮技法(リード・ラグを含む依存関係、設備や要員・休憩の制約がある最少時間、バッファ計算) | EVM・実績に基づく予測(プロジェクトマネージャの午前IIで問われるTCPIの算出、指標の組合せからの対策判断、回帰分析・傾向分析) |
午後の大問を見ると、応用情報技術者でウォーターフォールとアジャイルを組み合わせた開発のバーンダウンチャートによる残作業の確認や、バッファを設けて納期を守る手法と発注先の選定が、プロジェクトマネージャで法改正に伴う計画の変更とステークホルダーとの調整、遅れを取り戻す挽回策の実施が題材になりました。
4. 分野をまたいで間違えやすいところ
スケジュールネットワーク・短縮技法とEVM・実績に基づく予測は、どちらも作業の遅れや期間を扱いますが、着目する情報と計算の目的が違います。前者は作業どうしの前後のつながりと所要日数から、どの経路が全体の期間を決めるか、人を足す・作業を並行させると何日縮むかを求めるのに対し、後者は金銭価値や工数に置き換えた出来高と実績コストの比率から、今の生産性が続くと予算や期間がどうなるかを算出します。スケジュール作成に使う技法を全て選ぶ問題には、成果の予測に使う回帰分析を挙げた記述もありましたが、これは当てはまりません。回帰分析は実績のデータから先の値を見積もる手法で、作業の順序や期間を組み立てる道具ではありません。
プロジェクト計画の分野で扱うWBSの作成や工数見積りは計画を作る段階の作業で、この分野で扱う日程や工数の調整は、実行中の変化に合わせて期間を算出し直す作業です。最初の数日に足りなかった要員の分を後半の増員で補う計算はこの分野の問題で、工程ごとの見積工数と上級技術者の追加から期間を求める計算は、プロジェクト計画とこの分野に共通しています。
「EVM・実績に基づく予測」で扱う分析技法と、リスクマネジメントや品質マネジメントで使う分析技法は、説明しようとする対象が別です。傾向分析の説明を選ぶ問題の誤答肢には、障害と要因の関係を魚の骨のような図で整理する手法が挙がっていて、これは品質の管理で原因を洗い出す道具です。
テストの消化の件数とバグの件数を一枚に描くバグ管理図は、進捗管理と品質マネジメントの両方の道具で、テストの進み具合とソフトウェアの品質を同じ図から読み取ります。
進捗管理の理解度チェック
進捗管理の過去問一覧
- 2026年度(R8) ITパスポート 問50 次の表の作業を3名で実施するとき,全ての作業を終わらせるのに必要な最短の日数は何日か。ここで,複数要員が必要な作業は全員…
- 2025(R7)秋 システム監査技術者 午前II 問11 プロジェクトマネジメントの進捗管理や課題管理だけでなく,サービスマネジメントのインシデント管理やサービス要求管理にも利用…
- 2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問3 プロジェクトの成果を予測する際に用いる回帰分析の説明はどれか。…
- 2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問6 図は,実施する三つのアクティビティについて,プレシデンスダイアグラム法を用いて,依存関係及び必要な作業日数を示したもので…
- 2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問7 図1に示すプロジェクト活動は,作業Cの終了がこの計画から2日遅れたので,このままでは当初に計画した総所要日数で終了できな…
- 2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問8 プロジェクトのスケジュール管理で使用する“クリティカルチェーン法”の実施例はどれか。…
- 2025(R7)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問19 プロジェクトマネジメントの進捗管理や課題管理にだけでなく,サービスマネジメントのインシデント管理やサービス要求管理にも利…
- 2025(R7)春 応用情報技術者 午前 問52 EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで,進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適…
- 2025(R7)春 応用情報技術者 午前 問53 プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。…
- 2025(R7)春 高度試験共通 午前I 問18 EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで,進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適…
- 2025(R7)春 高度試験共通 午前I 問19 プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。…
- 2025(R7)春 ITサービスマネージャ 午前II 問6 図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,…
- 2025(R7)春 ITサービスマネージャ 午前II 問19 プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1, E2, E3に分けて, 図2…
- 2025年度(R7) ITパスポート 問41 システム開発プロジェクトで使用される技法のうち,スケジュール作成に用いる技法として,適切なものだけを全て挙げたものはどれ…
- 2025年度(R7) ITパスポート 問45 計画時の予算が2,000万円で,40日間で100本のプログラムを作成するプロジェクトがある。プロジェクトが20日経過した…
- 2024(R6)秋 応用情報技術者 午前 問54 プロジェクトマネジメントにおけるファストトラッキングの例として,適切なものはどれか。…
- 2024(R6)秋 高度試験共通 午前I 問19 プロジェクトマネジメントにおけるファストトラッキングの例として,適切なものはどれか。…
- 2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問4 EVMで管理しているプロジェクトがある。図は,プロジェクトの開始日から完了予定日までの期間の半分が経過した時点での状況で…
- 2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問5 あるプロジェクトの作業が図のとおり計画されているとき,最短日数で終了するためには,作業Hはプロジェクトの開始から遅くとも…
- 2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問6 四つのアクティビティ A〜D によって実行する開発プロジェクトがある。図は, 各アクティビティの PDM(プレシデンスダ…
- 2024(R6)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問8 EVMを採用しているプロジェクトにおいて,ある時点のCPIが1.0を下回っていた場合の対処として,適切なものはどれか。…
- 2024(R6)春 応用情報技術者 午前 問51 EVMで管理しているプロジェクトがある。図は,プロジェクトの開始から完了予定までの期間の半分が経過した時点での状況である…
- 2024(R6)春 応用情報技術者 午前 問52 図のアローダイアグラムで表されるプロジェクトがある。結合点5の最早結合点時刻はプロジェクトの開始から第何日か。ここで,プ…
- 2024(R6)春 高度試験共通 午前I 問18 EVMで管理しているプロジェクトがある。図は,プロジェクトの開始から完了予定までの期間の半分が経過した時点での状況である…
- 2024(R6)春 ITサービスマネージャ 午前II 問19 アローダイアグラムで表される日程のプロジェクトにおいて,現在のクリティカルパスは作業 A,D,I,J である。作業 D …
- 2024年度(R6) ITパスポート 問41 あるプロジェクトの作業間の関係と所要時間がアローダイアグラムで示されている。このアローダイアグラムのBからEの四つの結合…
- 2023(R5)秋 応用情報技術者 午前 問52 システム開発のプロジェクトにおいて,EVMを活用したパフォーマンス管理をしている。開発途中のある時点で EV - PV …
- 2023(R5)秋 応用情報技術者 午前 問53 プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1, E2, E3に分けて,図2の…
- 2023(R5)秋 高度試験共通 午前I 問19 プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1,E2,E3に分けて,図2のとお…
- 2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問5 ある組織では,プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間 10日間のプロジ…
- 2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問6 表は,あるプロジェクトにおける作業①〜④の担当者,所要日数の見積り,前作業を示している。条件に従って,クリティカルチェー…
- 2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問7 四つのアクティビティ A~D によって実行する開発プロジェクトがある。図は, 各アクティビティの依存関係を PDM(プレ…
- 2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問8 プロジェクトのスケジュール管理で使用する“クリティカルチェーン法”の実施例はどれか。…
- 2023(R5)春 応用情報技術者 午前 問52 クリティカルチェーン法に基づいてスケジュールネットワーク上にバッファを設ける。クリティカルチェーン上にないアクティビティ…
- 2023(R5)春 応用情報技術者 午前 問53 過去のプロジェクトの開発実績に基づいて構築した作業配分モデルがある。システム要件定義からシステム内部設計までをモデルどお…
- 2023(R5)春 高度試験共通 午前I 問19 過去のプロジェクトの開発実績に基づいて構築した作業配分モデルがある。システム要件定義からシステム内部設計までをモデルどお…
- 2023(R5)春 ITサービスマネージャ 午前II 問7 図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,…
- 2023年度(R5) ITパスポート 問41 次のアローダイアグラムに基づき作業を行った結果,作業Dが2日遅延し,作業Fが3日前倒しで完了した。作業全体の所要日数は予…
- 2023年度(R5) ITパスポート 問55 ソフトウェア開発の仕事に対し,10名が15日間で完了する計画を立てた。しかし,仕事開始日から5日間は,8名しか要員を確保…
- 2022(R4)秋 応用情報技術者 午前 問52 図は,実施する三つのアクティビティについて,プレシデンスダイアグラム法を用いて,依存関係及び必要な作業日数を示したもので…
- 2022(R4)秋 応用情報技術者 午前 問53 あるシステムの設計から結合テストまでの作業について,開発工程ごとの見積工数を表1に,開発工程ごとの上級技術者と初級技術者…
- 2022(R4)秋 高度試験共通 午前I 問18 図は,実施する三つのアクティビティについて,プレシデンスダイアグラム法を用いて,依存関係及び必要な作業日数を示したもので…
- 2022(R4)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問7 EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで,進捗に関する指標値は次のとおりであった。このプロジェクトに対する適…
- 2022(R4)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問9 図のアローダイアグラムから読み取れることとして,適切なものはどれか。ここで,プロジェクトの開始日を1日目とする。…
- 2022(R4)春 応用情報技術者 午前 問51 ある組織では,プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間 10日間のプロジ…
- 2022(R4)春 応用情報技術者 午前 問52 プロジェクトのスケジュールを短縮するために,アクティビティに割り当てる資源を増やして,アクティビティの所要期間を短縮する…
- 2022(R4)春 応用情報技術者 午前 問53 ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,表の全ての作業を完了させるために必要な期間は最短で何日間か。…
- 2022(R4)春 高度試験共通 午前I 問18 ある組織では,プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間 10 日間のプロ…
- 2022(R4)春 高度試験共通 午前I 問19 ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,表の全ての作業を完了させるために必要な期間は最短で何日間か。…
- 2022(R4)春 システムアーキテクト 午前II 問9 ソフトウェアのテスト工程において,バグ管理図を用いて,テストの進捗状況とソフトウェアの品質を判断したい。このときの考え方…
- 2022年度(R4) ITパスポート 問43 図のアローダイアグラムにおいて,作業Bが2日遅れて完了した。そこで,予定どおりの期間で全ての作業を完了させるために,作業…
- 2021(R3)秋 応用情報技術者 午前 問52 次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を,アローダイアグラムに書き直したものはど…
- 2021(R3)秋 高度試験共通 午前I 問18 次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を,アローダイアグラムに書き直したものはど…
- 2021(R3)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問4 アクティビティA〜Eによって実施する開発プロジェクトがある。図は,各アクティビティの依存関係をPDM(プレシデンスダイア…
- 2021(R3)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問5 工程管理図表の特徴に関する記述のうち,ガントチャートのものはどれか。…
- 2021(R3)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問6 プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として,適切なものはどれか。…
- 2021(R3)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問7 プロジェクトのスケジュール管理で使用する“クリティカルチェーン法”の実施例はどれか。…
- 2021(R3)秋 プロジェクトマネージャ 午前II 問12 プロジェクトマネジメントで使用する分析技法のうち,傾向分析の説明はどれか。…
- 2021(R3)春 応用情報技術者 午前 問53 プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。 作業Eを作業E1, E2, E3に分けて,図2…
- 2021(R3)春 高度試験共通 午前I 問19 プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。 作業Eを作業E1, E2, E3に分けて,図2…
- 2021(R3)春 ITサービスマネージャ 午前II 問6 図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,…
- 2021年度(R3) ITパスポート 問36 開発期間10か月,開発の人件費予算1,000万円のプロジェクトがある。5か月経過した時点で,人件費の実績は600万円であ…
- 2021年度(R3) ITパスポート 問50 自分のデスクにあるPCと共有スペースにあるプリンタの起動を1人で行う。PCとプリンタの起動は図の条件で行い,それぞれの作…
この分野の午後問題(記述式・読み物)
進捗管理の用語
マネジメントのほかの分野
プロジェクト計画75問 品質マネジメント32問 リスクマネジメント53問 調達・契約56問 ステークホルダー・要員56問 サービスマネジメント175問 システム監査174問