令和3年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前II 問6
マネジメント進捗管理スケジュールネットワーク・短縮技法
図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,移行開始から移行終了までの所要時間は最短で何時間か。
〔条件〕
- 作業者は3人とし,一つの作業は1人が担当する。
- 並行して実施できる作業は同時に進める。
- 各作業者は,作業と作業の間のどこかで最低1回,連続1時間以上の休憩を取る。

図の説明テキスト
あるプロジェクトにおける旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図。
凡例:
枠内の表記は上から順に、【システム区分】、作業の名称、作業時間。
ノードと遷移の構成:
- 「移行開始」から「【旧システム】オンライン停止 (0.5時間)」へ進む。
- 「【旧システム】オンライン停止」の完了後、同期バーを経て以下3つの作業に分岐(並行処理)する:
- 「【旧システム】利用者IDデータ抽出 (1.5時間)」
- 「【旧システム】マスタデータ抽出 (1.5時間)」
- 「【旧システム】取引データ抽出 (2.5時間)」
- 「利用者IDデータ抽出」の完了後、そのまま「【新システム】利用者IDデータ登録 (4.0時間)」へ進む。
- 「マスタデータ抽出」と「取引データ抽出」は同期バーで合流し、両方の完了後に以下2つの作業に分岐(並行処理)する:
- 「【新システム】マスタデータ登録 (3.5時間)」
- 「【新システム】取引データ登録 (3.0時間)」
- 上記3つの新システムへの登録作業がすべて完了した後、同期バーを経て以下2つの作業に分岐(並行処理)する:
- 「【新システム】動作確認① (0.5時間)」
- 「【新システム】動作確認② (0.5時間)」
- 両方の動作確認が完了した後、同期バーを経て「移行終了」へ進む。
解答・解説
正解: ウ. 7.5
図表の作業の流れと所要時間、および条件である「作業者3人」「連続1時間以上の休憩」を踏まえて、全体の最短所要時間を求めます。
1. 休憩時間を考慮しない場合の最短所要時間
まず、各作業の依存関係から、休憩を含めない場合の最短ルート(クリティカルパス)を確認します。
- 「【旧システム】オンライン停止」: 時間
- その後、3つの抽出作業が並行して開始されます。「【旧システム】取引データ抽出」が最長で時間かかります。後続のマスタデータ登録と取引データ登録は、抽出作業が合流する同期バーを経るため、この時間の作業が終わるまで開始できません。
- 登録作業の中で最長なのは「【新システム】マスタデータ登録」(時間)です。
- したがって、停止〜抽出〜登録までの最長ルートの所要時間は 時間 となります。
- ※「利用者ID」のルートは 時間 であり、上記より短いため全体のボトルネックにはなりません。
- 上記3つの新システムへの登録作業がすべて完了した後、同期バーを経て「動作確認」(時間)が行われます。
- よって、休憩なしの最短所要時間は 時間 です。
2. 休憩時間の条件を適用したスケジュールの検討
条件より、作業者は3人で、並行できる作業は同時に進めます。また、全員が作業と作業の間に連続1時間以上の休憩を取る必要があります。
- 開始から時間後、3つの抽出作業を3人の作業者で同時に開始します。
- 最も時間のかかる「【旧システム】取引データ抽出(時間)」を担当する作業者は、開始から時間後〜時間後まで連続して作業を行います。
- この作業者は作業の間に休憩を取る必要があるため、最速でも 時間後〜時間後 まで時間の休憩を取ることになります。
- 休憩明けの 時間後、この作業者は3つの登録作業のうちいずれかを開始します。全体の遅延を最小限にするため、最も所要時間の短い「【新システム】取引データ登録(時間)」を担当させます。
- この登録作業が完了するのは 時間後 となります。
- 「動作確認」はすべての登録作業が完了しないと開始できないため、「動作確認」の開始は最速でも 時間後 になります。
- 2つの「動作確認」(各時間)を2人で並行して行い、全体の最短所要時間は 時間 となります。
各選択肢の解説
- ア (): 動作確認の時間を忘れている、あるいは依存関係やクリティカルパスの計算を誤っている場合の時間です。
- イ (): 休憩時間を全く考慮せずに、作業時間のみで計算した場合の最短時間です。条件を満たせません。
- ウ (): 正解です。
- エ (): 休憩の取り方や作業の割り当てを非効率に行うとこの時間になりますが、最短ではありません。