「不動産登記法」の過去問(権利関係・53問)

1. この分野は何か

不動産は高額で、誰が持ち主なのか外から見ただけでは分かりません。そこで、その土地や建物の物理的な状況(どこに、どれくらいの広さであるか)や、権利関係(誰の持ち物か、借金の担保に入っていないか)を公の帳簿(登記簿)に記録して一般に公開する仕組みが「不動産登記制度」です。

この制度のルールを定めたのが「不動産登記法」であり、宅建試験の権利関係の分野で毎年1問出題されます。

2. 学習のポイント

1. 登記記録の構造
登記記録は、大きく2つのパートに分かれています。

  • 表題部:不動産の物理的な状況(土地の面積や、建物の構造など)を記録する部分。
  • 権利部:権利関係を記録する部分。さらに、所有権に関する事項を記録する「甲区」と、所有権以外の権利(抵当権など)を記録する「乙区」に分かれます。

2. 申請義務の有無

  • 表題登記:新しく建物を建てたときなどは、原則として1ヶ月以内に表題登記を申請する義務があります(固定資産税などの税金を正確に取るための国の要請があるため)。
  • 権利に関する登記:不動産を買って所有権が移った場合などの「権利」の登記は、自分の権利を守るために行うものであり、申請するかどうかは自由で義務ではありません(※ただし、令和6年の法改正により、相続登記の義務化などの例外が始まっていますが、原則の概念としては義務なしと押さえます)。

3. 申請の原則と例外
権利に関する登記は、登記をすることで得をする人(登記権利者:買主など)と、損をする人(登記義務者:売主など)が、ウソの登記を防ぐために共同して申請するのが大原則です。
ただし、判決による登記や、相続による登記など、権利関係が明確でウソをつく余地がない場合は単独で申請できます。

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、この「共同申請の原則と単独申請の例外」が非常によく問われます。

たとえば、「登記権利者と登記義務者が共同して申請すべき登記について、登記義務者が申請に協力しない場合、登記権利者は、単独で当該登記の申請をすることができる」という問題。(正解:誤り。単独で申請できるのは、協力しない相手に対して訴訟を起こし、「登記手続きをせよ」という確定判決を得た場合などに限られます。単に協力しないという事実だけでは単独申請できません)。

また、仮登記(本登記をするための条件がまだ揃っていない時に、とりあえず順番だけ確保しておく登記)に関する問題も出題されます。「仮登記は、仮登記義務者の承諾があるときは、仮登記権利者が単独で申請することができる」といった例外ルール(正解:正しい)を押さえておきましょう。

4. 間違えやすいところ

表題部の変更の登記
建物を増築して面積が変わった場合など、表題部に記載されている事項に変更が生じたときは、1ヶ月以内に変更の登記を申請しなければなりません。「権利に関する登記ではないので義務はない」と勘違いしないようにしましょう。

建物の滅失登記
建物が火事などでなくなってしまった場合(滅失)、所有者は1ヶ月以内に建物の滅失の登記を申請しなければなりません。これも表題部に関する手続きなので義務があります。

権利部の「乙区」の有無
登記記録は「表題部」「甲区」「乙区」で構成されますが、その不動産に抵当権などの所有権以外の権利が何も設定されていない場合は、「乙区」は設けられません(空欄の乙区が作られるわけではなく、最初から存在しない)。

  1. 2025年度(R7) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  2. 2024年度(R6) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  3. 2023年度(R5) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  4. 2022年度(R4) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  5. 2021(R3)12月 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  6. 2021(R3)10月 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。…
  7. 2020(R2)12月 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  8. 2020(R2)10月 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。…
  9. 2019年度(R1) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  10. 2018年度(H30) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  11. 2017年度(H29) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  12. 2016年度(H28) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  13. 2015年度(H27) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  14. 2014年度(H26) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  15. 2013年度(H25) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  16. 2012年度(H24) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  17. 2011年度(H23) 問14 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  18. 2010年度(H22) 問14 不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  19. 2009年度(H21) 問 14 不動産の表示に関する登記についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  20. 2008年度(H20) 問16 不動産の登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  21. 2007年度(H19) 問16 不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  22. 2006年度(H18) 問 15 不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  23. 2005年度(H17) 問16 不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  24. 2004年度(H16) 問15 不動産の仮登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。…
  25. 2003年度(H15) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  26. 2002年度(H14) 問15 不動産登記の申請に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  27. 2001年度(H13) 問14 1棟の建物を区分した建物(以下この問において「区分建物」という。)についての登記に関する次の記述のうち、誤っているものは…
  28. 2000年度(H12) 問14 所有権保存の登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  29. 2000年度(H12) 問15 土地の分筆の登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  30. 1999年度(H11) 問11 土地の合筆の登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  31. 1999年度(H11) 問12 不動産登記の対象に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  32. 1998年度(H10) 問14 不動産登記の登記済証の添付に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。ただし, 登記済証の滅失については考慮しない…
  33. 1998年度(H10) 問15 不動産の仮登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  34. 1997年度(H9) 問14 不動産登記の申請義務に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  35. 1997年度(H9) 問15 不動産登記の申請に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  36. 1996年度(H8) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  37. 1996年度(H8) 問16 一棟の建物を区分した建物(以下この問において「区分建物」という。) についての登記に関する次の記述のうち, 誤っているも…
  38. 1995年度(H7) 問15 登記義務者の権利に関する登記済証が滅失したときに不動産の登記の申請書に添付すべき保証書又は保証書に署名捺印すべき保証人に…
  39. 1995年度(H7) 問16 Aが一戸建ての建物を新築して建物の表示の登記をし, これをBに売却したが, その後にAが死亡し, Cが相続した。この場合…
  40. 1994年度(H6) 問15 不動産の登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  41. 1994年度(H6) 問16 不動産の登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  42. 1993年度(H5) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  43. 1993年度(H5) 問16 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  44. 1992年度(H4) 問14 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  45. 1992年度(H4) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  46. 1991年度(H3) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  47. 1991年度(H3) 問16 不動産登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  48. 1990年度(H2) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  49. 1990年度(H2) 問16 不動産の仮登記に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…
  50. 1989年度(H1) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…
  51. 1989年度(H1) 問16 区分所有建物に係る登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。 ※ 区分所有建物 建物の区分所有等に関する法律…
  52. 1988年度(S63) 問15 不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。 ※ 区分所有建物 建物の区分所有等に関する法律第2条第1項…
  53. 1988年度(S63) 問16 不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。…