「借地権の存続期間・更新・対抗力」の過去問(権利関係・33問)

1. この分野は何か

他人の土地を借りて、そこに自分の家を建てる(借地)ための法律が「借地借家法(しゃくちしゃっかほう)」です。

民法の賃貸借ルールでは、借りる側(借地人)の立場が弱く、地主から「土地を返して」と言われたら家を取り壊して出ていかなければなりませんでした。そこで、借りる側を強く保護するために作られた特別法が借地借家法です。本分野では、その中でも通常の借地権の「期間」と「更新」、そして第三者に権利を主張する「対抗力」について学びます。

2. 学習のポイント

1. 借地権の存続期間
借地権の存続期間は、原則として「30年」です。もし契約で「20年」と定めても、借地借家法違反(借地人に不利)として無効となり、強制的に30年になります。逆に「40年」など30年より長く定めることは自由です。

2. 契約の更新と正当事由
期間が満了しても、借地人が更新を希望し、または土地の使用を継続している場合、契約は原則として更新されます。
地主がこの更新を拒絶するには、「遅滞なく異議」を述べた上で、地主側にも土地を使う事情がある等の「正当事由」が必要となります。正当事由がなければ、地主は追い出すことができません。
※更新後の期間は、1回目の更新は「20年(またはそれ以上)」、2回目以降は「10年(またはそれ以上)」となります。

3. 借地権の対抗力
土地の所有者が変わった場合などに「ここは私の借りている土地だ」と主張(対抗)するには、原則として土地の「賃借権の登記」が必要です。しかし、地主が登記に協力してくれないことが多いため、借地借家法では「その土地の上にある建物に、借地人名義の登記」があれば、土地の登記がなくても対抗力を持つという特例を設けています。

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、借地借家法の借地に関する問題として毎年1問出題されます。

「借地権の対抗力」の引っかけが超頻出です。「借地人Aは、借地上の建物をAの長男名義で保存登記した。この場合、Aは土地の新しい所有者に対抗できるか」という問題です(正解:できない。対抗力を得るための建物の登記は、必ず借地人本人の名義でなければなりません。家族名義ではダメです)。

また、建物が滅失した場合の対抗力のルールも問われます。借地上の建物が火事などでなくなると、建物の登記もなくなるため対抗力を失うのが原則です。しかし、「建物を特定するために必要な事項等を、その土地の上の見やすい場所に掲示」すれば、滅失の日から2年間は対抗力が維持されるという救済規定があります。

4. 間違えやすいところ

借地借家法の適用範囲
借地借家法が適用される「借地権」とは、あくまで「建物の所有を目的とする」土地の賃借権や地上権のことです。駐車場にするため、あるいは資材置き場にするために土地を借りる場合は「建物の所有」が目的ではないため、借地借家法は適用されず、原則通り民法が適用されます。

正当事由の判断要素
地主が更新を拒絶するための「正当事由」は、地主と借地人の「土地を使用する事情(必要性)」を主たる判断基準とします。これに加えて、地主が借地人に支払う「立退料(財産上の給付)」も考慮されます。ただし、立退料さえ払えば無条件で正当事由が認められるわけではない(立退料はあくまで補完的な要素である)点に注意してください。

  1. 2024年度(R6) 問11 建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約(一時使用目的の借地契約を除く。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば…
  2. 2023年度(R5) 問11 AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で期間を50年とする賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)…
  3. 2022年度(R4) 問11 建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約(定期借地権及び一時使用目的の借地権となる契約を除く。)に関する次の記述のうち、借…
  4. 2021(R3)12月 問11 次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。…
  5. 2020(R2)12月 問11 次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。…
  6. 2020(R2)10月 問11 A所有の甲土地につき、令和2年7月1日にBとの間で居住の用に供する建物の所有を目的として存続期間30年の約定で賃貸借契約…
  7. 2018年度(H30) 問11 AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関…
  8. 2017年度(H29) 問11 A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の…
  9. 2016年度(H28) 問11 Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定…
  10. 2014年度(H26) 問11 甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース①」という。)と、建物の所有を目的とせずに…
  11. 2013年度(H25) 問12 賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。…
  12. 2012年度(H24) 問11 賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。…
  13. 2011年度(H23) 問11 借地借家法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
  14. 2009年度(H21) 問11 現行の借地借家法の施行後に設定された借地権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。…
  15. 2008年度(H20) 問 13 Aが所有している甲土地を平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合と、一時使用目的ではなく建物所有目的を有する…
  16. 2007年度(H19) 問13 Aが所有者として登記されている甲土地上に、Bが所有者として登記されている乙建物があり、CがAから甲土地を購入した場合に関…
  17. 2006年度(H18) 問13 自らが所有している甲土地を有効利用したいAと、同土地上で事業を行いたいBとの間の契約に関する次の記述のうち、民法及び借地…
  18. 2005年度(H17) 問13 借地人Aが、平成15年9月1日に甲地所有者Bと締結した建物所有を目的とする甲地賃貸借契約に基づいてAが甲地上に所有してい…
  19. 2003年度(H15) 問13 Aが、Bに、A所有の甲地を建物の所有を目的として賃貸し、Bがその土地上に乙建物を新築し、所有している場合に関する次の記述…
  20. 2002年度(H14) 問13 Aが, 平成4年8月, Bに土地を賃貸し, Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物賞取請求権に関する…
  21. 2001年度(H13) 問12 Aは, 昭和46年(西暦1971年) 8月, Bから, その所有地を, 建物の所有を目的として存続期間30年の約定で賃借…
  22. 1999年度(H11) 問13 Aは, 建物所有の目的でBから1筆の土地を賃借し(借地権の登記はしていない。), その土地の上にA単独所有の建物を建築し…
  23. 1998年度(H10) 問11 Aは、平成4年8月、その所有地について、Bに対し、建物の所有を目的とし存続期間30年の約定で賃借権(その他の特約はないも…
  24. 1997年度(H9) 問11 Aが, Bの所有地を賃借して木造の家屋を所有し, これに居住している場合に関する次の記述のうち, 借地借家法の規定によれ…
  25. 1996年度(H8) 問13 Aは, 建物の所有を目的としてBから土地を賃借し, 建物を建築して所有しているが, その土地の借地権については登記をして…
  26. 1994年度(H6) 問11 AがBの土地を賃借して建てた建物の所有権が, Cに移転した。Bは, Cが使用しても何ら支障がないにかかわらず, 賃借権の…
  27. 1993年度(H5) 問10 AがBから土地を賃借して, 建物を建て, その登記をした後, その建物にCの抵当権を設定して, 登記をしたが, Aが弁済…
  28. 1993年度(H5) 問11 平成5年10月AがBのために新たに借地権を設定した場合に関する次の記述のうち,借地借家法の規定及び判例によれば,正しいも…
  29. 1992年度(H4) 問10 Aは、木造の建物の所有を目的として、Bが所有する土地を期間20年の約定で賃借している。この場合、民法及び借地法の規定によ…
  30. 1991年度(H3) 問12 AがBの所有地を賃借して木造家屋を所有している場合に関する次の記述のうち, 民法及び借地法の規定並びに判例によれば, 正…
  31. 1990年度(H2) 問12 不動産の賃貸借に関する次の記述のうち、民法、借地法及び借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。…
  32. 1989年度(H1) 問12 Aは, Bの所有する土地を賃借し, その上に木造の建物を所有している。この場合, 借地法の規定及び判例によれば, 次の記…
  33. 1988年度(S63) 問13 借地権に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。…