「専任の宅地建物取引士の設置」の過去問(宅建業法・16問)

1. この分野は何か

不動産取引は高額で複雑なため、トラブルを防ぐには専門的な知識を持つプロの目が必要です。そこで宅建業法は、宅建業者の事務所等に対し、一定数以上の「専任の宅地建物取引士」を常駐させることを義務付けています。

単に資格を持っている人を雇えばよいわけではなく、「専任(そこにフルタイムで常駐し、宅建業務に専念する状態)」であることが求められます。本分野では、どの場所に、何人の専任取引士を置かなければならないかを学びます。

2. 学習のポイント

1. 設置場所と人数の要件
拠点の種類によって必要な人数が異なります。

  • 事務所(本店・支店):業務に従事する者(事務員なども含む全員)5名につき1名以上の割合で設置しなければなりません。
  • 案内所等(契約業務を行うモデルルームなど):業務に従事する者の人数に関わらず、1名以上設置すれば足ります。
    ※契約業務を行わない(単なる展示目的の)案内所であれば、設置義務はありません。

2. 専任の要件
専任の取引士としてカウントされるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 成年者であること(※法改正により18歳以上が成年となりました。未成年者は、たとえ結婚していても、営業の許可を得ていても「専任」にはなれません)。
  • 常勤性:その事務所に常時勤務していること。
  • 専従性:宅建業の業務に専念できる状態であること(他社の社員を兼任している等の場合は不可)。

3. 不足した場合の補充
退職などで専任の取引士の数が法定の人数を下回ってしまった場合、業者は2週間以内に新たな専任の取引士を補充するなどの必要な措置を講じなければなりません。

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、「事務所の要件」に関する総合問題の中で、選択肢の1〜2個として出題されるのが定番です。

人数の計算問題がよく出ます。「従業員が14名いる事務所には、専任の取引士は何名必要か」といった問題です(正解:3名。5名につき1名なので、1〜5名なら1人、6〜10名なら2人、11〜15名なら3人必要です)。

また、「成年者」の要件の引っかけも頻出です。「19歳のAは、法定代理人の許可を得て宅建業の営業を行っている場合、専任の宅地建物取引士となることができる」(正解:できる。民法改正により18歳で成年となるため、19歳は成年者であり専任になれます。古い過去問の「未成年者は営業許可があっても専任になれない」という知識のアップデートが必要です)。

4. 間違えやすいところ

代表者や役員が取引士である場合
宅建業者の代表取締役や役員が宅地建物取引士の資格を持っており、その事務所に常勤して宅建業務に専従している場合、その者を「専任の宅地建物取引士」としてカウントすることができます。経営者だからといって除外されるわけではありません。

案内所等への出張
「事務所」の専任の取引士として登録されている者が、週末だけ「案内所」に出張して重要事項説明などを行うことは可能です。ただし、その出張によって「事務所」側の専任の取引士が法定人数(5人に1人)を割ってしまうような場合は、宅建業法違反となります。

補充期間の「2週間」
専任の取引士が不足した場合の補充期間は「2週間以内」です。「30日以内」や「遅滞なく」といった、他の手続きの期限との混同を狙う引っかけに注意しましょう。

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