宅建 平成2年度 試験 問35
宅地建物取引主任者(以下「取引主任者」という。) に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 3. 宅地建物取引業者は, 20歳未満の者であっても, 婚姻をした者については, その者を専任の取引主任者として置くことができる。
本問は、宅地建物取引主任者(現・宅地建物取引士)に関する問題です。
正解は選択肢3です。
未成年者であっても婚姻をした者は、民法上成年とみなされます(成年擬制。※出題当時の民法に基づく。なお、現在は成年年齢が18歳に引き下げられています)。これにより、宅地建物取引業法上も独立して営業を営むことができるため、取引主任者の登録を受け、専任の取引主任者となることができます。
各選択肢の解説
- 選択肢1: 誤り。変更の登録の申請は、宅地建物取引業者ではなく、取引主任者本人が行わなければなりません。取引主任者は、氏名、住所、本籍、従事先等に変更があった場合、遅滞なく登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請する義務があります。
- 選択肢2: 誤り。株式会社の監査役は、会社の業務執行を監査する立場にあり、専任の取引主任者と兼任することはできません。監査の独立性を保つためです(なお、取締役であれば兼任可能です)。
- 選択肢3: 正しい。上記の通り、婚姻による成年擬制により、独立して営業を営むことができる未成年者は、専任の取引主任者となることができます。
- 選択肢4: 誤り。事務所以外で専任の取引主任者を置かなければならない場所(案内所など)においては、業務に従事する者の数に関わらず、1名以上の専任の取引主任者を置く必要があります。「従事する者の数の5分の1以上」という割合の要件は、事務所における専任の取引主任者の設置要件です。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
出題当時は、20歳未満でも婚姻すれば成年とみなされる制度があったため、選択肢 3は正しい記述でした。しかし、2022年4月1日施行の民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号)で成年年齢は18歳となり、この制度は廃止されました。そのため選択肢 3は前提となる仕組みがなくなり問題文だけでは正誤が決まらず、現行法では正解が一つに定まりません。