「クーリング・オフ」の過去問(宅建業法・34問)
1. この分野は何か
不動産の売買は高額ですが、テント張りの案内所や喫茶店、あるいは自宅への押し売りなどで、冷静な判断ができないまま契約してしまうことがあります。そのような場合に、一定の条件を満たせば、理由を問わず無条件で契約を白紙撤回(解除)できる制度が「クーリング・オフ」です。自ら売主の8種制限の1つです。
2. 学習のポイント
- できる場所とできない場所:クーリング・オフができるかどうかは、「どこで買受けの申込みをしたか」で決まります。
- できない場所(事務所等):宅建業者の事務所、専任の宅建士が設置されているモデルルームや案内所。ここでは落ち着いて判断できるため、クーリング・オフはできません。
- できる場所(事務所等以外):喫茶店、レストラン、テント張りの仮設案内所など。
- 自宅や勤務先:業者が強引に押しかけた場合はできますが、「お客さんの方から『自宅(または勤務先)に来てくれ』と呼び出した場合」は、クーリング・オフできなくなります。
- できなくなる2つの条件:以下のいずれかに該当すると、クーリング・オフできなくなります。
- クーリング・オフができる旨を書面で告げられた日から起算して「8日」を経過したとき。
- 物件の「引渡しを受け、かつ、代金の全額を支払った」とき。
3. 実際の出題のされ方
クーリング・オフは頻出の得点源です。問題文の状況設定を正確に読み取れるかが鍵になります。
「ホテルで申込みをし、後日、宅建業者の事務所で契約を締結した。クーリング・オフできるか?」という問題は超定番です。基準となるのは常に「申込みをした場所」です。申込みをした場所がホテル(事務所等以外)であれば、その後の契約を事務所で行ってもクーリング・オフは可能です。
4. 間違えやすいところ
書面による告知の起算日
「クーリング・オフができる旨を書面で告げられた日」から8日経過で解除できなくなります。口頭で告げられただけでは日数のカウントはスタートしません。また、「告げられた日(当日)」を1日目としてカウント(起算)します。
解除の方法
クーリング・オフによる解除は、必ず「書面」で行わなければなりません(宅建業法37条の2第1項)。電話や口頭では無効です。ここは、35条書面・37条書面が2022年から相手方の承諾を条件に電磁的方法で提供できるようになったのとは扱いが異なります。買主側からの撤回・解除の通知は電子化の対象外で、いまも書面に限られる点が引っかけどころです。そして、書面を「発信した時(ポストに投函した時など)」に解除の効力が発生します(発信主義)。業者の手元に届いた時ではありません。
損害賠償・違約金の請求禁止
クーリング・オフが行われた場合、契約は初めからなかったことになります。宅建業者は、受け取っていた手付金などを速やかに全額返還しなければならず、買主に対して損害賠償や違約金の支払いを請求することは一切できません。
- 2025年度(R7) 問40 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、宅地建物取引業者ではない買主Cとの間で宅地の売買契…
- 2024年度(R6) 問30 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で宅地の売買契約を締結し、手付金を支払ったBが…
- 2023年度(R5) 問35 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bから宅地の買受けの申込みを受けた場合における宅地建物…
- 2022年度(R4) 問38 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、買受けの申込みを喫茶店で行った場合における宅地建物取引業法第37…
- 2021(R3)12月 問43 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない法人B又は宅地建物取引業者ではない個人Cをそれぞれ買主とす…
- 2021(R3)10月 問39 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者Bの媒介により、宅地建物取引業者ではないCを買主とするマンションの…
- 2020(R2)12月 問39 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取…
- 2020(R2)10月 問40 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取…
- 2019年度(R1) 問38 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取…
- 2018年度(H30) 問37 宅地建物取引業者である売主Aが、宅地建物取引業者Bの媒介により宅地建物取引業者ではない買主Cと新築マンションの売買契約を…
- 2017年度(H29) 問 31 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間でマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結し…
- 2016年度(H28) 問44 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した場合、宅地建物取引業法第37条の…
- 2015年度(H27) 問34 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち…
- 2014年度(H26) 問38 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引…
- 2013年度(H25) 問34 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取…
- 2012年度(H24) 問37 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した建物の売買契約について、Bが宅地建物取…
- 2011年度(H23) 問35 宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した投資用マンションの売買契約について、B…
- 2010年度(H22) 問38 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取…
- 2009年度(H21) 問37 自らが売主である宅地建物取引業者Aと、宅地建物取引業者でないBとの間での売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法…
- 2008年度(H20) 問39 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主との間で締結した宅地の売買契約について、買主が宅地建物取…
- 2006年度(H18) 問39 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、次の記述のうち、…
- 2005年度(H17) 問 41 宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと土地付建物の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引…
- 2004年度(H16) 問42 売主を宅地建物取引業者であるA、買主を宅地建物取引業者でないBとの宅地の売買契約において、宅地建物取引業法第37条の2の…
- 2003年度(H15) 問39 宅地建物取引業者Aが, 自ら売主となり, 宅地建物取引業者でない買主との間で締結した宅地の売買契約について, 買主が宅地…
- 2002年度(H14) 問45 宅地建物取引業者Aが自ら売主として締結した建物の売買契約について, 買主が宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき売買…
- 2001年度(H13) 問44 宅地建物取引業者でないAは, 宅地建物取引業者Bに対し, Bが売主である宅地建物について, Aの自宅付近の喫茶店で, そ…
- 2000年度(H12) 問41 売主を宅地建物取引業者であるA, 買主を宅地建物取引業者でないBとする宅地の売買契約について, Bが, 宅地建物取引業法…
- 1996年度(H8) 問49 宅地建物取引業者Aが, 宅地建物取引業者でないBからBの自宅近くの喫茶店で宅地の買受けの申込みを受け, 自ら売主としてB…
- 1995年度(H7) 問47 宅地建物取引業者Aは土地区画整理組合Bの施行する土地区画整理事業の施行テ地区内の宅地(造成工事完了済み)についてCに売買…
- 1994年度(H6) 問42 宅地建物取引業者でない買主Aが宅地建物取引業者である売主Bと宅地の売買契約を締結した場合における, 宅地建物取引業法第3…
- 1993年度(H5) 問41 宅地建物取引業者Aが自ら売主となって宅地の売買契約を締結した場合における, 宅地建物取引業法第37条の2の規定による売買…
- 1992年度(H4) 問45 宅地建物取引業者Aが自ら売主として買主Bと事務所等以外の場所で売買契約を締結した場合における,宅地建物取引業法第37条の…
- 1991年度(H3) 問46 宅地建物取引業法第37条の2に規定する事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等に関する次の記述のうち, 誤っ…
- 1989年度(H1) 問38 宅地建物取引業法第37条の2に規定する宅地又は建物の買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除に関する次の記述のうち, 誤っ…