宅建 盛土規制法 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

山や丘を切り崩したり(切土)、土を盛ったり(盛土)して土地を造成する際、工事が不適切だと崖崩れや土砂の流出といった大災害につながる危険があります。そこで、危険な造成工事を規制し、災害を防止するためのルールを定めたのが「盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)」です。

※かつては「宅地造成等規制法(旧宅造法)」と呼ばれていましたが、令和3年の熱海市土石流災害などを契機に法改正が行われ、規制対象が「宅地」だけでなく「農地や森林」などにも拡大され、法律名も変更されました。

2. 学習のポイント

まずは規制の対象となる2つの区域を押さえます。

  1. 宅地造成等工事規制区域:市街地やその周辺など、人家が密集しており、造成工事に伴う災害で大きな被害が出るおそれがある区域。
  2. 特定盛土等規制区域:市街地からは離れているものの、そこで盛土の崩落が起きれば、土砂が人家まで到達して被害を及ぼすおそれがある区域。

次に、これらの区域内で「都道府県知事等の許可」が必要となる工事(宅地造成等)の規模基準を正確に暗記します。

  • 切土:高さ2mを超える崖を生じるもの
  • 盛土:高さ1mを超える崖を生じるもの
  • 切土と盛土の同時:盛土が1m以下でも、合わせて高さ2mを超える崖を生じるもの
  • 面積:崖の高さに関係なく、工事面積が500㎡を超えるもの

3. 実際の出題のされ方

宅建試験では、例年1問が出題されます。「次のうち、知事の許可が必要な宅地造成工事はどれか」という要否の判断問題が定番です。前述の「2m(切土)、1m(盛土)、2m(切盛)、500㎡」という数値を当てはめて、許可が必要か不要かを判定させます。

また、許可制以外にも「届出制」が問われることがあります。

  • 区域指定の際にすでに工事中だった場合:指定日から21日以内に届出
  • 高さ2m超の擁壁の除却や、排水施設の除却などを行う場合:工事着手前に届出
  • 規制区域内の土地を新たに取得した場合:取得後速やかに届出(所有者等の義務)
    許可と届出の違いを明確にしておきましょう。

4. 間違えやすいところ

「宅地造成等」の定義(法改正の重要ポイント)
旧法では、宅地「以外」の土地(農地や森林など)を宅地にする工事のみが規制対象でした。しかし盛土規制法への改正により、規制区域内であれば、農地を農地のまま盛土する場合や、森林を切り開いてメガソーラーを設置する場合なども含め、土地の用途にかかわらず一定規模以上の工事はすべて許可の対象となりました。「宅地にする目的でなければ許可不要」という古い過去問の知識に引きずられないよう注意してください。

都市計画法(開発許可)との関係
造成工事を行う際、都市計画法の「開発許可」を受けた場合は、盛土規制法の「許可」を受けたものとみなされます(重複して許可を取る必要はありません)。行政の縦割りを排除し、手続きを簡略化する仕組みです。

保全義務と改善命令
規制区域内の土地の所有者等は、擁壁等が崩れないよう常時安全な状態に維持する「保全義務」を負います。もし危険な状態であれば、都道府県知事は所有者等に対して、擁壁の設置等の工事を行うよう「改善命令」を出すことができます。

盛土規制法の理解度チェック

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