平成9年度 宅地建物取引主任者資格試験 問20

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち, 正しいものはどれか。ただし, 地方自治法に基づく指定都市又は中核市の特例については考慮しないものとする。

解答・解説

正解: 4. 規制区域内において宅地以外の土地を宅地に転用した者は, その転用のための宅地造成に関する工事をしなかった場合でも,転用をした日から14日以内に都道府県知事に届け出なければならない。

正解は 選択肢4 です。宅地造成等規制法(出題当時)における、規制区域の指定や許可・届出に関する正しい知識を問う問題です。

※本問は出題当時の宅地造成等規制法に基づくものです。同法は2023年施行の改正(2022年公布)により「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)へ改められ、規制区域の再編や規制対象の拡大(農地・森林の造成等も対象)など制度が大きく変わっています。以下の解説は当時の法令に基づきます。

正解の根拠

宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者は、許可や届出を要する宅地造成工事を行わない場合であっても、転用した日から14日以内に都道府県知事に届け出なければならないとされていました(旧法第15条)。工事を伴わない転用でも知事が区域内の宅地の状況を把握できるようにする趣旨であり、選択肢4はこの規定のとおりで正しい記述です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1: 誤り。規制区域は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地または市街地となろうとする土地の区域について指定するものであり(旧法第3条)、都市計画区域の内外を問わず指定できます。「都市計画区域内に限られる」とする点が誤りです。
  • 選択肢2: 誤り。許可を要する「宅地造成」には、宅地以外の土地を宅地にするための造成だけでなく、宅地において行う土地の形質の変更で政令で定める規模のもの(切土で高さ2mを超える崖を生ずるもの、盛土で高さ1mを超える崖を生ずるもの、切土・盛土の面積が500㎡を超えるもの等)も含まれます。したがって、引き続き宅地として利用する場合でも、500㎡を超える盛土工事は宅地造成に該当し、都道府県知事の許可が必要です。
  • 選択肢3: 誤り。「宅地」とは、農地・採草放牧地・森林および道路・公園・河川等の公共施設用地以外の土地をいいます。公園は宅地に当たらないため、森林(宅地以外)を公園(宅地以外)にする形質の変更は「宅地造成」に該当せず、許可を受ける必要はありません。
  • 選択肢4: 正しい。上記のとおり、規制区域内で宅地以外の土地を宅地に転用した者は、宅地造成工事をしなかった場合でも、転用した日から14日以内に都道府県知事への届出が必要です。

なお、現行の盛土規制法では、宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の二本立てとなり、規制対象行為や規模基準も変更されているため、現行法の学習の際は注意してください。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

2023年5月26日施行の盛土規制法への改正により、出題当時は正しかった選択肢 4が現行法では誤りとなりました。また、誤りであった選択肢 3は、工事の規模次第で特定盛土等としての許可が必要になるため、問題文だけでは正誤が決まりません。したがって、現行法の規定に照らすと、この問題文だけでは正解が一つに定まりません。

Spineチーム