管理業務主任者 建築基準法 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

同じ共同住宅でも、どの地域に建てられるか、どれだけの床面積まで認められるか、階段がどの寸法になるかは、建築基準法とその施行令の数値で線が引かれています。修繕の工事でも、規模によっては着手の前に確認を受ける必要があります。

2. 実際の出題のされ方

法律の目的条文の空欄補充や、建築物・主要構造部・建築などの基本用語の定義について正誤を判断させる問題が出ています。また、階数の数え方や地階の定義、建蔽率・容積率の算定方法、特に容積率の計算で延べ面積に算入しない部分の特例を問う出題があります。

都市計画区域に関する規定では、用途地域ごとの建築制限、日影規制の対象区域や測定方法、都市計画区域内で建築確認が不要となる工事の条件を選ばせる問題が出ています。建物の各部については、共同住宅の共用階段や廊下の寸法、防火設備と内装の制限、補強コンクリートブロック造の塀の基準を問う問題があります。居室の天井の高さや換気、エレベーター、浄化槽、定期調査と検査の報告は、それぞれの基準を問う中で建築基準法が引かれています。

3. 学習のポイント

建築基準法の用語は、日常の言葉より範囲が狭かったり広かったりします。

  • 特殊建築物: 共同住宅は、建築基準法の上では特殊建築物の1つです。
  • 建築と大規模の修繕・模様替: 建築に当たるのは、新築、増築、改築、移転の4つで、修繕と模様替は別の用語です。主要構造部のうち1種以上の過半に手を入れる工事を、大規模の修繕・模様替と呼びます。
  • 主要構造部と構造耐力上主要な部分: 名前は似ていますが、主要構造部は防火の面から見た壁、柱、床、はり、屋根、階段で、最下階の床や構造上重要でない間仕切壁は外れます。構造耐力上主要な部分は荷重や地震を支える面から見たもので、基礎や土台、斜材も入ります。
  • 地階と階数: 地面より下にある階が地階に当たるかは、床から地面までの高さと天井の高さの比で見ます。比が3分の1以上なら地階です。屋上の昇降機塔のように小さな部分は、水平投影面積の合計が建築面積の8分の1以下なら階数に数えません。
  • 建築面積: 地階の部分も、地面からの出が1mを超えると建築面積に入ります。
  • 延べ面積から除く部分: 容積率の分子になる延べ面積からは、除いてよい部分があります。建物の用途を問わないものと用途が限られるものがあり、全部を除けるものと、床面積の合計に対する割合で上限があるものがあります。自動車車庫は、上限が5分の1とされる例です。
  • 確認が要る工事: 防火地域と準防火地域の外で行う増築、改築、移転は、その部分が10平方メートル以内なら確認を受けなくて済みます。大規模の修繕・模様替で確認が要る建物の範囲は、令和4年の改正(2025年4月施行)で広がりました。現在は、用途部分が200平方メートルを超える特殊建築物に加えて、階数が2以上か延べ面積が200平方メートルを超える建物も対象で、都市計画区域の中でも平屋で延べ面積200平方メートル以下の建物には要りません。
  • 階段の寸法: 階段の幅、蹴上げ、踏面の数値は階段の種類ごとに決まっています。共同住宅の共用階段は、上の階の居室の面積の合計が200平方メートルを超えると、より厳しい区分に入ります。
  • 防火設備と内装の制限: 防火設備には戸のほか、水の幕で火を遮るドレンチャーもあります。内装の制限がかかるのは室内に面する壁と天井の仕上げで、床にはかかりません。
  • 補強コンクリートブロック造の塀: 大臣の定める基準による構造計算で安全を確かめない限り、高さの上限は2.2mです。1.2mを超える塀には、一定の長さごとの控壁も要ります。

4. 間違えやすいところ

敷地が容積率の制限の違う2つの地域にまたがるとき、広いほうの地域の限度をそのまま当てるとする誤答肢がありました。この場合の限度は、地域ごとの限度を敷地面積の割合で按分して足し合わせた値になり、どちらか一方の限度には寄せません。

回り階段の踏面を幅の真ん中で測るとする誤答肢がありました。回り階段の踏面は内側ほど狭くなるので、測る位置は狭い側の端から30cmとされています。

田園住居地域に病院を建てられるとする誤答肢がありました。この地域で認められる医療の施設は診療所までで、第一種・第二種低層住居専用地域も同じ扱いです。

日影規制の対象区域の外にある建物には規制が及ばないとする誤答肢がありました。区域の外でも、高さが10mを超え、冬至日に区域の中へ日影を落とす建物は、区域の中にあるものとして扱われます。

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