管理業務主任者 長期修繕計画 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

建物を長く保つ工事には多額の費用がかかるので、何十年先までの工事と費用を見通す計画を立て、毎月の積立額の根拠にします。見込みの工事と実際に行う工事の呼び名の違いや、新築と既存で計画の材料がどう変わるかで、記述を読み違えやすくなります。この計画は工事の予定表というより、負担の根拠を区分所有者の間で共有するための資料です。

2. 実際の出題のされ方

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインと同コメントの内容を、四つの記述から最も不適切なものを一つ選ばせる形や、適切なものや不適切なものの数を答えさせる個数問題の形で問います。記述の組合せを選ばせる問題もあります。ガイドライン本文の空欄補充問題が出たこともあります。

題材は、言葉の定義の読み分けから、計画期間の長さ、単価の決め方、積立金の会計の区分、見直しの時期まで広がっています。

3. 学習のポイント

計画の中の工事を指す言葉は、見込みの段階と実施の段階で別々です。計画期間の中で見込んだ修繕や改修を推定修繕工事と呼び、計画に沿って実際に進めるものを計画修繕工事と呼びます。

  • 対象の範囲: 計画の対象は、管理規約で管理組合が管理すると決めた部分です。専有部分は基本的に外れますが、共用部分の工事に伴って直す必要が生じた部分は、費用を管理組合が持つので対象に入ります。
  • 計画期間の設定: 計画期間は、新築か既存かにかかわらず30年以上とし、その中に大規模修繕工事を2回収めます。
  • 工事の項目と材料: 工事の項目や費用を見積もる材料は、建物の経歴で変わります。新築では設計図書や請負代金の内訳書が中心で、既存ではこれに修繕の履歴や調査・診断の結果が加わります。耐震性や断熱性を上げる工事は改良工事と呼ばれ、区分所有者の要望などに応じて計画に加えることが望まれます。
  • 単価の設定: 部位ごとの単価の決め方は作成者に任され、何を根拠にどう組み立てたかを明らかにします。
  • 収支計画と会計処理: 収入の側には毎月の積立金のほか、分譲時に集める修繕積立基金や途中で集める一時金も入り、いずれも修繕積立金の会計に繰り入れて管理費と分けます。多額の費用がかかる機械式駐車場があれば、別の会計を設け、全体とは別に駐車場だけの計画を作る方法もあります。
  • 見直しと管理組合の役割: 計画は5年程度ごとに調査・診断を行って見直します。大規模修繕工事の周期より短い間隔なので、工事の時期に重ならない見直しも出てきます。計画を決めるのは総会で、その前に説明会を開いて区分所有者に内容を伝えます。

4. 間違えやすいところ

  • 単価における地域差の対象: 単価の設定で労務費の地域差は考えなくてよいとする誤った記述がありました。地域差がほとんどないと整理されているのは材料費や仮設材のリース費のほうで、労務費には一定の地域差があるとされています。
  • 計画の性格: 長期修繕計画によって工事の中身や時期、費用が確定するとする誤った記述がありました。計画に書かれているのは作成時点の見込みで、工事の前に改めて判断する余地を残したものです。

長期修繕計画の理解度チェック

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