平成6年度 宅地建物取引主任者資格試験 問8
権利関係請負・委任等
Aが建設業者Bに請け負わせて木造住宅を建築した場合に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 誤っているものはどれか。
解答・解説
正解: 2. Aは, 住宅の引渡しを受けた場合において, その住宅に瑕疵があり, 契約をした目的を達成することができないときは, 引渡しを受けた後1年内であれば, その契約を解除することができる。
正解の根拠
請負契約において、完成した目的物が建物などの 土地の工作物 である場合、(旧)民法の規定によれば、重大な瑕疵があって契約の目的を達成できない場合であっても、注文者は 契約を解除することができません 。これは、工作物を収去して原状回復を行うことが社会的経済的に大きな損失となるためです。
したがって、選択肢2は誤りとなります。
※本問は法改正前(旧民法)の規定に基づいた出題です。
各選択肢の解説
- 選択肢1:正しい。請負契約における注文者の 報酬支払義務 と、請負人の 目的物引渡義務 は、同時履行の関係 に立ちます。
- 選択肢2:誤り。完成した目的物が 建物その他の土地の工作物 である場合、瑕疵によって契約の目的が達成できないときであっても、注文者は 契約の解除をすることができません(旧民法における規定)。
- 選択肢3:出題当時は正しい。出題当時の民法では、木造建物などの土地の工作物に関する請負人の瑕疵担保責任の存続期間は、原則として 引渡しから5年 でした。また、当事者間の特約によって、この期間を 最長10年 まで伸長することができました。
- 選択肢4:正しい。請負人が瑕疵担保責任を負わないとする 免責特約 を結ぶことは原則として有効です。ただし、請負人が 瑕疵の存在を知りながら注文者に告げなかった 場合には、信義則上、免責特約を主張できず、責任を免れることはできません。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2020年4月1日施行の民法改正による影響です。出題当時、木造建物の瑕疵担保期間は引渡し後5年で特約で10年に伸長可能とされていましたが、現行法ではこの規定は削除されました。現在は不適合を知った時から1年以内の通知等によるため、選択肢3は誤りとなります。これにより、現行法では誤っている選択肢が2と3の複数になると考えられます。