平成7年度宅地建物取引主任者資格試験 問10

権利関係請負・委任等

この問題は1995年度(H7)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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請負契約により注文者Aが請負人Bに建物(木造一戸建て)を建築させた場合に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 正しいものはどれか。ただし, 担保責任に関する特約はないものとする。

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正解: 選択肢4

本問は、請負契約に関する民法の規定および判例の理解を問う問題です。
注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるという規定(民法641条)が正解の根拠となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    請負契約における目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合(契約不適合)、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないと、修補や損害賠償の請求をすることができなくなります(民法637条1項)。「引渡しの時から2年以内」とする本肢の記述は誤りです。

  • 選択肢2:誤り
    請負人が材料の主要部分を提供して建物を建築した場合、建物の所有権は原則として請負人に帰属します。しかし、注文者が請負代金の全額を建物の完成前に支払った場合には、特段の事情がない限り、建物の所有権は完成と同時に注文者に帰属します(最判昭44.9.12)。したがって、請負人Bが自己の名義で所有権の保存登記をすることはできません。

  • 選択肢3:誤り
    請負契約に基づく責任(修補請求や損害賠償請求など)を追及できるのは、契約の当事者である注文者Aです。目的物をAから譲り受けた第三者Cは、請負契約の当事者ではないため、Aが有する権利を譲り受けるなどの特別な事情がない限り、直接請負人Bに対して修補や損害賠償の請求をすることはできません。

  • 選択肢4:正しい
    民法第641条の規定により、請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができます。したがって、注文者Aは損害を賠償することでBとの請負契約を解除し、代わりにDに建物を完成させることが可能です。