管理業務主任者 規約の設定・変更と効力 — 頻出論点と過去問
頻出論点
1. この分野は何か
規約は、区分所有者同士の決め事を書面や電磁的記録にしたもので、後から住戸を買った人にも効力が及びます。法律のどの定めを規約で変えられるのか、変えるときに誰の承諾が要るのかが、混同しやすいところです。駐車場の使用料の増額のように一部の人だけに負担が及ぶ変更では、その人の承諾が要るかどうかが争いになってきました。
2. 実際の出題のされ方
区分所有法の各規定について、規約で別段の定めをすることができるか(任意規定か強行規定か)を問う問題が繰り返し出題されています。4つの事項の中から規約で別段の定めができないものを1つ選ばせる問題のほか、管理規約の定めとして不適切なものがいくつあるかを問う個数問題や、共用部分の変更と規約の変更を集会で決議する場合の要件・手続を比較させる個数問題も出ています。
規約の設定・変更・廃止によって一部の区分所有者の権利に「特別の影響」を及ぼすべきときに当たるかどうかを、最高裁判所の判例に照らして判断させる問題もよく出ます。分譲業者から一部の区分所有者に分譲された敷地駐車場の専用使用権および専用使用料の増額に関する組合せ問題、不在組合員に一定の金銭負担を求める規約変更の適否を問う個数問題、最高裁判所の判決・決定の文言の空欄補充問題などが出題されています。
このほか、公正証書での原始規約の設定について誤っているものを選ばせる問題や、規約の保管義務者・利害関係人による閲覧請求に関する問題が出ています。また、住戸が第三者に譲渡された場合や賃貸されている場合を題材に、特定承継人や占有者に対する規約・集会決議の効力および管理費の支払義務の帰属を民法・区分所有法に照らして問う問題、管理組合の運営で電磁的記録・電磁的方法を採用する場合の要件を問う問題も出されています。
3. 学習のポイント
規約に書けるのは、建物や敷地、附属施設の管理と使い方についての区分所有者同士の決め事です。定めるときは、各部分の形や面積、使い方、支払われた対価などを踏まえて区分所有者の間の衡平を保たなければならず、区分所有者でない人の権利を害することはできません。作るときは書面か電磁的記録によります。
規約を作り、変え、なくす決議は、令和7年の改正(2026年4月施行)で要件が改められました。改正前は区分所有者全員と議決権全部のそれぞれ4分の3以上が要りましたが、現在は、議決権を持つ区分所有者の頭数と議決権のそれぞれ過半数が集まった集会で、出席者の頭数と議決権の各4分の3以上があれば足ります。集まる人数の下限は規約で引き上げられますが、4分の3そのものは規約で下げられません。変更で一部の人の権利に特別の影響が及ぶときは、その人の承諾が要ります。最高裁判所の判例は、特別の影響に当たるかを、変更の必要性・合理性と受ける不利益を比べ、不利益が受忍の限度を超えるかで判断しています。
法律の規定には、規約で別段の定めを認めるものと、認めないものがあります。管理組合法人の理事の任期を規約で3年以内の別の期間にすることや、価格の半分以下が滅失したときの共用部分の復旧の決め方を変えることは、認められる例です。
最初に専有部分の全部を持つ者は、集会の決議によらず、公正証書で規約を作れます。作れるのは、規約共用部分や規約敷地の指定と、敷地利用権の分離処分や割合についての定めに限られます。
規約の保管・閲覧と、規約及び集会の決議の効力については次の点を区別します。
- 規約の保管と閲覧:管理者がいないときの規約の保管者は、規約か集会の決議で定めますが、建物を使っている区分所有者かその代理人に限られます。保管者は、利害関係人から閲覧を求められたら、正当な理由が無い限り断れません。
- 特定承継人と占有者に対する効力:規約と集会の決議は、住戸を買って区分所有者になった人にも及びます。賃借人のような占有者も、使い方についてだけは区分所有者と同じ義務を負います。お金の負担はここに含まれないため、賃貸借契約で賃借人が払うと決めていても、管理組合に対して管理費を負うのは貸主の区分所有者です。
4. 間違えやすいところ
分譲業者が一部の区分所有者に売った駐車場の専用使用権は、持っている人だけの問題だから規約や集会の決議では縛れないとする誤った記述がありました。最高裁判所の判例は、その土地が全員の共有であることを理由に、使い方も全員の決め事に入るとしています。
規約で別段の定めができない事項を選ぶ問題で、解散した法人の残余財産の分け方を選ばせる誤答肢がありました。残余財産の帰属は、規約に別段の定めがあればそれに従う事項です。
同じ問題には、招集の通知で知らせていない事項の決議を選ばせる誤答肢もありました。通知していない事項を決議できないという制限は、特別の定数がある事項を除けば、規約で緩められる事項です。
規約の設定・変更と効力の理解度チェック
規約の設定・変更と効力の過去問一覧
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区分所有法のほかの論点
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