管理業務主任者 団地 — 頻出論点と過去問
頻出論点
1. この分野は何か
1つの敷地に数棟が建ち、土地や集会所などの附属施設を所有者たちが共有しているときは、棟を超えて管理をする団体が法律上生まれます。単棟のマンションとは異なり、団地内に戸建て住宅が混在しているケースや、共有する土地・施設の範囲が棟ごとに異なるケースがあるため、どの範囲で団地建物所有者の団体が構成されるかが問題になります。団地の建替えには、1棟だけを建て替えるときに団地の集会の承認を得る手続と、全棟を1つの決議で建て替える手続の2つがあります。
2. 実際の出題のされ方
土地や附属施設の共有関係から団地関係の成否を考えさせる問いと、団地内の建替えの要件を比べさせる問いの2系統があります。
団地関係の成立については、複数のマンションや戸建て建物、通路、駐車場などの配置と共有関係を示した図をもとに、どの建物の間で団地関係が成立するか、また複数の団地関係が重畳的に成立するかを判断させる問題が出ています。
団地内建物の建替えについては、建替え承認決議と一括建替え決議を比較し、団地内に区分所有建物以外の建物が含まれている場合や、団地管理組合の規約で各棟の管理をどう定めているかといった条件のもとで、どちらの決議ができるかを判定させる問題が出題されています。4肢択一だけでなく、複数の記述から不適切なものの個数を選ばせる個数問題も出ています。また、一括建替え決議の要件と建替えに参加しない区分所有者への措置について、改正前の規定を前提に、最高裁判所の判例の文章の空欄を補充させる組合せ問題も出ています。
3. 学習のポイント
団地関係が生まれるかどうかは、棟どうしで土地か附属施設を共有しているかどうかにかかっています。共有しているものが複数あって顔ぶれが違えば、共有物ごとに別々の団体ができます。たとえば4棟の団地で、児童遊園は全棟の所有者の共有、テニスコートは2棟の所有者だけの共有という場合です。規約によって団地共用部分とすることができるのは、一団地内の附属施設たる建物(区分所有建物の部分を含みます)に限られ、土地を団地共用部分とすることはできません。
建替え承認決議と一括建替え決議の違いは、誰が何を決めるかにあります。建替え承認決議は、建て替える棟の側で決めたことについて、土地を共有するほかの所有者の承認を集会で得る手続です。一括建替え決議は、棟ごとの建替え決議を経ずに、団地の集会で全棟の取壊しと新築を決める手続で、各棟の管理まで団地の規約に取り込んでいることが前提になります。
集会の決議要件は、どちらも令和7年の改正(2026年4月施行)で変わりました。
- 建替え承認決議の要件: 特定建物が専有部分のある建物であればその建替え決議または区分所有者全員の同意、専有部分のない建物であればその所有者の同意があることを前提として、団地の集会での承認決議が必要です。改正前は団地の集会において議決権の4分の3以上の多数による決議とされていましたが、令和7年の改正(2026年4月施行)で、議決権の過半数(規約で上回る割合を定めた場合はその割合以上)を有する団地建物所有者が出席し、出席した団地建物所有者の議決権の4分の3以上の多数による決議となりました(さらに、対象となる特定建物が耐震性不足など法定の事由に該当する場合には、この4分の3が3分の2に緩和されます)。また、この建替えが他の建物の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、その影響を受ける建物が専有部分のある建物であればその区分所有者全員の議決権の4分の3以上を有する区分所有者、それ以外の建物であればその所有者が建替え承認決議に賛成している必要があります。
- 一括建替え決議の要件: 団地の集会において、団地内建物の区分所有者(議決権を有しないものを除きます)および議決権の各5分の4以上の多数による決議が必要です(令和7年の改正(2026年4月施行)で、団地内建物の全部が耐震性不足など法定の事由に該当する場合には、各4分の3以上に緩和されます)。さらに各建物ごとの要件があり、改正前は各建物においてそれぞれ区分所有者および議決権の各3分の2以上の賛成が必要でしたが、令和7年の改正(2026年4月施行)で、いずれか1つ以上の建物について区分所有者の3分の1を超える者または議決権の合計の3分の1を超える議決権を有する者が反対した場合にはその決議はできないという規定に改められました。
4. 間違えやすいところ
建替えの対象となる建物の敷地が誰に共有されているかという点は混同しやすいところです。たとえば、3棟の区分所有建物のうち2棟の敷地はその2棟の区分所有者の共有に属し、残り1棟の敷地はその1棟の区分所有者のみの共有に属している場合に、3棟全体の団地管理組合において特定の建物の建替え承認決議ができるとする誤答肢がありました。建替え承認決議を行うには、建て替える特定建物の所在する土地が、その決議を行う団地建物所有者の共有に属している必要があります。敷地が別個の共有関係にある建物を含めた全体の団地管理組合で建替え承認決議をすることはできません。
棟の建替え決議に加えて、団地の集会で共有者の人数も数える4分の3の決議と、影響を受ける人の個別の承諾まで必要だとする誤った記述がありました。人数まで数えるのは棟ごとの建替え決議の側で、団地の集会の承認は議決権だけで数えます。
団地の理解度チェック
団地の過去問一覧
区分所有法のほかの論点
専有部分・共用部分・敷地23問 管理者・集会・決議23問 規約の設定・変更と効力12問 管理組合法人10問 義務違反者への措置・罰則8問 復旧・建替え3問