管理業務主任者 義務違反者への措置・罰則 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

マンションで迷惑行為や危険な行為が続いたとき、ほかの区分所有者がとれる法的手段は、相手が所有者か賃借人などの占有者かで違ってきます。停止を求める段階から、使用禁止、競売、契約の解除へと重い手段に進むと、集会の決議の要件が上がり、弁明の機会も必要になります。措置とは別に、規約や議事録の扱いを怠った管理者や議長などには、過料という制裁があります。

2. 実際の出題のされ方

共同の利益に反する行為への措置は、区分所有法の規定と最高裁判所の判例の両方に照らして正誤を判断させる形で問われています。専有部分の使用禁止請求や区分所有権の競売請求、占有者に対する契約解除・引渡し請求の要件について、誰に対して弁明の機会を与える必要があるか、あるいは管理者でない区分所有者が単独で裁判上の請求を行使できるかを問う問題(個数問題や組合せ問題を含む)が出ています。また、最高裁判所の判決や決定の文言の空欄を補充させる問題や、政党ビラ配布目的での共用部分への立入りに関する判例を問う問題も出されています。

標準管理規約の定めと合わせて問う問題もあり、規約違反への理事長の対応を題材にした個数問題や、暴力団員の排除を題材に不適切な記述を選ぶ問題があります。

区分所有法の過料の規定だけを題材に、誤っている記述や最も不適切な記述を1つ選ばせる問題もあります。

3. 学習のポイント

共同の利益に反する行為の禁止は、所有者だけでなく、賃借人などの占有者にも及びます。これに違反した場合(行為の停止等の請求では違反するおそれがある場合を含む)、区分所有法は次の4つの段階的な措置を定めています。

措置の種類 対象者 訴訟提起の決議要件 事前の弁明の機会 方法
行為の停止・結果の除去・予防措置の請求 区分所有者・占有者 普通決議(裁判外の請求は決議不要) 不要 裁判外または訴え
専有部分の使用禁止の請求(相当の期間) 区分所有者 特別決議 必要 訴えをもって請求
区分所有権及び敷地利用権の競売の請求 区分所有者 特別決議 必要 訴えをもって請求
契約の解除及び専有部分の引渡しの請求 占有者 特別決議 必要 訴えをもって請求

請求の主体は、区分所有者の全員(違反した区分所有者自身は除きます)か管理組合法人で、実際に訴えを起こす役は、集会の決議により、管理者か集会で指定された区分所有者が担えます。競売の請求は集会の決議に基づいて全員のために行うもので、管理者でない区分所有者が個人の権利として行えるものではありません。

使用禁止、競売、占有者への引渡しの 3 つの訴えを決める集会の要件は、令和7年の改正(2026年4月施行)で出席者を基準にする形に改められました。改正前は全区分所有者と全議決権を分母にそれぞれ4分の3以上でしたが、現在は、議決権を持たない人を除く区分所有者の過半数で議決権の過半数を持つ人が出席した集会で、出席者の人数と議決権のそれぞれ4分の3以上の賛成があれば決められます(この出席の割合は規約で引き上げられます)。これらの決議をする前に、対象となる本人へ弁明の機会を与えなければなりません。

管理者、理事、規約を保管する者、議長、清算人が条文に挙げられた行為をしたときは、20万円以下の過料の対象になります。法律に義務が書かれていても、その列挙に入っていなければ過料はありません。

4. 間違えやすいところ

占有者への引渡し請求を決める集会について、賃借人だけでなく貸主の区分所有者にも弁明の機会が要るとする誤った記述がありました。弁明の機会を与える相手として法律が挙げているのは行為をした占有者で、貸主の区分所有者は挙がっていません。

深夜の演奏など使用細則に反する行為の差止めの訴えにも総会の決議が要るとする誤った記述がありました。規約や使用細則の違反の差止めは理事会の決議を経て理事長が進められ、集会の決議が要るのは区分所有法に基づく訴えのほうです。

政党のビラを配るためなら、表現の自由の行使なので共用の廊下に立ち入っても住居侵入罪にならないとする誤った記述がありました。最高裁判所の判例は、管理組合の意思に反して共用部分に入る行為について、表現の自由を理由に罪の成立を否定しませんでした。

義務違反者への措置・罰則の理解度チェック

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区分所有法のほかの論点

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