管理業務主任者 管理者・集会・決議 — 頻出論点と過去問
頻出論点
1. この分野は何か
管理者を誰が選び、集会を誰がいつ呼び、どれだけの賛成で物事を決めるのかという、区分所有者の団体の動かし方の話です。頭数と議決権の両方を数える点と、規約で動かせる要件の範囲が、難しいところです。決議の数え方は、令和7年の改正(2026年4月施行)で、全員を母数にする形から出席者を母数にする形に改められました。
2. 実際の出題のされ方
招集の手続を題材に、適切なものや不適切なものの数を答えさせる問題があります。記述には、発送期限、通知のあて先、掲示による通知、招集手続の省略が並びました。総住戸数や複数住戸を所有する区分所有者の人数を示した事例から、招集通知や決議に関わる数を計算させる個数問題も出題されています。また、区分所有法の原則と標準管理規約の定めを比較表で対比させる問題や、具体的な招集通知の発送事例について適否を判断させる問題もあります。
決議の要件を問う問題が繰り返し出題されています。題材は共用部分の変更、規約の変更、管理者の解任で、規約で緩められるかどうかまで問われました。集会によらない書面・電磁的方法による決議の要件を問う問題もあります。地震対策などの具体的な改修工事の例を挙げて普通決議で実施できるかを判定させる問題や、電磁的記録・電磁的方法を用いる際に規約や集会決議の定めが必要かどうかを問う問題も出ています。
占有者については、集会に出席して意見を述べられる要件や周知の方法を問う問題があります。ほかに、共有の住戸の議決権行使者の指定、区分所有者の団体の性質、管理者の行為に対する区分所有者の責任割合を問う問題や、管理所有の成立要件、管理者でない区分所有者が単独で行使できる裁判上の請求を問う問題、理事長の解任に関する最高裁判所の判決文の並べ替え問題が出ています。
3. 学習のポイント
管理者は、規約に別段の定めがなければ集会の普通決議で選びも解きもでき、区分所有者でない人でもなれます。不正などがあれば、各区分所有者が一人で裁判所に解任を求められます。最高裁判所の判例は、理事の互選で理事長を選ぶ規約のもとでは、理事長を解く判断も理事たちに任されていると読みました。管理者が職務の範囲で第三者とした取引の責任は、各区分所有者に持分の割合で割り振られ(規約で経費の負担割合を定めていればその割合)、連帯ではありません。その債権は住戸を買った人にも請求できます。
集会は毎年1回は開かなければならず、招集するのは管理者です。令和7年の改正(2026年4月施行)で、招集を請求できる定数、招集の通知の相手、招集手続の省略に要る同意、集会によらない決議の承諾、決議の母数となる区分所有者から、議決権を有しない者が除かれました。
招集の通知は会日の1週間前までに出します。発する日と会日の間に丸7日を空ける数え方です。令和7年の改正(2026年4月施行)で、通知には会議の目的たる事項だけでなく議案の要領も常に示すことになりました。改正前は、共用部分の重大な変更や規約の変更など決まった決議事項に限って議案の要領が要りました。通知の期間も、改正前は規約で延ばすことも縮めることもできましたが、現在は延ばすことだけが認められています。
通知先は、管理者に届け出た場所があればそこ、無ければその人の住戸です。その宛先に出せば、通常届くはずの時に届いたものと扱われます。集会で決議できるのは、招集のときに知らせた事項だけで、特別の定数がある事項を除けば、この制限は規約で緩められます。議長は、規約や集会の決議で別に定めなければ、管理者か招集した区分所有者の一人が務めます。
共有の住戸では、各共有者の持分の価格の過半数で、議決権を行使する者を一人決めなければなりません。令和7年の改正(2026年4月施行)で、この決め方が明記されました。書面や代理人による議決権の行使は、出席した区分所有者の数と議決権の数に入ります。この算入も同じ改正で明記されました。電磁的な手段には、法律がそのまま認めるものと、定めが要るものがあります。集会に出ない人が電磁的方法で議決権を行使するには、規約か集会の決議の定めが要ります。
集会の決議には、普通決議と特別決議があります。
- 普通決議:集会の議事の原則です。改正前は全区分所有者と全議決権の各過半数が要りましたが、令和7年の改正(2026年4月施行)で、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決まるようになりました。形状や効用を著しく変えない共用部分の変更も、規約に定めが無ければこの決議で足り、規約で要件を重くすることもできます。
- 特別決議:共用部分の変更(形状や効用を著しく変えないものを除く)は、令和7年の改正(2026年4月施行)で定足数が設けられました。現在は、区分所有者の過半数で議決権の過半数を持つ人が出席し、その出席者の頭数と議決権の各4分の3以上で決めます。改正前は、全区分所有者と全議決権の各4分の3以上でした。規約で変えられる範囲も広がり、出席の要件は重くでき、4分の3は2分の1を超える割合まで下げられます。改正前に規約で下げられたのは頭数だけで、下限は過半数でした。規約の設定・変更・廃止も同じ形の決議ですが、4分の3は規約で下げられません。
賃借人のように承諾を得て住戸を占有している人は、会議の目的たる事項に利害関係があれば、集会に出て意見を述べられます。そのときの周知は、招集の通知を出した後に建物内へ掲示する方法で行い、掲示する事項には令和7年の改正(2026年4月施行)で議案の要領が加わりました。
4. 間違えやすいところ
招集権の濫用を防ぐ目的があれば、招集を請求できる定数を規約で引き上げられるとする誤答肢がありました。規約で動かせるのは定数を減らす方向だけで、引き上げは少数の区分所有者の請求権を狭める変更になります。
日程や熟慮の時間を守るためだとして、全員が同意していても招集の手続は省けないとする誤答肢がありました。手続を省くかどうかを決めるのは全員の同意で、熟慮の時間の確保は省略を妨げる理由になりません。
全員が建物内に住んでいれば、規約の定めが無くても掲示で招集の通知ができるとする誤った記述がありました。掲示で足りるのは規約に特別の定めがある場合で、住所が建物内かどうかだけでは足りません。
規約に定めがあれば共有者がそれぞれの持分で議決権を行使できるとする誤答肢がありました。共有の住戸の議決権は一人にまとめて行使するものとされていて、持分ごとに分ける定めを規約で置く余地がありません。
賃借人はペット飼育禁止の規約変更について、貸主の同意がなければ集会で意見を述べられないとする誤答肢がありました。貸主の承諾が関わるのは住戸を占有することで、集会に出て意見を述べることに別の同意は求められていません。
共用部分の変更は全員の承諾で書面決議ができても、規約の変更はできないとする誤った記述がありました。集会によらない決議の定めは決議事項で区別していないので、規約の変更だけを外す根拠がありません。
管理者を選任していれば、団体がそのまま契約の当事者になれるとする誤答肢がありました。管理者の選任で置かれるのは区分所有者を代理する人で、団体自体が権利の主体になるには社団としての実体や法人格が別に要ります。
管理者・集会・決議の理解度チェック
管理者・集会・決議の過去問一覧
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- 2016年度(H28) 問38 旧法 次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。…
区分所有法のほかの論点
専有部分・共用部分・敷地23問 規約の設定・変更と効力12問 管理組合法人10問 義務違反者への措置・罰則8問 復旧・建替え3問 団地4問