「会計・財務」の過去問(ストラテジ・30問+午後3大問)
1. この分野は何か
会計・財務分野は、企業の経済活動を数値で記録・報告する会計の仕組みと、事業の現状分析や将来の投資判断を行うための財務管理に関する領域です。
財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の読み方といった簿記の基礎知識に加え、売上から利益を導き出す計算、費用を固定費と変動費に分けて分析する損益分岐点分析(CVP分析)、そしてIT投資の妥当性を評価するためのROI(投資利益率)やNPV(正味現在価値)などの指標について学びます。
2. 実際の出題のされ方
午前問題では、表で与えられた財務データから利益や損益分岐点を求める計算問題が頻繁に出題されます。
- 財務諸表の分析: A社とB社の貸借対照表や損益計算書の比較表が提示され、自己資本比率や流動比率、ROA(総資本利益率)といった経営指標を計算して「どちらの企業の方が安全性が高いか」を判定させる問題が定番です。
- 損益分岐点分析: 今年度の販売実績と費用(変動費、固定費)を表した表や損益計算資料から、「利益がゼロになる売上高(損益分岐点売上高)」や、「目標利益を達成するために必要な売上高」を計算させる問題が繰り返し出題されています。
- IT投資評価: 期待できるキャッシュイン(将来得られる現金)の複数のシナリオが提示され、現在価値(時間的価値)を考慮したNPV法などを用いて、最も有利な投資案を選択させる問題が見られます。
3. 学習のポイント
会計・財務は一見とっつきにくいですが、使う公式は限られているため、パターンを覚えれば確実な得点源になります。
- 利益の構造を理解する: 売上高から「売上原価」を引いたものが「売上総利益(粗利)」、そこから「販売費及び一般管理費」を引いたものが「営業利益」です。この損益計算書の基本構造(上から順に引いていく)を必ず暗記してください。
- 損益分岐点の方程式: 「売上高 = 変動費 + 固定費 + 利益」という大原則の式を覚えておきましょう。利益がゼロのとき(売上高 = 変動費 + 固定費)が損益分岐点です。変動費率(売上高に対する変動費の割合)を用いて、「」という公式もスムーズに使えるように練習してください。
- 現在価値の考え方(ディスカウント・キャッシュフロー): 「今日の100万円は、1年後の100万円より価値が高い(利息がつくため)」というお金の時間的価値の概念を理解し、将来のキャッシュフローを割引率で割って現在の価値に割り引く(NPV:正味現在価値法)計算手順を押さえておきましょう。
4. 間違えやすいところ
損益分岐点売上高を求める計算において、「固定費」と「変動費」の分類を誤ってしまうケースがよく見られます。一般に、売上高や操業度に応じて変わる費用が変動費、一定の範囲では操業度にかかわらず発生する費用が固定費です。材料費、外注費、人件費などの扱いは契約や費用の発生条件で変わるため、設問の条件を基に分類してください。
また、財務分析の指標において「総資本利益率(ROA)」と「自己資本利益率(ROE)」の分母の違いを混同するミスも多いです。ROAは「総資本(負債+純資産)」に対する利益の割合であり事業全体の効率性を、ROEは「自己資本(純資産)」に対する利益の割合であり株主から見た投資効率を測る指標である点を明確に区別しておきましょう。
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