平成29年度 宅地建物取引士資格試験 問2

権利関係物権変動

この問題は2017年度(H29)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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所有権の移転又は取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

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正解: 選択肢4

本問は、民法における所有権の移転および取得時期に関する基本的な理解を問う問題です。

正解は選択肢4です。強迫による意思表示の取消しが行われると、その法律行為は初めから無効であったものとみなされます(遡及効)。したがって、売買契約が取り消された場合、所有権は買主に移転しなかったことになり、売主に復帰します。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    時効の効力は、その起算日にさかのぼると規定されています(民法144条)。したがって、取得時効が完成した場合、所有権を取得する効力は占有を開始した時(起算日)に遡って発生し、時効完成時に取得するわけではありません。

  • 選択肢2:誤り
    他人の権利を売買の目的とする契約(他人物売買)自体は有効に成立しますが(民法561条)、契約締結と同時に当然に買主が所有権を取得するわけではありません。売主は権利を取得して買主に移転する義務を負います。また、建物(不動産)については即時取得(民法192条)は適用されません。

  • 選択肢3:誤り
    売買契約において「代金の完済までは所有権は移転しない」旨の特約(所有権留保特約)を付すことは、契約自由の原則により有効です。この特約がある場合、所有権は代金完済時に移転するため、契約締結時点では買主に移転しません。

  • 選択肢4:正しい
    強迫による意思表示は取り消すことができます(民法96条1項)。取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます(民法121条)。したがって、売買契約が取り消されると、目的物の所有権は初めから移転しなかったことになり、売主に復帰します。