平成12年度 宅地建物取引主任者資格試験 問7
権利関係売買
買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し, AはBに手付を交付したが, その手付は解約手付である旨約定した。この場合, 民法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 4. Bが本件約定に基づき売買契約を解除する場合は, Bは, Aに対して, 単に口頭で手付の額の倍額を償還することを告げて受領を催告するだけでは足りず, これを現実に提供しなければならない。
本問は、解約手付に関する民法の規定および判例の理解を問う問題です。正解は選択肢4です。
正解の根拠
売主(受領者)から解約手付による解除を行う場合、手付の倍額を償還する必要があります。この際、単に口頭で提供を告げて受領を催告するだけでは足りず、現実に提供しなければならないとされています(最判昭35.5.31)。したがって、選択肢4は正しい記述です。
各選択肢の解説
- 選択肢1(誤り)
手付の額が売買代金に比べて僅少であったとしても、それだけで解約手付としての効力が否定されるわけではありません。当事者間で解約手付とする旨の合意がある以上、有効に成立します。
- 選択肢2(誤り)
解約手付による契約の解除は、「相手方が履行に着手した」後には行うことができません(民法557条1項)。しかし、相手方(本肢では売主B)が履行に着手していないのであれば、自ら(買主A)が履行に着手していたとしても、Aは手付を放棄して契約を解除することができます。
- 選択肢3(誤り)
手付による解除があった場合、当事者は、それに伴う損害賠償の請求をすることはできません(民法557条2項)。実損害が手付の額を超えていたとしても、追加での請求は認められません。
- 選択肢4(正しい)