「調達・契約」の過去問(マネジメント・16問+午後7大問)

1. この分野は何か

調達・契約分野は、プロジェクトに必要な製品、サービス、結果(システム開発の外部委託や機材の購入など)を、組織の外部から取得するための管理プロセスと法務的な知識に関する領域です。
外部のベンダー(供給者)を選定するための提案依頼書(RFP)の作成から、発注者と受注者の間で結ばれる各種の契約方式(請負契約、準委任契約、派遣契約など)、さらには近年注目されているアジャイル開発やAI開発における新しい契約のガイドラインなど、プロジェクトを円滑に進めるための調達マネジメントについて学びます。

2. 実際の出題のされ方

午前問題では、契約形態の違いを問う問題や、最新の開発手法に合わせたガイドラインに関する出題が頻出します。

  • 契約方式の分類: 「発注者と受注者であるベンダーとの契約方法のうち、実費償還契約はどれか」といったように、定額契約(完全な固定金額)と実費償還契約(掛かったコストに利益を上乗せして支払う)の違いや特徴を問う問題が出題されます。
  • 請負・準委任・派遣の違い: 成果物の完成責任の有無や、指揮命令権が誰にあるのかを基準にして、「労働者派遣契約」と「請負契約」の違いを明確にさせる実務的な問題は定番です。
  • 新しい開発形態のガイドライン: 経済産業省が公表した「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」における、「探索的段階を含む多段階の契約(PoCから段階的に進める方式)」に関する特徴を問う問題など、新しい開発形態を反映した出題も見られます。
  • 調達プロセス: 見積依頼書(RFQ)や提案依頼書(RFP)の役割や、要員投入計画に基づく調達スケジュールの妥当性を問う事例問題も出題されます。

3. 学習のポイント

法律やビジネスのルールに関する知識が中心となるため、発注者側と受注者側それぞれの立場に立って要点を整理することが重要です。

  • 3大契約形態の比較表作成:
    • 請負契約:仕事の「完成」に対して対価を支払う。完成した仕事が契約内容に適合しない場合の責任があり、注文者が受注者の労働者へ直接指揮命令する契約ではない。
    • 準委任契約:業務の「実施(善良なる管理者の注意義務)」に対して対価を支払う。完成責任はなく、指揮命令権は受注者。
    • 派遣契約:労働力の提供。指揮命令権は発注者
      これら3つの違い(完成責任の有無、指揮命令権の所在)は、午後問題でも頻出のテーマなので完璧に区別できるようにしてください。
  • AI・アジャイル開発の契約: AI開発はやってみないと精度が分からない(探索的性質)ため、最初から完成責任を負う一括請負契約には馴染みません。そのため、アセスメント(PoC)段階と開発段階を分ける多段階契約や、準委任契約が推奨されているという背景を理解しておきましょう。

4. 間違えやすいところ

「準委任契約」と「労働者派遣契約」において、指揮命令関係を勘違いするケースが非常に多いです。準委任や請負として業務を委託しているのに、注文者が受注者の労働者へ直接かつ具体的に指揮命令する実態があれば、契約名にかかわらず偽装請負と判断されるおそれがあります。一方、派遣では派遣先が派遣労働者を指揮命令します。なお、「SES」は法律上の契約類型ではないため、その呼称だけで準委任か派遣かを判断しないようにしましょう。
また、提案依頼書(RFP)と情報提供依頼書(RFI)の違いについて、RFIは「提案の前提となる技術情報などを集める段階」、RFPは「具体的なシステム提案と見積もりを求める段階」という順序を混同しないようにしてください。

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