令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2 協力会社とのイコールパートナーシップ構築

マネジメント調達・契約リスクマネジメント

この問題は2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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学習ガイド

変化にさらされる環境で適応力と回復力を高めようとするなか、協力会社A社との関わり方を見直すT課長を描いた午後Iの問題です。計画重視の予測型開発が抱えるマネジメント課題、従来の協力会社政策では既に対応困難になっている状況、そして契約文言に「共同探求」を入れて伝えようとしたメッセージが問われます。この記事では、上下関係から対等な共創関係へと踏み出すイコールパートナーシップの発想を軸に、各設問がT課長のどの意図を試しているかを読み解きます。

この記事で押さえる論点

  • 予測型(計画重視)の進め方が変化に弱い理由をマネジメント課題として述べる
  • 従来型の協力会社政策が招く「対応困難な状況」を具体的に特定する
  • 「共同探求」という語の追加に込めた関係転換のメッセージを読み解く
  • 20〜35字の指定字数に合わせて主張の核だけを残す要約技術を磨く

問題本文

システム開発プロジェクトにおけるイコールパートナーシップに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

S社は,ソフトウェア会社である。予算と期限の制約を堅実に守りながら高品質なソフトウェアの開発で顧客の期待に応え,高い顧客満足を獲得している。開発アプローチは予測型が基本であり,プロジェクトを高い精度で正確に計画し,変更があれば計画を見直し,それを確実に実行するという計画重視の進め方を採用してきた。

S社のT課長は,この8年間プロジェクトマネジメントに従事しており,現在は12名の部下を率いて,自ら複数のプロジェクトをマネジメントしている。数年前から,プロジェクトを取り巻く環境の変化の速度と質が変わりつつあることを肌で感じており,S社のこれまでのやり方では,これからの環境の変化に対応できなくなると考えた。そこで,適応型開発アプローチや回復力(レジリエンス)に関する勉強会に参加するなどして,変化への対応に関する学びを深めてきた。

〔予測型開発アプローチに関するT課長の課題認識〕

T課長は,これまでの学びを受けて,現状の課題を次のように認識していた。

  • 顧客の事業環境は,ここ数年の世界的な感染症の流行などの影響で大きく変化している。受託開発においては,要件や契約条件の変更が日常茶飯事であり,顧客が求める価値(以下,顧客価値という)が,事業環境の変化にさらされて受託当初から変わっていく。この傾向は今後更に強まるだろう。したがって,これまでの計画重視の進め方では,S社のプロジェクトの一つ一つの活動が顧客価値に直結するか否かという観点で,プロジェクトマネジメントに関する課題を抱えることになる
  • 顧客価値の変化に対応するためには,顧客もS社も行動が必要であるが,顧客は,購買部門の意向で今後も予測型開発アプローチを前提とした請負契約を継続する考えである。そこで,しばらくは予測型開発アプローチに軸足を置きつつ,適応型開発アプローチへのシフトを準備していく。具体的には,計画の精度向上を過度には求めず,顧客価値の変化に対応する適応力と回復力の強化に注力していく。このような状況の下では,まずS社が行動を起こす必要がある。
  • これまでS社は,協力会社に対して,予測型開発アプローチを前提とした請負契約で発注してきたが,顧客価値の変化に対応するためには,今後も同じやり方を続けるのが妥当かどうか見直すことが必要になる。

〔協力会社政策に関するT課長の課題認識〕

S社は,これまで,“完成責任を全うできる協力会社の育成”を掲げて,協力会社政策を進めていた。その結果,協力会社のうち3社を予測型開発アプローチでの計画や遂行の力量がある優良協力会社に育成できたと評価している。

しかし,T課長は,現行の協力会社政策には次の二つの課題があると感じていた。

  • 顧客との契約変更を受けて行う一連の協力会社との契約変更,計画変更の労力が増加している。これらの労力が増えていくことは,プロジェクトの一つ一つの活動が顧客価値に直結するか否かという観点で,プロジェクトマネジメントに関する課題を抱えることになる。
  • 顧客から請負契約で受託した開発プロジェクトの一部の作業を,請負契約で外部に再委託することは,プロジェクトの制約に関するリスク対応戦略の“転嫁”に当たるが,実質的にはリスクの一部しか転嫁できない。というのも,委託先が納期までに完成責任を果たせなかった場合,契約上は損害賠償請求や追完請求などを行うことが可能だが,これらの権利を行使したとしても,プロジェクトのある制約に関するリスクについては,既に対応困難な状況に陥っていることが多いからである。

さらにT課長には,請負契約で受託した開発プロジェクトで,リスクの顕在化の予兆を検知した場合に,顧客への伝達を躊躇(ちゅうちょ)したことがあった。これは,リスクが顕在化し,それを顧客に伝達した際に,顧客から契約上の規定によって何度も細かな報告を求められた経験があったからである。このような状況になると,PMやリーダーの負荷が増え,本来注力すべき領域に集中できなくなる。また,チームが強い監視下に入り,メンバーの士気が落ちていくことを経験した。そしてT課長は,自分自身がこれまで,協力会社に対して顧客と同様の行動をとっていたことに気づき,反省した。

T課長は,顧客とS社,S社と協力会社との間で,リスクが顕在化することによって協調関係が乱れてしまうのは,これまでのパートナーシップにおいて,発注者の優越的立場が受託者に及ぼす影響に関する認識が発注者に不足しているからではないか,と考えた。このことを踏まえ,発注者の優越的立場が悪影響を及ぼさないようにしっかり意識して行動することによって,顧客とS社,S社と協力会社とのパートナーシップは,顧客価値の創出という目標に向かってより良い対等な共創関係となることが期待できる。そこで,顧客とS社との間に先立ち,S社と協力会社との間でイコールパートナーシップ(以下,EPSという)の実現を目指すことを上司の役員と購買部門に提案し,了解を得た。

〔パートナーシップに関する協力会社の意見〕

T課長は,EPSを共同で探求する協力会社として,来月から始まる請負契約で受託した開発プロジェクトで委託先として予定している優良協力会社のA社が最適だと考えた。A社のB役員,PMのC氏とは,仕事上の関係も長く,気心も通じていた。

T課長はA社に,次回のプロジェクトへの参加に先立ってEPSの“共同探求”というテーマで対話をしたい,と申し入れた。そして,その背景として,これまで自分が受託者の立場で感じてきたことを踏まえ,A社に対する行動を改善しようと考えていることと,これはあくまで自分の経験に基づいた考えにすぎないので多様な視点を加えて修正したり更に深めたりしていきたいと思っていることを伝えた。A社の快諾を得て,対話を行ったところ,B役員及びC氏からは次のような意見が上がった。

  • 進捗や品質のリスクの顕在化の予兆が検知された場合に,S社に伝えるのを躊躇したことがあった。これは,T課長と同じ経験があり,自力で何とかするべきだ,という思いがあったからである。
  • 急激な変化が起こる状況での見積りは難しく,見積りと実績の差異が原因で発生するプロジェクトの問題が多い。このような状況では,適応力と回復力の強化が重要だと感じる。
  • S社と請負契約で契約することで計画力や遂行力がつき,生産性を向上させるモチベーションが上がった。S社以外との間で行っている業務の履行割合に応じて支払を受ける準委任契約においても善管注意義務はあるし,顧客満足の追求はもちろん行うのだが,請負契約に比べると,モチベーションが下がりがちである。

〔T課長がA社と探求するEPS〕

両社はS社の購買部門を交えて対話を重ね,顧客価値を創出するための対等なパートナーであるという認識を共有することにした。そこでS社は発注者の立場であることをしっかりと意識して行動することを基本とし,A社は,顧客価値の創出のためのアイディアを提案していくことなどを通じて,両社の互恵関係を強化していくことにした。また,今後の具体的な活動として,次のような進め方で取り組むことを合意した。

  • リスクのマネジメントは,両社が自律的に判断することを前提に,共同で行う。
  • 見積りは不確実性の内在した予測であり,計画と実績に差異が生じることは不可避であることを認識し,計画の過度な精度向上に掛ける労力を削減する。フレームワークとして,PDCAサイクルだけでなく,行動(Do)から始めるDCAPサイクルや観察(Observe)から始めて実行(Act)までを高速に回す a ループも用いる。
  • 計画との差異の発生,変更の発生,予測困難な状況の変化などに対応するための適応力と b を強化することに取り組む。b を強化するためには,チームのマインドを楽観的で未来志向にすることが重要であるという心理学の知見を共有し,リカバリする際に,現実的な対処を前向きに積み重ねていく。特に,状況が悪いときこそ,チームの士気に注意してマネジメントする。
  • 顧客価値の変化に対応するために,契約については,請負契約ではなく,2020年(令和2年)4月施行の改正民法において準委任契約に新設された類型である c 型をベースとして,これまでの請負契約での工程ごとの検収サイクルと同一のタイミングで,成果物の納入に対して支払を行う。
  • さらに今後は,顧客価値の対象のうち必ずしも明確な成果物がないものが含まれることを鑑みて,コスト・プラス・インセンティブ・フィー(CPIF)契約の採用について検討を進める。この場合,S社は委託作業に掛かった正当な全コストを期間に応じて都度支払い,さらにあらかじめ設定した達成基準をA社が最終的に達成した場合には,S社はA社に対し d を追加で支払う。

T課長は,この試みによって,EPSの現実的な効果や課題などの経験知が得られるとともに,両社の適応力と b が強化されることを期待した。そして,この成果を基に,顧客を含めたEPSを実現し,より良い共創関係の構築を目指していくことにした。

設問と解答・解説

設問1

〔予測型開発アプローチに関するT課長の課題認識〕の本文中の下線①について,どのようなプロジェクトマネジメントに関する課題を抱えることになるのか。35字以内で答えよ。

模範解答

顧客価値に直結しない計画変更に掛ける活動が増加していくという課題

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: 顧客価値に直結しない活動(計画変更など)が増加していくことを完全に説明している。
  • 3: 顧客価値に関する言及があるが、計画変更活動の増加の表現が不十分である。
  • 2: 計画変更の活動の増加については書かれているが、顧客価値との関連が抜けている。
  • 1: 関連するキーワードはあるが、課題の全体像として意味をなしていない。
  • 0: 無解答または全く的外れな内容。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で、文脈が自然かつ論理的に記述されている。
  • 1: 論理構造にやや難があるが、意図は伝わる。
  • 0: 文章が破綻しており、意味が伝わらない。

解説

設問の趣旨

本問は、顧客の求める価値の変化に対応するプロジェクトにおいて、計画重視の進め方から適応力・回復力重視への転換を図る際、プロジェクトマネージャとしてどのような課題に直面するかを問う問題です。

正解の導き方

下線①付近の文脈から、T課長の課題認識を読み解く必要があります。
予測型開発アプローチにおいて、顧客要求の変化が頻繁に発生すると、顧客価値に直結しない計画変更に追われることになります。このような活動が増加していくことが、プロジェクトマネジメント上の課題となります。

高得点のポイント

  • 顧客価値に直結しない活動であることを明記しているか。
  • 計画変更に掛ける活動増加していくという状況を捉えているか。
  • 全体が指定文字数以内で、論理的に課題としてまとめられているか。

設問2

〔協力会社政策に関するT課長の課題認識〕の本文中の下線②について,既に対応困難な状況とはどのような状況か。35字以内で答えよ。

模範解答

どんなに資源を投入しても,納期に間に合わせることができない状況

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: 「資源を投入しても」「納期に間に合わせることができない」という二つの要素が明確に記述されている。
  • 3: 納期に間に合わないことは記述されているが、資源投入の前提が不明確である。
  • 2: 資源投入への言及はあるが、困難な結果(納期遅延等)の表現が不十分である。
  • 1: 顧客からの細かな報告要求など、本質的でない結果的な事象にのみ触れている。
  • 0: 無解答または全く的外れな内容。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で、簡潔かつ論理的にまとまっている。
  • 1: やや冗長または不自然な表現があるが、意図は伝わる。
  • 0: 意味が通じない。

解説

設問の趣旨

協力会社とのパートナーシップを見直すにあたり、従来の「納品物の完成を請け負う」形式では対応できなくなる状況を理解しているかを問う問題です。

正解の導き方

下線②の直前や文脈から「既に対応困難な状況」を読み取ります。
顧客の求める価値が頻繁に変わる状況下では、従来の計画主導の進行では対応が追いつかず、どんなに資源(人員・資金など)を投入しても、納期に間に合わせることができない状況に陥ってしまいます。
なお、顧客への報告やチームの監視強化などは、状況が悪化した結果生じる事象や対応の一部であり、根本的な困難な状況そのものを示す記述としては不適切です。

高得点のポイント

  • 資源を投入してもという前提条件が含まれているか。
  • 納期に間に合わせることができないという決定的な困難な状況を記述しているか。
  • 誤答傾向にある「報告の増加」や「士気低下」といった結果事象ではなく、根本的な納期遅延リスクに焦点を当てているか。

設問2の正答率は平均的であったが,“顧客から何度も細かな報告を求められる”,“チームが強い監視下に入り,メンバーの士気が低下する”など,顧客へ伝達した際の事象を記述した解答が見られた。

設問3

〔パートナーシップに関する協力会社の意見〕の本文中の下線③について,T課長は,“共同探求”の語を入れることによってA社にどのようなメッセージを伝えようとしたのか。20字以内で答えよ。

模範解答

A社の視点を加えてほしいこと

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: A社の視点や知見を加えてほしいことが明確に記述されている。
  • 3: A社に参加してほしいという意図は伝わるが「視点を加える」ニュアンスが弱い。
  • 2: 共同作業を行うことのみに言及している。
  • 1: パートナーシップの重要性など抽象的な内容にとどまる。
  • 0: 全く的外れな内容。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で、メッセージとして端的にまとまっている。
  • 1: 表現にやや難があるが、意図は伝わる。
  • 0: 意味不明または文章として成立していない。

解説

設問の趣旨

イコールパートナーシップ(EPS)の構築に向けて、発注側から受注側へどのような期待・メッセージを伝える意図があったのかを問う問題です。

正解の導き方

下線③「共同探求」という言葉を選ぶことで、発注側(T課長)単独の考えではなく、受注側(A社)の視点や知見を求めていることを示しています。単なる作業の委託先としてではなく、共に解決策を探求するパートナーとしてA社の視点を加えてほしいことが正解となります。

高得点のポイント

  • A社の視点や知見を求めていることが明確に記述されているか。
  • 共に探求していく姿勢を伝えるためのメッセージとして、20字以内で端的にまとめられているか。

設問4

(1)

本文中の下線④のあることとは何か。30字以内で答えよ。

模範解答

優越的な立場が悪影響を及ぼさないようにすること

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 発注側の「優越的な立場」が「悪影響を及ぼさない」ようにすることが明確に記述されている。
  • 1: 優越的立場には言及しているが、悪影響の防止についての記述が不十分である。
  • 0: 内容が的外れである。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で分かりやすく記述されている。
  • 1: 文脈がやや不自然だが、意味は通じる。
  • 0: 文章として意味をなさない。

解説

設問の趣旨

委託元と委託先のより良い共創関係(イコールパートナーシップ)において、阻害要因となり得るものをどのように防ぐかについて問う問題です。

正解の導き方

下線④の文脈において、発注者である委託元の「優越的な立場」が、自由な意見交換や共同探求を妨げるリスクがあります。したがって、この優越的な立場が悪影響を及ぼさないようにすることが、イコールパートナーシップの探求において必要不可欠な要素となります。

高得点のポイント

  • 委託元の優越的な立場(発注者としての強い立場)に言及しているか。
  • それが悪影響を及ぼさないようにする(または防ぐ)という目的が記述されているか。
  • 指定文字数以内で論理的に構成されているか。

(2)

両社はリスクのマネジメントを共同で行うことによって,どのようなリスクマネジメント上の効果を得ようと考えたのか。25字以内で具体的に答えよ。

模範解答

最速で予兆を検知して,協調して対処する。

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 「最速で予兆を検知」「協調して対処する」の双方が記述されている。
  • 1: 「予兆の検知」または「協調対処」のいずれか一方のみが記述されている。
  • 0: 「適応力と回復力の強化」など、焦点のずれた解答や的外れな内容。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で、具体的な効果として簡潔にまとまっている。
  • 1: やや意味が取りづらい文章であるが、意図は伝わる。
  • 0: 全く意味が通じない。

解説

設問の趣旨

リスクマネジメントを共同で行うことで得られる、具体的な行動レベルでの効果を問う問題です。

正解の導き方

文脈から、両社が共同でリスクに向き合うことで、リスクが顕在化する前の予兆を最速で検知し、互いの強みを生かして協調して対処することが期待されます。
解答にあたり「適応力と回復力の強化」という全体的な目的を書いてしまうと、共同で行うリスクマネジメントの具体的な効果から焦点が外れてしまうため注意が必要です。

高得点のポイント

  • リスクの予兆を最速で検知することに言及しているか。
  • 両社で協調して対処するという行動効果が含まれているか。
  • 的外れなマクロの目標ではなく、具体的なマネジメント上の効果に焦点を当てているか。

(3)

本文中の a に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

ooda

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定のキーワード(ooda)が正確に記述されている。
  • 2: 軽微な表記揺れ等があるが、指定のキーワードを意図していることが明確である。
  • 0: 全く異なる用語や無解答。

解説

設問の趣旨

変化の激しい環境下における意思決定フレームワークに関する知識を問う問題です。

正解の導き方

本文中の空欄 (a) の前後では、状況を観察し、情勢を判断して意思決定・行動に移すサイクルについて説明されています。これに該当するフレームワークは OODA(ループ)です。

高得点のポイント

  • 指定箇所に当てはまる ooda という用語を正確に記述できているか(大文字・小文字は通常許容される)。

(4)

本文中の b に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

回復力

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定のキーワード(回復力)が正確に記述されている。
  • 2: 軽微な表記揺れ等があるが、指定のキーワードを意図していることが明確である。
  • 0: 全く異なる用語や無解答。

解説

設問の趣旨

プロジェクトマネジメントにおいて、変化に対する耐性や復元力を示す概念の理解を問う問題です。

正解の導き方

本問のテーマである「適応力」と対になって語られることの多い、問題発生時の復旧・立て直し能力を指す言葉が入ります。文脈から 回復力(レジリエンス)が適切です。

高得点のポイント

  • 文脈に沿って 回復力 を正確に抜き出し(または記述)できているか。

(5)

本文中の c に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

成果報酬

成果完成

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定のキーワード(成果報酬 または 成果完成)が正確に記述されている。
  • 2: 軽微な表記揺れ等があるが、指定のキーワードを意図していることが明確である。
  • 0: 全く異なる用語や無解答。

解説

設問の趣旨

民法改正等に伴う契約類型の変化に関する知識を問う問題です。

正解の導き方

改正民法における準委任契約には、従来の履行割合型に加えて、新たに成果に対して報酬を支払う類型が新設されました。これに該当するのは 成果報酬(または 成果完成 型)です。

高得点のポイント

  • 新設された準委任契約の類型として 成果報酬 または 成果完成 を正確に記述できているか。

(6)

本文中の d に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

インセンティブ・フィー

採点基準(配点 5点)

正確性(内容)(5点)

  • 5: 指定のキーワード(インセンティブ・フィー)が正確に記述されている。
  • 2: 軽微な表記揺れ等があるが、指定のキーワードを意図していることが明確である。
  • 0: 全く異なる用語や無解答。

解説

設問の趣旨

プロジェクトにおけるリスクやコストを分担する契約方式に関する知識を問う問題です。

正解の導き方

CPIF(Cost Plus Incentive Fee:コスト・プラス・インセンティブ・フィー)契約の採用に関連し、目標コストを下回った(あるいはパフォーマンスが良かった)場合に支払われる追加の報酬を指す用語が入ります。正解は インセンティブ・フィー です。

高得点のポイント

  • CPIF契約における インセンティブ・フィー を正確に記述できているか。

(7)

両社は改正民法で準委任契約に新設された類型を適用したり,今後はCPIF契約の採用を検討したりすることで,A社のプロジェクトチームに,顧客価値の変化に対応するためのどのような効果を生じさせようと考えたのか。25字以内で答えよ。

模範解答

生産性向上のモチベーションを維持する。

採点基準(配点 4点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 「生産性向上のモチベーションを維持する」ことが明確に記述されている。
  • 1: モチベーション向上や生産性向上について触れられているが、効果の表現が不十分である。
  • 0: 内容が的外れである。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 指定文字数以内で自然な文章としてまとまっている。
  • 1: 文脈がやや不自然だが、意図は伝わる。
  • 0: 文章として成立していない。

解説

設問の趣旨

新しい契約類型(成果報酬型の準委任契約やCPIF契約)を導入することで、協力会社のチームにどのような心理的・行動的変化をもたらす狙いがあるのかを問う問題です。

正解の導き方

これらの契約類型は、協力会社が効率よく、または高い成果を出した際にその見返り(報酬増など)が得られる仕組みです。これにより、顧客価値の変化に柔軟に対応しつつ、生産性向上のモチベーションを維持するという効果が期待されます。

高得点のポイント

  • 生産性向上への意識づけに言及しているか。
  • チームのモチベーションを維持する(または高める)という効果が記述されているか。
  • チームに対して期待する直接的な効果が指定文字数以内で的確にまとめられているか。

設問4(2)は,正答率がやや低かった。“適応力と回復力の強化”のような,共同で行うリスクのマネジメントから焦点が外れた解答が見られた。設問文をよく読んで,解答してほしい。