令和5年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3 予兆検知システム構想でのステークホルダ巻き込み
マネジメントプロジェクト計画ステークホルダー・要員
この問題は2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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学習ガイド
化学品製造業のプラントで障害の予兆を検知するシステムの構想を題材に、ステークホルダとの協力関係づくりを問う午後Iの問題です。長年点検業務を担いベテランからの信頼も厚いL部長を構想・企画に招いたK課長の狙い、そして目的説明の場に工場の技術者全員を集めた意図が問われます。この記事では、現場の暗黙知と信頼をプロジェクトに取り込むという視点から、各設問がステークホルダマネジメントのどの勘所を試しているかを解きほぐします。
この記事で押さえる論点
- 現場に精通したベテランをプロジェクトへ招く狙いをニーズ把握の観点で説明する
- 構想・企画フェーズに適した開発アプローチの設定意図を読み取る
- 説明役に工場の技術者全員を集める狙いを合意形成の観点で述べる
- 25〜35字の字数内で「誰の・何のため」を明確にして答える
出題情報
- 出題
- 2023(R5)秋 プロジェクトマネージャ 午後I 問3
- 配点
- 50点満点
- 模範解答
- 公表(設問ごとに掲載)
出題趣旨・採点講評(IPA 公表)
プロジェクトマネージャ(PM)は,システム開発プロジェクトの目的を実現するために,プロジェクトのステークホルダと適切にコミュニケーションを取り,協力関係を構築し維持することが求められる。本問では,化学品製造業における障害の予兆検知システムを題材として,ステークホルダのニーズを的確に把握し,適切なシステム開発のプロジェクトフェーズ及び開発アプローチを設定して,ステークホルダのニーズを実現する,PMとしての実践的なマネジメント能力を問う。
問3では,化学品製造業における障害の予兆検知システムを題材に,ステークホルダーのニーズを的確に把握し,適切なシステム開発のプロジェクトフェーズ及び開発アプローチを適切に設定して,ステークホルダーのニーズを実現する実践的なマネジメント能力について出題した。全体として正答率は平均的であった。
問題本文
問3 化学品製造業における予兆検知システムに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
J社は,化学品を製造する企業である。化学品を製造するための装置群(以下,プラントという)は 1960年代に建設され,その後改修を繰り返して現在も使われている。プラントには,広大な敷地の中に,配管でつながれた多くの機器,タンクなど(以下,機器類という)が設置されている。
機器類で障害が発生すると,プラントの停止につながることがあり,停止すると化学品を製造できないので,大きな機会損失となる。このような障害の発生を防止するため,J社は,プラントの運転中に,ベテラン技術者が“機器類の状況について常に監視・点検を行い,その際に,機器類の障害の予兆となるような通常とは異なる状況があれば,早めに交換・修理”(以下,点検業務という)を行っている。機器類の障害を確実に予兆の段階で特定し,早めに交換・修理を行えば,障害を未然に防止できる。しかし,プラントに設置されている機器類は膨大な数に上り,どの機器類のどのような状況が障害の予兆となるのかを的確に判断するには,長年の経験を積んだベテラン技術者が点検業務を実施する必要がある。
最近は,ベテラン技術者の退職が増え,点検業務の作業負荷が高まったことにベテラン技術者は不満を抱えている。一方で,以前はベテラン技術者が多数いて,点検業務のOJTによって中堅以下の技術者(以下,中堅技術者という)を育成していたが,最近はその余裕がなく,中堅技術者はベテラン技術者の指示でしか作業ができず,点検業務を任せてもらえないことに不満を抱えている。
ベテラン技術者は,長年の経験で,機器類の障害の予兆を検知するのに必要な知見と,プラントの特性を把握した交換・修理のノウハウを多数有している。J社では,デジタル技術を活用した,障害の予兆検知のシステム化を検討していた。これによってベテラン技術者の知見をシステムに取り込むことができれば,中堅技術者への業務移管が促進され,双方の不満が解消される。しかし,プラントの点検業務の作業は,一歩間違えば事故につながる可能性があり,プラントの特性を理解せずにシステムに頼った点検業務を行うことは事故につながりかねないとのベテラン技術者の抵抗があり,システム化の検討が進んでいない。
〔予兆検知システムの開発〕
J社情報システム部のK課長は,ITベンダーのY社から設備の障害検知のアルゴリズムを利用したコンサルティングサービスを紹介された。K課長は,この設備の障害検知のアルゴリズムがプラントの障害の予兆検知のシステム化に使えるのではないかと考え,Y社に実現可能性を尋ねた。Y社からは,機器類の状況を示す時系列データが蓄積されていれば,多数ある機器類のうち,どの機器類の時系列データが障害の予兆検知に必要なデータかを特定して,予兆検知が可能になるのではないかとの回答を得た。そこでK課長は,プラントが設置されている工場に赴いて,プラントの点検業務の責任者であるL部長に相談した。L部長は,長年プラントの点検業務を担当してきており,ベテラン技術者からの信頼も厚い。
L部長から,機器類の状況を示す時系列データとしては,長期間にわたり蓄積されたセンサーデータが利用できるとの説明があった。そこでK課長は,プラント上の様々な機器類のセンサーから得られるセンサーデータに対し,Y社のアルゴリズムを適用して“障害の予兆”を検知するシステム(以下,予兆検知システムという)の開発をL部長と協議した。
K課長はL部長の同意を得た上で,工場と情報システム部で共同して,予兆検知システムの開発プロジェクト(以下,本プロジェクトという)を立ち上げることを経営層に提案して承認され,本プロジェクトが開始された。
〔プロジェクトの目的〕
K課長は,本プロジェクトの目的を,“プラントの障害の予兆を検知し,障害を未然に防止すること”とした。さらにK課長は,中堅技術者が早い段階からシステムの仕様を理解し,システムを活用して障害の予兆が検知できれば,点検業務を担当することができ,ベテラン技術者の負荷軽減につながると考えた。一方で,システムの理解だけでなく,予兆を検知した際のプラントの特性を把握した交換・修理のノウハウを継承するための仕組みも用意しておく必要があると考えた。K課長は情報システム部のプロジェクトメンバーとともに,工場の技術者と共同でシステムの構想・企画の策定を開始することにした。その際,L部長に参加を依頼して了承を得た。
〔構想・企画の策定〕
K課長は,L部長に依頼して工場の技術者全員を集め,L部長から本プロジェクトの目的を説明してもらった。その上で,K課長は,本プロジェクトでは,最初に要件定義チームを立ち上げ,長期にわたり蓄積されたセンサーデータから,障害の予兆を検知するデータの組合せを特定すること,及び予兆が検知された際の機器類の交換・修理の手順を可視化することに関して要件定義フェーズを実施することを説明した。要件定義チームは,工場の技術者,情報システム部のプロジェクトメンバー,及びY社のメンバーで構成される。
K課長は,事前にY社に対し,業務委託契約の条項を詳しく説明していた。特に,J社の時系列データ及びY社のアルゴリズムの知的財産権の保護に関して,認識の相違がないことを十分に確認した上で,Y社にある支援を依頼していた。
K課長は,要件定義チームの技術者のメンバーに,ベテラン技術者だけでなく中堅技術者も選任した。要件定義チームの作業は,多様な経験と点検業務に対する知見・要求をもつ,技術者,情報システム部のプロジェクトメンバー及びY社のメンバーが協力して進める。また,様々な観点から多様な意見を出し合い,その中からデータの組合せを特定するという探索的な進め方を,要件定義として半年を期限に実施する。その結果を受けて,予兆検知システムの開発のスコープが定まり,このスコープを基に,要件定義フェーズの期間を含めて1 年間で本プロジェクトを完了するように開発フェーズを計画し,確実に計画どおりに実行する。
〔プロジェクトフェーズの設定〕
本プロジェクトには,要件定義フェーズと開発フェーズという特性の異なる二つのプロジェクトフェーズがある。K課長は,要件定義フェーズは,仮説検証のサイクルを繰り返す適応型アプローチを採用して,仮説検証の1サイクルを 2 週間に設定した。一方,開発フェーズは予測型アプローチを採用し,本プロジェクトを確実に 1 年間で完了する計画とした。
さらに,K課長は,機器類の交換・修理の手順を模擬的に実施することで,手順の間違いがプラントにどのように影響するかを理解できる機能を予兆検知システムに実装することにした。
設問と解答・解説
設問1
〔プロジェクトの目的〕について,K課長が,工場の技術者と共同でシステムの構想・企画の策定を開始する際に,長年プラントの点検業務を担当してきており,ベテラン技術者からの信頼も厚い,L部長に参加を依頼することにした狙いは何か。35字以内で答えよ。
模範解答
ベテラン技術者の抵抗感を抑えプロジェクトに協力させるため
採点基準(配点 8点)
知識・理解度(内容)(4点)
- 4点: L部長の強みを活かし、ベテラン技術者の抵抗感を抑えるマネジメントの観点を過不足なく記述できている。
- 3点: ベテラン技術者の心情に対する配慮が読み取れるが、記述がやや不足している。
- 2点: 抵抗感の抑制についての言及はあるが、L部長の強みとの関連が不明瞭である。
- 1点: ステークホルダーの心情への言及が極めて少ない。
- 0点: ベテラン技術者の抵抗感に関する記述が全くない。
説得力(考察)(4点)
- 4点: 抵抗感を抑えることで「プロジェクトへの協力」を引き出すという因果関係が説得力を持って記述されている。
- 3点: プロジェクトへの協力を得る目的は書かれているが、因果関係の説得力がやや弱い。
- 2点: 目的への言及はあるが、論理的な繋がりが不十分である。
- 1点: 協力を得る目的がわずかに触れられている程度である。
- 0点: プロジェクトの目的や協力を引き出す狙いについての記述がない。
解説
正解の根拠
本問は、ステークホルダーの心情に配慮し、協力関係を構築するPMとしての実践的なマネジメント能力が問われています。
長年プラント点検業務を担当しベテラン技術者からの信頼も厚いL部長を構想・企画に巻き込むことで、システム導入に対するベテラン技術者の抵抗感を抑え、プロジェクトへ円滑に協力させることが最大の狙いです。
高得点のポイント
抵抗感を抑える というステークホルダーの心情配慮を明記すること
最終的な目的である プロジェクトに協力させる ことを含めること
設問2
〔構想・企画の策定〕について答えよ。
(1)
K課長が,L部長に本プロジェクトの目的を説明してもらう際に,工場の技術者全員を集めた狙いは何か。25字以内で答えよ。
模範解答
技術者全員の不満解消になることを伝えるため
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: プロジェクト立ち上げ時における技術者全員の不満解消という目的を的確に表現している。
- 2点: 不満解消の目的はおおむね書かれているが、対象(全員)などが曖昧である。
- 1点: 不満解消への言及が不十分であり、「ステークホルダーだから」などの表層的な記述に留まる。
- 0点: 不満解消という目的についての記述が全くない。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 不満解消を伝えることによって理解と協力を得るという因果関係が論理的に記述されている。
- 2点: 目的を伝えることの重要性は読み取れるが、論理的構成がやや不足している。
- 1点: 言葉の繋がりが不自然であり、論理性が見られない。
- 0点: 論理的な構成が全くない。
解説
正解の根拠
構想・企画策定の立ち上げ時期において、ステークホルダー全員を集めることには明確な目的が必要です。
新しいシステムの導入が技術者全員の不満解消に繋がることを共有し、プロジェクトに対する協力を促すことがPMとしての正しい立ち回りとなります。
「ステークホルダーだから」という表層的な理由ではなく、目的意識を持った解答が求められます。
高得点のポイント
対象が 技術者全員 であることを示すこと
プロジェクトの目的が彼らの 不満解消 になることを伝える点を明記すること
(2)
K課長が,J社とY社との間の知的財産権を保護する業務委託契約の条項を詳しく説明し,認識の相違がないことを十分に確認した上で,Y社に依頼したのはどのような支援か。30字以内で答えよ。
模範解答
予兆検知に必要なデータを特定するコンサルティング
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 予兆検知に必要なデータを特定するという具体的な技術支援ニーズを正確に理解している。
- 2点: データ特定に関する記述はあるが、予兆検知への紐付けが弱い。
- 1点: 業務内容の理解が不十分であり、曖昧な表現に留まっている。
- 0点: 必要なデータ特定に関する記述が全くない。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 依頼内容が「コンサルティング」業務として論理的に表現できている。
- 2点: 依頼内容の意味は通じるが、コンサルティングという形態が明確でない。
- 1点: 単語の羅列にとどまり、構造的に支援内容を説明できていない。
- 0点: 論理的な構成が全くない。
解説
正解の根拠
知的財産権を保護する契約を結んだ上でY社に依頼する支援内容は、Y社が保有する高度な専門知識を要するものです。
具体的には、障害の予兆を検知するために必要なデータを特定するコンサルティング支援となります。
高得点のポイント
支援の目的が 予兆検知に必要なデータの特定 であること
支援の形態が コンサルティング であると明記すること
(3)
K課長が,要件定義チームのメンバーとして選任したベテラン技術者と中堅技術者に期待した役割は何か。ベテラン技術者について30字以内で答えよ。
模範解答
機器類の予兆検知と交換・修理のノウハウを提示する。
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: ベテラン技術者の役割として「予兆検知」と「交換・修理」のノウハウを持つ存在であることを把握している。
- 2点: ノウハウについては言及しているが、予兆検知か交換・修理のいずれかが欠けている。
- 1点: ベテラン技術者の役割に関する理解が不十分であり、具体的なノウハウの内容が曖昧である。
- 0点: 期待される役割についての記載が全くない。
説得力(考察)(3点)
- 3点: プロジェクトの目的を達成するためにそのノウハウを「提示」するという役割が具体的に記述されている。
- 2点: ノウハウの活用には触れているが、具体的なアクション(提示など)の表現が弱い。
- 1点: 言葉の繋がりが不自然であり、説得力に欠ける。
- 0点: 説得力のある記述が全くない。
解説
正解の根拠
ベテラン技術者は、長年の実務経験に基づいた貴重な知見を持っています。
そのため、要件定義チームにおいては、機器類の予兆検知に関する知見と、実際の交換・修理のノウハウを要件として提示することが期待されます。
高得点のポイント
対象領域として 予兆検知 と 交換・修理 の両方に触れること
ベテランならではの ノウハウを提示する という役割を明記すること
(4)
K課長が,要件定義チームのメンバーとして選任したベテラン技術者と中堅技術者に期待した役割は何か。中堅技術者について30字以内で答えよ。
模範解答
早い段階からシステムの仕様を理解し活用できるかを確認する。
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 中堅技術者の役割として、システム仕様の理解と活用の可否を確認するという重要性を的確に把握している。
- 2点: 仕様の理解または活用の確認のいずれか一方に偏って記述されている。
- 1点: 役割への言及はあるが、要件定義における具体的な活動内容が不明瞭である。
- 0点: 中堅技術者に期待する役割についての記載が全くない。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 「早い段階から」確認することの目的とシステム活用の関係が論理的に記述できている。
- 2点: 早期参画の意義が読み取れるが、論理的構成がやや不足している。
- 1点: 単語の羅列にとどまり、構造的に役割を説明できていない。
- 0点: 論理的な構成が全くない。
解説
正解の根拠
中堅技術者に対しては、完成後のシステムを現場で牽引して活用する立場としての役割が期待されています。
そのため、早い段階からシステムの仕様を理解し、それが現場の業務で実際に活用できるかを確認する役割を持たせています。
高得点のポイント
早い段階から という早期参画の意義を含めること
仕様を理解し活用できるかの確認 を行う点を明記すること
設問2(1)の正答率は平均的であったが,“ステークホルダーだから”という,プロジェクトマネジメントとしての目的を意識していないと思われる解答が散見された。プロジェクトマネージャ(PM)として,立ち上げの時期に全員がプロジェクトの目的を共有することの重要性を理解して解答してほしい。
設問3
〔プロジェクトフェーズの設定〕について答えよ。
(1)
K課長が,本プロジェクトのプロジェクトフェーズの設定において,要件定義フェーズと開発フェーズは特性が異なると考えたが,それぞれのプロジェクトフェーズの具体的な特性とは何か。要件定義フェーズについて20字以内で答えよ。
模範解答
探索的な進め方になること
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 要件定義フェーズの特性として「探索的な進め方」となることを的確に理解している。
- 2点: 探索的というニュアンスは伝わるが、表現がやや的確さを欠く。
- 1点: 要件定義の特性に関する理解が浅く、一般的な記述に終始している。
- 0点: 要件定義フェーズの特性についての記述が全くない。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 開発アプローチとして探索的であることを端的に過不足なくまとめている。
- 2点: 内容は伝わるが、字数制限内でやや冗長または構造が崩れている。
- 1点: 単語の羅列にとどまり、文として成立していない部分がある。
- 0点: 論理的な構成が全くない。
解説
正解の根拠
要件定義フェーズでは、システムとして実現すべき内容が初期段階で完全に固まっていない場合が多々あります。
そのため、データや業務を分析しながら徐々に要件を明らかにしていく探索的な進め方が必要となります。
高得点のポイント
- 要件定義の不確実性を捉え、探索的な進め方 であることを端的に表現すること
(2)
K課長が,本プロジェクトのプロジェクトフェーズの設定において,要件定義フェーズと開発フェーズは特性が異なると考えたが,それぞれのプロジェクトフェーズの具体的な特性とは何か。開発フェーズについて20字以内で答えよ。
模範解答
計画を策定し計画どおりに実行すること
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: 開発フェーズの特性として「計画を策定し計画通りに実行する」という予測型のアプローチを的確に理解している。
- 2点: 計画策定と実行のいずれか一方の表現がやや弱い。
- 1点: 予測型アプローチに関する理解が浅く、一般的なシステム開発の記述に終始している。
- 0点: 開発フェーズの特性についての記述が全くない。
論理性(構造)(3点)
- 3点: 計画策定と実行の繋がりが論理的に簡潔に記述できている。
- 2点: 内容は伝わるが、字数制限内でやや冗長または構造が崩れている。
- 1点: 単語の羅列にとどまり、文として成立していない部分がある。
- 0点: 論理的な構成が全くない。
解説
正解の根拠
要件定義が完了した後の開発フェーズでは、仕様が明確になっているため、予測型のアプローチが適しています。
すなわち、しっかりと計画を策定し、その計画どおりに実行することが重要です。
高得点のポイント
- 予測型アプローチの基本である 計画の策定 と 計画どおりの実行 を明確に述べること
(3)
K課長が,機器類の交換・修理の手順を模擬的に実施することで,手順の間違いがプラントにどのように影響するかを理解できる機能を予兆検知システムに実装することにした狙いは何か。35字以内で答えよ。
模範解答
中堅技術者がベテラン技術者の交換・修理のノウハウを継承するため
採点基準(配点 6点)
知識・理解度(内容)(3点)
- 3点: PMとして利用者の訓練やノウハウ継承の重要性を正しく理解し、ベテランの「交換・修理のノウハウ」を的確に記載できている。
- 2点: ノウハウの継承には触れているが、対象となる技術(交換・修理など)が不明瞭である。
- 1点: 訓練目的にのみ言及しており、ノウハウ継承の要素が不足しているか、または「障害の発生を防げる」等の誤った認識が含まれている。
- 0点: ノウハウ継承についての記述が全くない。
説得力(考察)(3点)
- 3点: ベテランから中堅へという関係性が明確で、システムを介した訓練・継承の構造が説得力を持って記載されている。
- 2点: 関係性がやや曖昧だが、目的が概ね伝わる記載である。
- 1点: 言葉の繋がりが不自然であり、説得力に欠ける。
- 0点: 継承の構造が全く読み取れない。
解説
正解の根拠
機器類の交換・修理手順を模擬的に実施する機能を実装する最大の目的は、技術者の訓練と知見の移転です。
これを通じて、中堅技術者がベテラン技術者の交換・修理のノウハウを継承することが狙いとなります。この機能を実装しただけで障害発生が防げると解釈するのは誤りです。
高得点のポイント
誰から誰へ(ベテラン技術者から中堅技術者へ)という主体を明確にすること
交換・修理のノウハウを継承する という最大の目的を明記すること
設問3(2)の正答率は平均的であったが,プラントの特性を理解した交換・修理のノウハウの継承という点を正しく解答した受験者が多かった一方で,交換・修理の手順を模擬的に実施する機能の実装だけで機器類の障害の発生を防げると誤って解答している受験者も散見された。PMとして,システムを正しく機能させるための利用者の訓練の重要性を理解して解答してほしい。