平成26年度 問10
権利関係相続
この問題は2014年度(H26)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
Aには、父のみを同じくする兄Bと、両親を同じくする弟C及び弟Dがいたが、C及びDは、Aより先に死亡した。Aの両親は既に死亡しており、Aには内縁の妻Eがいるが、子はいない。Cには子F及び子Gが、Dには子Hがいる。Aが、平成26年8月1日に遺言を残さずに死亡した場合の相続財産の法定相続分として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢3
本問は、法定相続人の範囲および法定相続分の計算に関する知識を問う問題です。
正解の根拠
法定相続人の確定
- 被相続人Aには子や直系尊属(両親)がいないため、第3順位である兄弟姉妹が法定相続人となります(民法第889条1項2号)。
- Aには内縁の妻Eがいますが、法律上の配偶者ではないため相続権はありません(民法第890条)。
- 兄弟姉妹のうち、CとDはAより先に死亡しているため、その子であるF、G(Cの子)およびH(Dの子)が代襲相続人となります(民法第889条2項、第887条2項)。
- したがって、法定相続人はB、F、G、Hの4名です。
法定相続分の計算
- 兄弟姉妹が相続人となる場合、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血)の相続分の2分の1となります(民法第900条4号ただし書)。
- したがって、半血の兄Bと、全血の弟C・Dの本来の相続分の比率は、
B : C : D = 0.5 : 1 : 1 = 1 : 2 : 2となります。 - 遺産全体を5とすると、それぞれの本来の相続分は以下の通りです。
- B:
- C:
- D:
- 代襲相続人であるF・G・Hは、被代襲者(C・D)が受けるべきであった相続分を受け継ぎます(代襲相続)。
- FとGは、Cの相続分 を均等に分けるため、それぞれ となります。
- Hは、Dの相続分 を1人でそのまま受け継ぐため、 となります。
以上より、各人の法定相続分は Bが5分の1、Fが5分の1、Gが5分の1、Hが5分の2 となり、選択肢3が正解となります。
各選択肢の解説
- 1. 誤り
内縁の妻Eに相続分()を与えて計算していますが、内縁の配偶者には相続権が認められていないため誤りです。 - 2. 誤り
半血の兄Bの相続分を、全血の弟(C・D)と同じ割合として計算しているため誤りです。 - 3. 正しい
解説の通り、正しい法定相続分を示しています。 - 4. 誤り
Bの相続分()は正しく計算されていますが、残りの遺産()を代襲相続人であるF・G・Hの3名で均等に分割(頭割りでそれぞれ )して計算しているため誤りです。代襲相続では、被代襲者(CおよびD)ごとの相続分を基準にして計算しなければなりません。