平成17年度 宅地建物取引主任者資格試験 問2

権利関係意思表示・錯誤

この問題は2005年度(H17)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

AがBに対し土地の売却の意思表示をしたが、その意思表示は錯誤によるものであった。この場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢3

本問は、錯誤による意思表示の効力に関する問題です(※本問は選択肢が「無効」を前提としていることから、改正前民法の規定および判例に基づいた内容となっています)。

正解は 3 です。錯誤による無効(現行民法では取消し)は、原則として表意者を保護するための制度ですが、表意者に重大な過失があった場合には、その主張が制限されます。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効となります。したがって、「無効となることはない」とする本肢は誤りです。

  • 選択肢2:誤り
    意思表示をなすについての動機に錯誤があった場合(動機の錯誤)、その動機が相手方に明示または黙示に表示されて意思表示の内容となっていたときは、要素の錯誤として無効を主張することができます(判例)。したがって、「無効となることはない」とする本肢は誤りです。

  • 選択肢3:正しい
    錯誤による無効は、表意者に重大な過失があったときは、表意者自らその無効を主張することができないとされています。表意者の帰責性が大きい場合には保護されないという趣旨です。

  • 選択肢4:誤り
    錯誤による無効は、表意者(本問ではA)を保護するための制度であるため、原則として表意者のみが主張することができます。相手方(B)や第三者が、表意者の意思に反して無効を主張することはできません(判例)。