平成15年度 宅地建物取引主任者資格試験 問2
権利関係民法総則
この問題は2003年度(H15)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
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Aは, Bとの間で, B所有の不動産を購入する売買契約を締結した。ただし, AがA所有の不動産を平成15年12月末日までに売却でき, その代金全額を受領することを停止条件とした。手付金の授受はなく, その他特段の合意もない。この場合, 民法の規定によれば, 次の記述のうち正しいものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢4
停止条件付売買契約の効力に関する問題です。正解は 選択肢4 です。
停止条件付法律行為は、条件が成就した時からその効力を生じます(民法第127条1項)。条件の成否が未定の間であっても契約自体は有効に成立しており、当事者はその条件の成就によって生じる相手方の利益(期待権)を害することはできません(民法第128条)。反する規定や特約がない限り、一方的な解約や不法な妨害行為は認められません。
正解の根拠
条件の成就によって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方はその条件が成就したものとみなすことができます(民法第130条)。本問では、買主Aが自己所有不動産の売買代金の受領を故意に拒否して停止条件の成就を妨げているため、売主Bは条件成就を主張して代金の支払いを請求できます。
各選択肢の解説
- 選択肢1: 誤り。停止条件付契約は、条件成否未定の間も契約自体は有効に成立しており、その効力の発生が条件成就まで停止されているにすぎません。手付の授受も解除の特約もない本問で、Aが一方的に解約することはできません(民法第128条の期待権保護の趣旨にも反します)。
- 選択肢2: 誤り。選択肢1と同様、契約は既に有効に成立しているため、Bも一方的に解約することはできません。「契約の効力が生じていないので解約できる」という理由づけ自体が誤りです。
- 選択肢3: 誤り。条件の成否未定の間における当事者の権利義務(期待権)は、一般の規定に従い、処分・相続・保存をし、またはそのために担保を供することができます(民法第129条)。したがって、Aの相続人は買主たる地位を相続できます。
- 選択肢4: 正しい。条件の成就により不利益を受ける当事者(A)が故意にその成就を妨げたときは、相手方(B)は条件が成就したものとみなすことができます(民法第130条)。なお、2020年施行の民法改正で、不正に条件を成就させた場合に相手方が不成就とみなせる規定(同条2項)が追加されましたが、本問の結論(出題当時の第130条=現行第130条1項)は現行法でも変わりません。