平成8年度 宅地建物取引主任者資格試験 問7

貸付金債権を担保するための根抵当権に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 2. 登記された極度額が1億円で, 貸付金債権の元本も1億円で確定した場合, 根抵当権者は, 1億円と満期となった最後の2年分の利息及び損害金の額の合計額について, 根抵当権に基づく優先弁済権を主張することができる。

正解の根拠

選択肢2が誤りであり、本問の正解となります。

根抵当権において、担保される債権(元本、利息、損害金など)は極度額を限度として優先弁済を受けることができます(民法第398条の3第1項)。通常の抵当権にあるような「満期となった最後の2年分」に限定されるという制限はありませんが、その代わりにいかなる場合でも極度額を超える部分については優先弁済権を主張することができません。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(正しい)
    根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する権利です。一定の種類の取引によって生ずる将来の債権を担保するために設定することが認められています(民法第398条の2)。

  • 選択肢2(誤り)
    極度額が1億円の場合、元本・利息・損害金のすべてを含めて1億円の範囲内でしか優先弁済を受けることができません。本肢は元本だけで極度額の1億円に達しているにもかかわらず、さらに利息や損害金について優先弁済を主張できるとしており、誤りです。また、根抵当権には「最後の2年分」という制限(通常抵当権の規定)は適用されません。

  • 選択肢3(正しい)
    根抵当権の元本が確定した後であっても、その後に生じた利息や損害金については、登記された極度額に達するまでは根抵当権に基づく優先弁済権を主張することができます(民法第398条の3第1項)。

  • 選択肢4(正しい)
    元本の確定期日の定めがない場合、根抵当権設定者は、設定の時から3年を経過したときは担保すべき元本の確定を請求することができます。この請求の時から2週間後に元本が確定します(民法第398条の19第1項)。

Spineチーム