平成10年度 宅地建物取引主任者資格試験 問5

権利関係抵当権・担保物権

この問題は1998年度(H10)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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Aは, Bから借金をし, Bの債権を担保するためにA所有の土地及びその上の建物に抵当権を設定した。この場合, 民法の規定及び判例によれば, 次の記述のうち誤っているものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢4

正解は 4 です。

正解の根拠

選択肢4は誤りです。
抵当権付きの不動産を買い受けた第三取得者(G)が所有権を保持する方法は、自ら競落(買受け)する以外にも、以下の制度が民法上用意されています。

  • 代価弁済(民法第378条):第三取得者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済することで、抵当権を消滅させる制度。
  • 抵当権消滅請求(民法第379条):第三取得者が抵当権者に対して、一定の金額を提供して抵当権の消滅を請求する制度。
    したがって、「自ら競落する以外にそれらの所有権を保持する方法はない」とする記述は誤りです。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:正しい。土地と建物が同一の所有者(A)に属している状態で抵当権が設定され、抵当権の実行によって土地と建物の所有者が異なるに至った場合、建物のために法定地上権が成立します(民法第388条)。法定地上権が成立するため、土地の買受人(D)は建物の買受人(C)に対して土地の明渡しを請求することはできません。
  • 選択肢2:正しい。(※本問は旧民法下の規定に基づく記述です。)抵当権設定後であっても所有者は目的物を賃貸することが可能です。旧民法第395条の短期賃貸借の保護に関する規定では、一定期間(建物は3年)以内の賃貸借で登記があり、抵当権者に損害を及ぼさない場合は、建物の競落人に対抗できるとされていました。
  • 選択肢3:正しい。抵当権者は、自身の抵当権を他の債権の担保とすることができます。これを転抵当と呼びます(民法第376条第1項)。したがって、BはFからの借金の担保として、Aに対する自身の抵当権を利用することができます。