管理業務主任者 総会 — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

総会は区分所有法のいう集会に当たり、招集の日数や代理人になれる人の範囲には、標準管理規約が法律より細かく定めた部分があります。工事の中身によって要る賛成の重さは一様でなく、理事会だけで決められる事柄も一部にあります。

2. 実際の出題のされ方

共用部分の修繕・改良工事や管理組合の各種業務を挙げて、総会の決議が必要か理事会の決議のみで実施できるか、また総会の普通決議と特別決議のどちらによるべきかを問う問題が繰り返し出題されています。給水管やエレベーターの更新、専門委員会の設置などが題材になり、択一問題のほか個数問題でも出ています。

総会の招集手続を問う問題と、定足数や賛成数を計算させる問題があります。通常総会の招集時期、招集通知の発出期限や掲示による通知の対象者、マンション再生等に係る説明会の開催時期を問うものがあります。計算のほうは、複数の住戸を持つ組合員や住戸を共有する組合員がいる事例を示し、組合員と議決権を数えさせる個数問題です。

また、議決権の代理行使や総会への出席資格では、人物や場面を具体的に挙げて適否を判断させています。事実婚の配偶者や同居する親族、他の棟の組合員、弁護士などを代理人として認めてよいかという事例があります。専有部分を共同相続した場合の招集通知と議決権行使者の届出、賃借人などの占有者が出席・意見陳述できる条件も問われています。団地型において団地総会と棟総会のどちらの決議事項になるかを比較させる問題や、規約原本などの閲覧請求の手続を問う問題も出題されています。

3. 学習のポイント

  • 招集通知の期間と通知事項:招集通知の日数は、区分所有法の1週間より長い2週間を標準管理規約が原則に置いています。急ぐときに理事長が理事会の承認を得て縮められる下限は、標準管理規約の令和7年の改正で5日間から1週間に改められました。通知に議案の要領まで示すのは、改正前は規約の変更などに限られていましたが、この改正で全ての議案に広がりました。

  • 組合員による総会招集請求:組合員から招集の請求があると、理事長には通知を出す期限と会日の期限がかかり、通知が出ないときは請求した組合員が自ら招集できます。

  • 複数住戸所有と共有の扱い:頭数と議決権の数は別に数えるので、1住戸1議決権と定めていても、組合員総数と議決権総数が同じになるとは限りません。1つの住戸を共有する人たちは議決権の行使について1組合員とみなされ、行使する1名を届け出ます。

  • 代理人の範囲と議決権行使:代理人になれる人を絞るのは標準管理規約の定めで、組合員の意思が総会に届くよう、組合員と利害が一致すると考えられる人に限る趣旨です。配偶者や一親等の親族、同居の親族、他の組合員という枠に、標準管理規約の令和7年の改正で国内管理人が加わりました。

  • 出席資格と占有者の意見陳述:規約が法律に足している手続として、占有者が総会で意見を述べたいときは、あらかじめ理事長への通知が要ります。

総会の定足数と決議要件については、令和7年の区分所有法改正(2026年4月施行)および標準管理規約の令和7年の改正により、定足数と特別決議の算定方法が変更されています。

決議の種類 定足数と決議要件(現行) 主な対象事項
普通決議 議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席した組合員の議決権の過半数で決します。定足数は標準管理規約の令和7年の改正で半数以上から過半数に改められました。 防犯カメラの設置や宅配ボックスの固定のように共用部分への加工が小さい工事です。
特別決議(4分の3以上) 組合員総数の過半数で議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席組合員とその議決権の各4分の3以上で決します。改正前は組合員総数と議決権総数の各4分の3以上でした。 規約の変更や、著しい加工を伴う増改築です。
特別決議(3分の2以上) 定足数は4分の3の決議と同じで、出席組合員とその議決権の各3分の2以上で決します。区分所有法の令和7年の改正(2026年4月施行)に合わせて設けられた枠です。 外壁の剥離への対処や、移動の負担を減らすバリアフリー化に必要な変更が当たります。建物の価格の2分の1を超える部分が滅失したときの復旧も、この改正で各4分の3以上から各3分の2以上になりました。
  • 理事会の決議で行える事項:総会と理事会の線は、規約が総会の決議事項に挙げたものかどうかで引かれます。理事会が決められるのは、理事長など役職の選任や解任のように規約が理事会に任せた事項と、総会を開けない災害時の応急の工事とその資金の手当てなどです。
  • 団地総会と棟総会の区別:団地型の棟総会で決めるのは、規約が棟ごとの決議事項に挙げた事柄で、これを団地総会の決議事項にすることはできません。

4. 間違えやすいところ

収支予算を変えるときは理事会の承認で足りるとする誤答肢がありました。理事会の承認で足りるのは、年度の始まりから予算案の承認までの間の一部の支出です。

店舗の営業制限が議題なら店舗の区分所有者の委任状を持つ弁護士に議決権を行使させてよいとする誤った記述がありました。弁護士という資格は、規約が定める代理人の枠とは関係がありません。

店舗用階段をエレベーターに変える工事は店舗部会の特別多数決議だけで足りるとする誤った記述がありました。住宅部会や店舗部会は一部共用部分の管理などを話し合う組織で、管理組合としての意思を決める機関ではありません。

各棟の階段や廊下の補修は棟総会の決議だけで決められるとする誤答肢がありました。棟の共用部分であることと、棟総会で決めることは別の話です。

理由を書いていない書面での規約原本の閲覧請求には応じなくてよいとする誤答肢がありました。書面に理由を求める定めがあるのは、会計帳簿などの別の書類です。

総会の理解度チェック

総会の過去問一覧

標準管理規約のほかの論点

専有部分・共用部分の範囲・用法・修繕23問 管理組合の業務・役員・理事会27問 管理費等・会計22問