令和2年度 宅地建物取引士資格試験(12月実施) 問10

不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

解答・解説

正解: 4. 共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。

不動産の共有に関する民法の規定についての問題です。共有者の一人が死亡して相続人がない場合の持分の帰属先が問われています。

正解の根拠

共有者の一人が死亡して相続人がいない場合、その持分は原則として 他の共有者に帰属 します(民法第255条)。したがって、「国庫に帰属する」としている選択肢4が誤りとなります。

各選択肢の解説

  • 1. 共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。
    正しい。民法第250条の規定により、各共有者の持分は、相等しいものと推定されます。

  • 2. 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
    正しい。出題当時の民法第251条の規定により、共有物に変更を加える行為は、他の共有者全員の同意が必要でした。

  • 3. 共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。
    正しい。民法第252条第5項の規定により、共有物の現状を維持する保存行為は、各共有者が単独で行うことができます。

  • 4. 共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。
    誤り。民法第255条の規定により、共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は 他の共有者に帰属 します。単独所有の財産の場合は最終的に国庫に帰属しますが、共有持分の場合は他の共有者に帰属する点がポイントです。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時は、他の共有者の同意を得なければ共有物に変更を加えることはできませんでした。2023年4月1日施行の民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号、所有者不明土地関連)のうち民法の改正により、共有物の変更のうち軽微変更については全員の同意が不要となり、持分価格の過半数で決定できるようになりました。このため、現行法において選択肢2は誤りとなり、正解が複数になります。

Spineチーム