平成27年度 宅地建物取引士資格試験 問5

権利関係物権総論・占有

この問題は2015年度(H27)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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占有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説を読む

正解: 選択肢3

正解の根拠

占有代理人であっても占有権を有するため、第三者に占有を妨害された場合には、自ら占有保持の訴えを提起することができます(民法第181条、第197条)。したがって、選択肢3の記述は正しい内容となります。

各選択肢の解説

  • 選択肢1(誤り)
    占有の成立は、目的物を客観的に事実上支配しているか否かで判断されます。建物の鍵を所持していなくても、隣家に居住し裏口を監視して第三者の侵入を制止するなど、事実上の支配関係が認められる場合には、占有が成立するといえます。

  • 選択肢2(誤り)
    民法第188条は「占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する」と定めていますが、判例上、不動産については原則として登記に権利の推定力が認められるため、占有による適法推定の規定は適用されません。したがって、Cは同規定を根拠に明渡しを拒否することはできません。

  • 選択肢3(正しい)
    前述のとおり、丙土地の占有を代理しているD(占有代理人)も占有権を有するため、第三者に占有を妨害された場合には占有保持の訴えを提起することができます。

  • 選択肢4(誤り)
    占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対しては、原則として提起することができません(民法第200条第2項本文)。ただし、その特定承継人が侵奪の事実を知っていた(悪意であった)ときに限り、例外的に提起することができます(同項ただし書)。「当然に提起することができる」とする本肢は誤りです。