平成21年度 宅地建物取引主任者資格試験 問10

Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 4. A所有の甲土地に抵当権の登記があり、Bが当該土地の抵当権消滅請求をした場合には、Bは当該請求の手続が終わるまで、Aに対して売買代金の支払を拒むことができる。

本問の正解は 4 です。
買い受けた不動産に抵当権の登記がある場合において、買主が抵当権消滅請求をしたときは、買主はその手続が終わるまで代金の支払を拒むことができます。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り
    売買の目的物に瑕疵(現行民法における契約不適合)がある場合、売主がその瑕疵に気付いていなかったとしても、売主は原則として担保責任を負わなければなりません。

  • 選択肢2:誤り
    解約手付による契約解除は、相手方が履行に着手するまで行うことができます。買主B自身が履行に着手していたとしても、相手方である売主Aが履行に着手していないのであれば、Bは手付を放棄して契約を解除することができます。

  • 選択肢3:誤り
    他人の所有物を目的とする売買契約(他人物売買)も、契約としては有効に成立します。売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います。

  • 選択肢4:正しい
    買い受けた不動産に抵当権の登記がある場合において、買主が抵当権消滅請求をしたときは、買主は、その手続が終わるまで代金の支払いを拒むことができます(民法第577条第1項)。したがって本肢は正しい記述です。

現行法での扱い(2026年4月1日時点)

出題当時は、買い受けた不動産に抵当権の登記があれば、買主は代金の支払を拒めました。2020年施行の改正により、契約の内容に適合しない抵当権の登記がある場合に限り、支払を拒めるようになりました。本問は抵当権付きでの取得が契約の内容か示されておらず、選択肢 4 は問題文だけでは正誤が決まらず、正解が一つに定まりません。なお、選択肢 1 の「瑕疵担保責任」は現行法にない名称です。

Spineチーム