管理業務主任者 契約条項(再委託・通知・開示・解除・更新) — 頻出論点と過去問

頻出論点

1. この分野は何か

管理委託契約は、管理組合と管理業者が互いに何を求められるかを決める約束で、標準管理委託契約書はその標準の形です。相手に何かを伝えるときに書面が要るのか、いつまでに伝えるのかで、迷いやすいところです。契約を終わらせる手続には、相手の落ち度を理由にする解除と、理由を問わない解約の申入れの二つがあります。

2. 実際の出題のされ方

契約条項の記述の正誤を問う問題で、適切なものや不適切なものを 1 つ選ぶ形のほかに、当たるものの数を答える形、記述の組を選ぶ形があります。

解除と解約の申入れの要件を比べさせる問題があります。売却を頼まれた宅地建物取引業者への管理規約等の提供と開示を 1 問で問う問題、管理事務の報告の種類を比べさせる問題、再委託の範囲を問う問題も出ています。

3. 学習のポイント

事務管理業務は基幹事務を含むので、第三者に任せられるのは一部だけです。これに対して清掃業務や管理員業務、建物・設備等管理業務は、全部を任せることもできます。どの業務でも、再委託先の仕事について管理組合に責任を負うのは管理業者のままです。

  • 費用の負担:委託業務費は、定額で精算しない分と、業務の後に精算する分に分かれます。管理組合はこのほか、管理事務に伴う水道光熱費、通信費、消耗品費などの諸費用も負担します。数年おきの調査のように契約期間をまたぐ業務を定額の分に入れるときは、いつ行うか、いくらか、行わなかったらどう精算するかを、前もって明らかにしておくべきとされています。
  • 管理事務の指示:管理事務についての指示は、法令に基づく場合を除いて、管理者等か指定された役員から、管理業者が指定した担当者に出します。カスタマーハラスメントを防ぐための決まりです。
  • 通知義務:建物の滅失やき損、瑕疵を知ったら、相手に速やかに知らせますが、書面までは求められていません。役員の変更や管理業者の商号の変更のような事項は、書面で通知します。
  • 管理事務の報告とITの活用:事業年度終了後の報告は、適正化法に基づくもので、管理業務主任者に行わせます。報告を WEB 会議システム等で行うには管理組合の承諾が要り、承諾を得るときには、申し出れば中止できることも示しておきます。
  • 宅地建物取引業者等への提供・開示:専有部分の売却の媒介を頼まれた宅地建物取引業者から求められたとき、管理業者は管理組合に代わって管理規約等の写しを提供し、決められた事項を開示します。管理業者がこれを行うには、管理規約や使用細則に根拠があり、委託契約書もそれに合っていることが必要です。費用は、提供や開示の相手から受け取れます。
  • 契約の解除・解約の申入れ・更新:相手が契約上の義務を果たさないときは、相当の期間を定めて催告し、それでも履行がなければ解除できます。管理業者が銀行の取引を停止されたときのように契約書が挙げた事由に当たれば、催告は要りません。理由を問わず契約を終わらせるのが解約の申入れです。解約の申入れも更新の申出も、書面で行います。

4. 間違えやすいところ

  • 無催告解除の事由:業務停止命令の処分を受けたら管理組合は催告なしで解除できるとする誤った記述がありました。業務を止める処分は、契約書が挙げた無催告解除の事由に入っていません。
  • 秘密保持の期間:契約が終わった後は秘密を守らなくてよいとする誤答肢がありました。この義務は、標準管理委託契約書の存続の条項で契約の終了後も効力が続くとされ、マンション管理適正化法でも管理業者でなくなった後まで課されています。
  • 毎月の書面の中身:毎月末までに交付する書面を、管理事務の処理状況についての書面とする誤答肢がありました。処理状況の報告は、事業年度終了後と、管理組合から請求があったときのものです。
  • 解約の予告:解約の申入れは 1 か月前でよいとする誤った記述がありました。申入れの時期は管理事務の引継ぎに通常必要な期間を考えて決められていて、少なくとも 3 か月前です。
  • 暫定契約の期間:更新の協議がまとまらないときの暫定契約は 3 か月までとする誤答肢がありました。期間に上限はなく、協議の状況を見て当事者が適切な期間を決めます。

契約条項(再委託・通知・開示・解除・更新)の理解度チェック

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