令和2年度 管理業務主任者試験 問8
管理委託契約・管理実務標準管理委託契約書契約条項(再委託・通知・開示・解除・更新)
次の記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。
解答・解説
正解: 1. マンション管理業者は、建物・設備管理業務の全部を第三者に再委託することはできない。
標準管理委託契約書(出題当時の平成30年3月改訂版)第4条(第三者への再委託)第1項は、マンション管理業者は「第3条第1号の管理事務(事務管理業務)の一部又は同条第2号、第3号若しくは第4号の管理事務(管理員業務、清掃業務、建物・設備管理業務)の全部若しくは一部を、第三者に再委託することができる」と定めています。同条関係コメント①のとおり、これはマンション管理適正化法第74条が基幹事務の一括再委託を禁止していることを踏まえ、事務管理業務の一括再委託ができないようにしたものです。建物・設備管理業務は、その全部を第三者に再委託することができます。
したがって、建物・設備管理業務の全部を第三者に再委託することはできないとする選択肢 1 が最も不適切であり、正解となります。
各選択肢の解説
- 1: 不適切(正解)。再委託が一部に限られるのは事務管理業務であり、建物・設備管理業務は全部を第三者に再委託することができます(第4条第1項)。
- 2: 適切。標準管理委託契約書第4条第2項により、マンション管理業者が管理事務を第三者に再委託した場合においても、再委託した管理事務の適正な処理について、管理組合に対して責任を負います。
- 3: 適切。標準管理委託契約書第4条関係コメント②により、管理委託契約締結時に再委託する管理事務及び再委託先の名称が明らかな場合は、事前に管理組合に対して通知することが望ましいとされています。
- 4: 適切。標準管理委託契約書第4条関係コメント②のただし書により、出納に関する事務は極めて重要であるので、管理費等の収納事務を集金代行会社に再委託する場合は、再委託する管理事務及び再委託先の名称を事前に管理組合に対して通知すべきであるとされています。
現行法での扱い(2026年11月1日時点)
出題当時は、集金代行会社への収納事務の再委託について事前に通知すべきとするコメント(第4条関係)があったため、選択肢 4 は適切であり、第4条第1項に反する選択肢 1 が正解でした。2023年9月の標準管理委託契約書の改訂により、第4条第1項で別紙1に従って再委託することとされ、集金代行会社の事前通知に関するコメントの記述は削除されました。そのため、現行では通知すべきとする根拠がなくなり選択肢 4 も不適切となるため、現行では不適切な選択肢が複数あり、一つに定まりません。