平成29年度 管理業務主任者試験 問7

次の記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

解答・解説

正解: 3. マンション管理業者は、火災等の事故(マンション管理業者の責めによらない場合に限る。)により管理組合又は管理組合の組合員等が受けた損害について、その損害額が一定額を超えるときは、その一定額を超える損害部分については、賠償する責任を負わない。

正解は 3 です。

標準管理委託契約書におけるマンション管理業者の免責事由について、火災等の不可抗力や管理業者の責めによらない事故によって生じた損害は、損害額にかかわらず原則として賠償する責任を負いません。「一定額を超える損害部分についてのみ責任を負わない」とする記述は不適切です。

各選択肢の解説

  • 1:適切
    標準管理委託契約書第13条第1項の規定のとおりです。マンション管理業者は、管理事務を行うため必要があるときは、管理組合の組合員等に対して、その専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができます。

  • 2:適切
    標準管理委託契約書第8条第1項の規定のとおりです。地震等の災害等により緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、承認を受けないで実施することができます。この場合、マンション管理業者は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及び実施に要した費用の額を管理組合に通知しなければなりません。

  • 3:不適切(正解)
    標準管理委託契約書第17条の規定によれば、マンション管理業者は、天災地変等の不可抗力や、マンション管理業者の責めによらない火災・盗難等の事故により管理組合又は組合員等が受けた損害については、金額の多寡にかかわらず賠償する責任を負わないと定められています。「一定額を超える損害部分については賠償する責任を負わない」という規定はありません。

  • 4:適切
    標準管理委託契約書第11条第1項・第2項の規定のとおりです。マンション管理業者は、管理事務を行うため必要なときは、組合員等に対し、管理組合に代わって建物の保存に有害な行為の中止等を求めることができますが、中止を求めてもなお組合員等がその行為を中止しないときは、マンション管理業者はその責めを免れます。

現行法での扱い(2026年11月1日時点)

出題当時は、有害行為の中止を求めても組合員等がその行為を中止しないときは管理業者が責めを免れるとする選択肢 4 は適切であり、選択肢 3 が正解でした。2023年9月の標準管理委託契約書の改訂により、現行の第12条第3項でなお中止しないときの書面による報告が義務づけられ、同条第4項でその報告を行った場合にさらなる中止要求の責務を免れることになりました。そのため、報告を条件としない選択肢 4 は現行の規定に合わず不適切となり、当時からの正解である選択肢 3 とあわせて、現行では不適切な選択肢が複数あり、一つに定まりません。

Spineチーム