令和7年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午後I 問1 インシデント管理プロセスの分析と改善

マネジメントサービスマネジメント

この問題は2025(R7)春 ITサービスマネージャ 午後Iに出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

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学習ガイド

サービスデスクのインシデント管理プロセスを分析し改善する、ITサービスマネージャ試験の問題です。インシデント管理ファイルと問題管理ファイルを結び付けて業務フロー上のパスごとの件数を集計し、優先的に分析すべきパスを特定して回避策の運用課題を洗い出します。データに基づくプロセス改善の進め方そのものが題材であり、この記事では数値の計算過程と、分析結果から課題を言語化する手順の両方を丁寧に追います。

この記事で押さえる論点

  • 業務フロー図とパス分析でインシデント対応の流れを可視化する
  • 対応件数・時間のデータから優先的に分析すべきパスを特定する
  • 回避策の管理とナレッジ共有の課題を導く

問題本文

問1 インシデント管理プロセスの分析と改善に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

J社は,全国で電子機器を製造し,販売する電子機器メーカーである。J社の情報システム部は,販売システム(以下,Kシステムという)の開発と運用を行っている。J社の全国の支店には販売部の販売担当者がおり,販売サービス(以下,Kサービスという)を利用して販売活動を行っている。Kサービスは,Kシステムによって実現されている。

情報システム部には,開発課と運用課がある。開発課は,管理者の開発課長及び数名の開発担当者で構成され,主に機能追加などの開発業務を開発計画に基づいて実施している。運用課には,管理者の運用課長及び運用業務の取りまとめを行うL氏がおり,システムの運用を担当する運用チーム及び利用者からの問合せやインシデントの対応を行うサービスデスクがある。サービスデスクは担当者(以下,オペレーターという)の離職率が高く,経験の浅いオペレーターも多い。また,情報システム部は,インシデント管理,問題管理,変更管理などのサービスマネジメント活動ごとに,対応手順を定めている。サービスマネジメント活動全体はL氏が統括している。

Kサービスについて,情報システム部と販売部とは表1に示すSLAを合意している。

表1 K サービスの SLA(抜粋)
図の説明テキスト

表1 K サービスの SLA(抜粋)

サービスレベル項目 目標値
インシデント解決時間 重大インシデントは 3 時間以内
通常インシデントは 8 時間以内

注記 重大インシデントとは販売部の基幹業務に影響を与えるインシデントのことである。通常インシデントとは重大インシデント以外のインシデントのことである。

今年になって,Kシステムを更改したこともあり,インシデントの発生が多くなっている。先月は,重大インシデントはなかったが,通常インシデントが200件発生した。インシデントの解決時間は最長で7時間40分も掛かっており,SLAの目標値達成が危ぶまれる状況になっている。そこで,通常インシデントの管理について分析することにした。

〔インシデント管理の概要〕

オペレーターは,利用者から“Kサービス利用中にある事象が発生し,対処の仕方が分からない”との問合せを受け,事象について利用者とコミュニケーションを行った結果,当該事象をインシデントと認識する場合がある。このようにインシデントの発生を認識した場合は,自らが解決担当者となってインシデント管理プロセスを開始する。サービスデスクにおけるインシデント管理プロセスの手順を表2に示す。

表2 サービスデスクにおけるインシデント管理プロセスの手順
図の説明テキスト

表2 サービスデスクにおけるインシデント管理プロセスの手順

手順 活動番号 活動の内容
記録・分類 I11 インシデントの内容をインシデント管理ファイルに記録する。インシデントには,一意のインシデント番号を付番し,インシデントをあらかじめ決められたカテゴリ(ストレージの障害など)に分類する。
優先度の割当て I21 インシデントに優先度を割り当てる。
既知の誤りの調査 I31 解決担当者は,既知の誤り 1) を調査して回避策を探す。回避策が見つかった場合は,手順“解決”を行う。回避策が見つからなかった場合は,手順“エスカレーション”を行う。
エスカレーション I41 アプリケーションプログラム(以下,アプリケーションという)に関係する内容は開発課に,それ以外は運用チームにエスカレーションを行う。エスカレーションの手段として,オペレーターはエスカレーション先に対して電子メールを発信することで対応する。
解決 I51 エスカレーションを行わなかった場合は,解決担当者が見つけた回避策を適用してインシデントを解決する。
I52 エスカレーションを行った場合は,開発課又は運用チームから提示される回避策を適用してインシデントを解決する。
終了 I61 インシデントが解決したことを利用者に連絡し,サービスが問題なく利用できることを確認する。
I62 インシデント管理ファイルの記録を更新し終了する。

注記 発生したインシデントが重大インシデントの場合は,別途規定されている重大インシデント管理プロセスの手順に従う。
注 1) 既知の誤りとは,“サービスへの影響を低減又は除去する解決方法がある問題”のことで,問題管理ファイルに記録されている。既知の誤りは,回避策とともに,問題管理の活動として,開発課又は運用チームによって記録される。

オペレーターは,手順を効率的に実施するために,ソフトウェアツールとしてインシデント管理システムを使用し,インシデント管理ファイルに対応した内容を登録している。インシデント管理ファイルには,データ項目として,インシデント番号,活動番号,担当者のID,対応日時(開始日時,終了日時),対応内容などがあり,インシデントの活動ごとにデータ項目の内容が記録される。オペレーターは,インシデントの発生を認識した場合,活動番号I11で,“担当者のID”に自らの社員番号を登録する。社員番号が登録されると,インシデント管理システムは“開始日時”を記録する。オペレーターは活動ごとに対応した内容を入力していく。インシデント管理システムはオペレーターの入力と連動して活動の対応日時を記録していく。なお,活動番号 I41 でエスカレーションを行った場合,オペレーターは I41の終了日時にエスカレーションの電子メールの発信日時を登録する。

サービスデスクからエスカレーションされたインシデントについて,開発課又は運用チームで,再度,回避策が存在するかどうかを詳細に調査する。調査した結果で回避策が見つかった場合は,インシデント管理の解決担当者に回避策の内容を提示する。回避策が見つからなかった場合は,インシデントの原因となる問題を調査する必要があり,問題管理プロセスの手順を実施する。エスカレーション先におけるインシデント管理プロセスの手順を表3に示す。

表3 エスカレーション先におけるインシデント管理プロセスの手順
図の説明テキスト

表3 エスカレーション先におけるインシデント管理プロセスの手順

手順 活動番号 活動の内容
インシデントの再調査 I71 サービスデスクからエスカレーションされたインシデントを調査する。開発課又は運用チームの担当者は、既知の誤りを調査して回避策を探す。^1) 回避策が見つかった場合は、活動番号 I72 を行う。回避策が見つからなかった場合は、新たな問題として、問題管理プロセスの手順を実施する。
I72 インシデント管理の解決担当者に回避策の内容を知らせる。

注1) 活動を開始するときに、担当者はインシデント管理システムを使って、エスカレーションされたインシデント番号を基にインシデント管理ファイルを検索し、“担当者の ID”に自らの社員番号を登録する。“担当者の ID”が登録されるとインシデント管理システムは“開始日時”を記録する。

〔問題管理の概要〕

問題管理には,インシデント発生に伴って実施するリアクティブな問題管理の作業だけでなく,ベンダーから公開されるパッチ情報がKシステムのアプリケーションに影響するかどうかに関する調査などのプロアクティブな問題管理の作業がある。開発課の場合,パッチ情報の適用時期などを踏まえ,プロアクティブな問題管理の作業は開発計画に織り込んで実施する。問題管理のうち,リアクティブな問題管理は突発的な作業であり,計画した作業を中断して実施する必要がある。リアクティブな問題管理に関連する問題管理プロセスの手順(抜粋)を,表4に示す。

表4 リアクティブな問題管理に関連する問題管理プロセスの手順(抜粋)
図の説明テキスト

表4 リアクティブな問題管理に関連する問題管理プロセスの手順(抜粋)

手順 活動番号 活動の内容
記録・分類 P11 問題ごとに問題番号を付番し,問題の内容を問題管理ファイルに記録する。エスカレーションされたインシデントとひも付けて問題管理ファイルに記録する。
調査と診断 P21 開発課又は運用チームの担当者は,自ら回避策を策定する。
P22 策定した回避策を,インシデント管理の解決担当者に知らせ,既知の誤りとして問題管理ファイルに記録する。
解決 (省略)
終了 (省略)

注記 問題管理ではソフトウェアツールとして問題管理システムを使用する。問題管理ファイルには,データ項目として,問題番号,インシデント番号,活動番号,担当者の ID,対応日時(開始日時,終了日時),問題の内容,回避策,対応内容などがあり,活動ごとにデータ項目の内容が記録される。

〔改善活動の実施〕

L氏は,表2,表3及び表4の活動を可視化,分析し,インシデントを解決する活動の全体像を捉えて課題を発見し,改善することにした。

〔インシデント対応の分析〕

まず,先月発生したインシデントの200件を対象として課題となる活動を特定することにした。そこで,(ア)インシデントの対応時に記録しているインシデント管理ファイルと問題管理ファイルの対応履歴を使って,分析対象のインシデント対応の業務フロー図を作成した。作成したインシデント対応の業務フロー図を図1に示す。

図1 インシデント対応の業務フロー図
図の説明テキスト

図1 インシデント対応の業務フロー図

ノード(〇)と矢印による遷移が示されているフロー図。
・開始 -> I11 (100%) 5分 -> I21 (100%) 5分 -> I31 (100%) 15分
・I31からの分岐:

  • 回避策が見つかった場合 -> I51 (70%) 100分
  • 回避策が見つからなかった場合 -> I41 (30%) 10分
    ・I51 -> I61 (100%) 15分 -> I62 (100%) 15分 -> 終了
    ・I41 -> I71 (30%) 80分
    ・I71からの分岐:
  • 回避策が見つかった場合 -> I72 (10%) 10分 -> I61への遷移へ合流
  • 回避策が見つからなかった場合 -> P11 (20%) 5分 -> P21 (20%) 140分 -> P22 (20%) 15分 -> I52 (30%) 100分 -> I61への遷移へ合流

例 I11 : 活動番号, (100%) : 200件のインシデントに対する割合, 5分 : 活動の平均実施時間

なお、作成に当たっては、あるインシデントで実施した活動番号ごとの実施時間の合計が当該インシデントの解決時間となるように工夫した。具体的には、I11の実施時間はI11の開始日時と終了日時の時間差とし、それ以降の活動番号の実施時間は、一つ前に実施した活動番号の終了日時と当該活動番号の終了日時との時間差とした。

L氏は、図1から、対象の200件のうち、解決担当者が問題管理ファイルから回避策を見つけることができずエスカレーションを行ったものは a 件で、全てアプリケーションに関する内容であり、開発課にエスカレーションされていることを把握した。また、開発課にエスカレーションされたもののうち、開発課で回避策が見つからなかったインシデントは、 b 件であることを把握した。

次に、L氏は図1からインシデント対応には次の三つのパスがあることを確認した。

  • パス1:表2の活動だけを行う。
  • パス2:表2及び表3の活動を行う。
  • パス3:表2, 表3及び表4の活動を行う。

L氏は、それぞれのパスにおける活動の平均実施時間を考慮し、三つのパスのうち、(イ)優先的に分析すべきパスを一つだけ特定した。

〔改善策の検討〕

L氏は、図1から、エスカレーションされたインシデントの解決に多くの時間が掛かっていることについて課題があると認識し、開発課及び運用課の業務に着目して調査を進めることにした。まず、図1の活動番号P21の調査を行ったところ、P21は新しい問題を解決する活動であるため、時間が掛かることが分かった。そこで、表3及び表4の手順の中で、図1の活動番号P21の次に時間が掛かっている活動番号I71を調査した。L氏は、I71の活動は、サービスデスクからエスカレーションされて開発課が実施する活動となるので、(ウ)インシデント管理ファイルを使って、作業待ちが発生していないかどうかを調査し、その後、開発課にヒアリングすることにした。

また、(エ)図1から、既知の誤りを調査して回避策を探す活動についても課題があると考えて調査を進めた。

サービスデスクの要員は、開発課が使用しているツール(以下、Mツールという)を使って問題管理ファイルの回避策を検索している。Mツールは、開発課が問題管理ファイルへの回避策の登録・検索をする目的で開発したツールで,サービスデスクでも,そのツールを使用している。そこで,L氏は,サービスデスクの要員構成に着目し,Mツール操作方法の習熟度合いに差がないかどうかについて,経験豊富なベテランオペレーターと経験の浅い新人オペレーターとに分けてヒアリングした。ベテランオペレーターはMツールの高度な検索機能を使っていたが,新人オペレーターは検索機能を使いこなせていなかった。ベテランオペレーターは,インシデント解決手順の中での開発課要員とのコミュニケーションを通じて,Mツールの検索機能の使い方を習得していた。そこで,L氏は,オペレーターが使用するツールに関して根本的な対策が必要と考え, c について,開発課に依頼できないか検討を開始した。
さらに,L氏は,図1を確認し,回避策のあるインシデントが多いことに着目した。そこで,問題管理の活動について,開発課にヒアリングを行うことにした。

設問と解答・解説

設問1

〔改善活動の実施〕について,L氏が行った改善活動の目的を,Kサービスの提供者の立場から20字以内で答えよ。

模範解答

SLAの目標値を確実に達成するため

インシデントの解決時間を短縮するため

採点基準(配点 8点)

知識・理解度(内容)(5点)

  • 5: SLA目標値達成または解決時間短縮の目的が的確に示されている。
  • 4: 目的は示されているが、具体性にやや欠ける。
  • 3: SLAや解決時間のいずれかに触れているが、内容が不十分。
  • 1: 関連するキーワードはあるが、文意が不明確。
  • 0: 全く関係のない内容または無解答。

論理性(構造)(3点)

  • 3: 「〜ため」など、目的を示す適切な表現で論理的に構成されている。
  • 2: 目的を示す構造にやや不自然さがある。
  • 1: 文の構造が破綻している。
  • 0: 誤りまたは無解答。

解説

正解の根拠

L氏の改善活動の目的は、サービスマネジメントにおけるインシデント管理において、SLAの目標値を確実に達成すること、またはインシデントの解決時間を短縮することです。

高得点のポイント

  • 目的が「SLAの目標値を確実に達成するため」または「インシデントの解決時間を短縮するため」であることが的確に示されていること。
  • 「〜ため」など、目的を示す適切な表現で論理的に構成されていること。

設問2

(1)

下線(ア)では,インシデント管理ファイルと問題管理ファイルを使って,業務フロー図を作成する。両ファイルを結び付けるデータ項目を,10字以内で答えよ。

模範解答

インシデント番号

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: データ項目として「インシデント番号」が正しく記述されている。
  • 3: 「インシデント番号」に相当する内容は含まれるが、表現が不正確。
  • 2: 関連する項目に触れているが、両ファイルを結び付けるデータ項目として不適切。
  • 1: 的外れなデータ項目が記載されている。
  • 0: 誤りまたは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 要求されたデータ項目名として端的に表現されている。
  • 1: 余分な記述があるが、意味は通じる。
  • 0: 不適切または無解答。

解説

正解の根拠

インシデント管理ファイルと問題管理ファイルの両方を結び付ける共通のデータ項目は インシデント番号 です。これにより、各インシデントがどの問題に関連しているかを追跡可能にします。

高得点のポイント

  • データ項目として「インシデント番号」が正しく記述されていること。
  • 余分な記述がなく、指定字数以内で端的に表現されていること。

(2)

本文中の a に入れる適切な数値を整数で答えよ。

模範解答

60

配点 6

解説

正解の根拠

本文中の空欄aに入る数値は 60 です。インシデントのフロー図やシステム上の対応記録から、特定の状態に移行した件数を算出することで求められます。

誤りやすい考え方・注意点

  • 60以外の数値: 処理の分岐や集計対象の見落としが原因です。全体の件数から他のパスへ流れた件数を正確に差し引く必要があります。

(3)

本文中の b に入れる適切な数値を整数で答えよ。

模範解答

40

配点 6

解説

正解の根拠

本文中の空欄bに入る数値は 40 です。パスの分岐条件に基づき、残りの件数を正しく計算することで導き出されます。

誤りやすい考え方・注意点

  • 40以外の数値: 前段階の計算(空欄aなど)を誤っているか、特定の条件に合致するインシデント数の集計から漏れている可能性があります。

(4)

下線(イ)について,L氏が優先的に分析すべきと考えた理由を,当該パスの番号を含めて,40字以内で答えよ。

模範解答

パス3は6時間45分で通常インシデントの解決目標時間に近づいているから

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: パス3が解決目標時間に近づいており、SLA目標値達成が危ぶまれる状況であることが適切に説明されている。
  • 3: パス3が解決目標時間に近づいていることは書かれているが、SLA目標値等との関連がやや不明確。
  • 2: パス3に時間がかかっていることのみ記述されている。
  • 1: 分析の理由が不十分。
  • 0: 誤りまたは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 理由を説明する文脈が自然かつ論理的に構成されている。
  • 1: 文脈に飛躍があるか、不自然な表現が含まれる。
  • 0: 意味が通じない、または無解答。

解説

正解の根拠

パス3の処理時間が6時間45分と、通常インシデントの解決目標時間に非常に近づいているためです。SLAの目標値達成が危ぶまれる状況において、このパスの改善が最優先となります。

高得点のポイント

  • パス3が解決目標時間に近づいており、SLA目標値達成が危ぶまれる状況であることが適切に説明されていること。
  • 指定された通り、回答内に「パス3」などのパスの番号が含まれていること。
  • 理由を説明する文脈が自然かつ論理的に構成されていること。

設問2(3)は,正答率が平均的であった。パス3に時間がかかっていることだけを記述した解答が多かった。SLAの目標値達成が危ぶまれる状況を踏まえ,インシデントの解決目標時間に対して,他のパスと比較してパス3を優先すべき具体的な理由を解答してほしい。

設問3

〔回避策の検討〕について答えよ。

(1)

下線(ウ)について,インシデント管理ファイルを使って調査する内容を,30字以内で具体的に答えよ。

模範解答

I41の終了日時とI71の開始日時の時間差の状況

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: I41の終了日時とI71の開始日時の時間差の状況を具体的に把握できている。
  • 3: 作業待ちの発生状況について言及しているが、具体的な項目への言及が欠けている。
  • 2: 調査対象が曖昧だが、時間差や遅れに関する認識はある。
  • 1: 単にインシデント管理ファイルの内容を見るという程度の記述。
  • 0: 誤りまたは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 調査内容が簡潔かつ論理的に述べられている。
  • 1: 記述が冗長であったり、不自然な表現が含まれる。
  • 0: 意味が通じない、または無解答。

解説

正解の根拠

作業待ちの発生状況を正確に把握するためには、インシデント管理ファイルに記録された定量的なデータから、I41の終了日時I71の開始日時時間差の状況を調査する必要があります。

高得点のポイント

  • 「I41の終了日時とI71の開始日時の時間差」といった具体的な項目に言及していること。
  • 単なる「ファイルの確認」に留まらず、具体的な時間差や遅れの状況を調査する旨が簡潔に述べられていること。

(2)

下線(エ)について,サービスデスクと開発課の活動結果の差異に着目して,課題の内容を,50字以内で具体的に答えよ。

模範解答

サービスデスクで回避策を発見できなかった60件のうち,20件を開発課が発見していること

採点基準(配点 6点)

知識・理解度(内容)(4点)

  • 4: サービスデスクで回避策を発見できなかった件数のうち、開発課が多く発見している状況が具体的に指摘されている。
  • 3: 両部署の発見数の違いに言及しているが、件数などの具体性がやや欠ける。
  • 2: サービスデスクと開発課で同じ活動をしていることのみを指摘している。
  • 1: 課題の認識がずれている。
  • 0: 誤りまたは無解答。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 活動結果の差異から生じる課題が論理的に記述されている。
  • 1: 記述に飛躍があるか、一部不明瞭。
  • 0: 意味が通じない、または無解答。

解説

正解の根拠

サービスデスクと開発課の活動結果の差異として、サービスデスクで回避策を発見できなかった60件のうち、20件を開発課が発見しているという事実があります。本来サービスデスクで発見すべきものが開発課に流れていることが課題です。

高得点のポイント

  • サービスデスクと開発課の発見数の違いだけでなく、具体的な件数(60件中20件など)を交えて指摘していること。
  • 両部署で同じ活動をしている事実にとどまらず、そこから生じる課題の構造が論理的に記述されていること。

(3)

本文中の c に入れる適切な内容を,30字以内で答えよ。

模範解答

オペレーターが回避策を効果的に検索できるツールの開発

開発課要員によるオペレーターへのMツール使用法の教育

採点基準(配点 6点)

正確性(内容)(6点)

  • 6: 「オペレーターが回避策を効果的に検索できるツールの開発」など、文脈に完全に合致する内容が記載されている。
  • 3: 内容は部分的に合っているが、ツール開発や教育などの核心部分の表現が不十分。
  • 0: 文脈に合致しない誤った内容、または無解答。

解説

正解の根拠

本文の文脈から、課題を解決するための対策として、オペレーターが回避策を効果的に検索できるツールの開発や、開発課要員によるオペレーターへのMツール使用法の教育が求められます。

高得点のポイント

  • オペレーター向けの検索ツールの開発、またはMツールの使用法教育について、文脈に完全に合致する内容が記載されていること。
  • 指定字数という制限の中で、対策の核心部分が簡潔にまとめられていること。

設問3(1)は,正答率がやや低かった。改善が必要な課題を正確に把握するため,作業待ちの発生状況をシステムで記録された定量的なデータから,何をどのように調査する必要があるのか具体的に解答してほしい。設問3(2)は,正答率が低かった。サービスデスクと開発課で同じ活動をしていることだけを指摘する解答が散見された。本来サービスデスクで発見すべき回避策が開発課で多く発見されているという状況から,具体的な改善の課題を解答してほしい。