平成24年度 宅地建物取引主任者資格試験 問26
宅建業法免許制度
この問題は2012年度(H24)に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。
本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・表組みの調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を読む
正解: 選択肢1
宅地建物取引業法の免許基準(欠格要件)に関する問題です。特に、法人の役員等が一定の刑罰を受けた場合についての理解が問われています。該当する役員等がいる場合、法人は免許を受けることができません。やむを得ない事由があるか否かに関わらず、欠格事由に該当するかが基準となります。以下、各刑罰と欠格要件の関係を整理します。なお、免許に関する欠格要件は、役員だけでなく非常勤役員も対象に含まれます。したがって、いずれの選択肢でも役員の形態は結論に影響しません。結論としては、刑法における刑の種類(重さ)は、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料の順です。このうち、宅建業法における欠格要件となるのは原則として「禁錮以上の刑」ですが、特定の犯罪に限り「罰金刑」も対象となります。「拘留」や「科料」は欠格要件の対象外です。また、「執行猶予」が付された場合は、期間満了によって刑の言渡しが効力を失うため、直ちに免許を受けることが可能です。これらを踏まえて各選択肢を検討します。詳細は以下の通りです。
正解の根拠正解は 1 です。禁錮以上の刑(本肢では懲役刑)に処せられた場合でも、執行猶予 が付された場合は、執行猶予期間が満了すれば刑の言渡しは効力を失います。そのため、満了した日から欠格要件に該当しなくなり、5年の経過を待たずにただちに免許を受けることが可能になります。
各選択肢の解説
- 選択肢1(正しい):傷害罪で懲役刑(禁錮以上)を受けていますが、執行猶予期間を満了しているため、刑の言渡しは効力を失っています。したがって、満了の日から5年を経過していなくても、A社は免許を受けることができます。
- 選択肢2(誤り):罰金刑で欠格要件となるのは、宅建業法違反や暴力団対策法違反のほか、一定の暴力的犯罪(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合、脅迫、背任)の場合です。現場助勢罪による罰金刑は欠格要件に該当するため、刑の執行が終わってから5年を経過しなければ、B社は免許を受けることができません。
- 選択肢3(誤り):拘留の刑は、宅建業法の免許の欠格要件に該当しません(欠格要件となるのは「禁錮以上」の刑か、特定の犯罪での「罰金刑」のみです)。したがって、C社は直ちに免許を受けることができます。「免許を受けることができない」とする本肢は誤りです。
- 選択肢4(誤り):科料の刑は、宅建業法の免許の欠格要件に該当しません(科料は罰金よりも軽い刑罰です)。また、過失傷害罪は特定の犯罪(罰金刑で欠格となる犯罪)にも含まれていません。したがって、D社は直ちに免許を受けることができます。「免許を受けることができない」とする本肢は誤りです。