令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問2

コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1 の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間が T 秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。

  • 伝票データは,ポアソン分布に従って到着する。
  • 伝票データをためる数に制限はない。
  • 1 件の伝票データの処理時間は,平均 T 秒の指数分布に従う。
解答・解説

正解: イ. 50

M/M/1待ち行列モデル における平均待ち時間を求める公式を用いて計算します。

システムの利用率を ρ\rho、平均処理時間(平均サービス時間)を TsT_s とすると、平均待ち時間 WW は以下の式で表されます。
W=ρ1−ρ×TsW = \frac{\rho}{1 - \rho} \times T_s

問題文の条件より、平均処理時間 Ts=TT_s = T 秒であり、平均待ち時間 WW が TT 秒以上となる条件を求めます。

W≥TW \ge T
ρ1−ρ×T≥T\frac{\rho}{1 - \rho} \times T \ge T

両辺を TT(T>0T > 0)で割ります。

ρ1−ρ≥1\frac{\rho}{1 - \rho} \ge 1

待ち行列が安定している状態ではシステムの利用率 ρ<1\rho < 1 であり、1−ρ>01 - \rho > 0 となるため、両辺に 1−ρ1 - \rho を掛けます。

ρ≥1−ρ\rho \ge 1 - \rho
2ρ≥12\rho \ge 1
ρ≥0.5\rho \ge 0.5

したがって、システムの利用率 ρ\rho が 0.5(50%)以上 となったときに、平均待ち時間が TT 秒以上となります。

各選択肢の解説

  • ア 33: 利用率が約33%(ρ=1/3\rho = 1/3)の場合、平均待ち時間は 1/31−1/3×T=0.5T\frac{1/3}{1 - 1/3} \times T = 0.5T 秒となり、TT 秒未満のため誤りです。
  • イ 50: 利用率が50%(ρ=0.5\rho = 0.5)の場合、平均待ち時間は 0.51−0.5×T=T\frac{0.5}{1 - 0.5} \times T = T 秒となり、これが TT 秒以上となる最小の利用率であるため 正解 です。
  • ウ 67: 利用率が約67%(ρ=2/3\rho = 2/3)の場合、平均待ち時間は 2/31−2/3×T=2T\frac{2/3}{1 - 2/3} \times T = 2T 秒です。TT 秒以上という条件は満たしますが、「少なくとも何%以上」という問いに対する答えとしては不適切です。
  • エ 80: 利用率が80%(ρ=0.8\rho = 0.8)の場合、平均待ち時間は 0.81−0.8×T=4T\frac{0.8}{1 - 0.8} \times T = 4T 秒です。こちらも TT 秒以上にはなりますが、最小の利用率ではないため誤りです。

Spineチーム