平成3年度宅地建物取引主任者資格試験 問5

A・B・C 3人の建物の共有(持分均一) に関する次の記述のうち, 民法の規定及び判例によれば, 正しいものはどれか。

解答・解説

正解: 4. その建物の管理に関してAがB及びCに債務を負っている場合, B及びCは, Aがその債務を支払わずに持分をEに譲渡しても, Eに対し, その債務の支払いを請求することができる。

正解は 4 です。

正解の根拠

共有者の一人が、共有物の管理などに関して他の共有者に対して有する債権は、その債務者の持分を譲り受けた特定承継人に対しても行使することができます(民法254条)。
本肢において、AがB及びCに負っている管理費用の債務について、Aの持分を譲り受けたE(特定承継人)に対し、B及びCはその支払いを請求することができます。したがって、正しい記述です。

各選択肢の解説

  • 選択肢1:誤り。共有物の「変更」(形状又は効用の著しい変更を伴うもの)を行うには、共有者全員の同意が必要です(民法251条1項)。建物の増築は通常これに該当するため、持分価格の過半数の同意だけでは行うことができません。
  • 選択肢2:誤り。共有物を目的とする賃貸借契約の解除は、共有物の「管理」に関する事項にあたり、各共有者の持分価格の過半数で決する必要があります(民法252条1項、最高裁判例)。Aは単独で(持分3分の1で)解除することはできません。
  • 選択肢3:誤り。共有者は合意により、5年を超えない期間内において共有物の分割をしない契約(不分割特約)をすることができます(民法256条1項ただし書)。さらに、この特約は更新することが可能ですが、その期間も更新の時から5年を超えることはできません(同条2項)。「更新することができない」とする点は誤りです。

Spineチーム