平成3年度宅地建物取引主任者資格試験 問48
宅建業法保証協会
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説
正解: 2. 保証協会は、その社員が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者から、当該取引により生じた債権に関して弁済を受けることができる額について認証の申出があった場合において、当該弁済が行われることにより弁済業務の円滑な運営に支障があると認めるときは、当該社員に対し、担保の提供を求めることができる。
正解は 2 です。
本問は宅地建物取引業保証協会(以下、保証協会)に関する理解を問う問題です。保証協会の社員(宅地建物取引業者)と保証協会の関係や、還付・供託に関する各種手続きの期限について正確な知識が求められます。
正解の根拠
選択肢 2(正しい)
保証協会は、社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者から認証の申出があった場合において、当該弁済が行われることで弁済業務の円滑な運営に支障があると認めるときは、当該社員に対し、担保の提供を求めることができます(宅地建物取引業法第64条の4第3項)。
社員加入前の取引による債権であっても弁済業務保証金からの還付対象となるため、多額の還付請求による保証協会の負担増を防ぐための規定です。
各選択肢の解説
選択肢 1(誤り)
宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から 1週間以内 に、主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければなりません(同法第64条の15)。選択肢の「2週間以内」という期間が誤りです。選択肢 3(誤り)
弁済業務保証金の還付が行われた場合、保証協会は国土交通大臣から通知を受け、そこから2週間以内に供託所に弁済業務保証金を供託します。その後、保証協会は該当する社員に対して「還付充当金を納付すべき旨の通知」を行います。
社員は、この「還付充当金を納付すべき旨の通知」を受けた日から2週間以内に、当該還付額と同額(全額)の還付充当金を納付しなければなりません(同法第64条の10第2項)。選択肢の「当該還付額の1,000分の60に相当する額」とする点が誤りです。選択肢 4(誤り)
宅地建物取引業者が保証協会の社員になったことにより、それまで供託していた営業保証金を取り戻す場合、6ヶ月以上の期間を定めた債権申出の公告は不要 であり、直ちに取り戻すことができます(同法第64条の14)。これは、すでに保証協会が弁済業務保証金を供託しており、取引の相手方を保護する目的が果たされているためです。
現行法での扱い(2026年4月1日時点)
2017年4月1日施行の平成28年法律第56号による宅地建物取引業法の改正により、弁済を受ける権利者から宅地建物取引業者に該当する者が除かれました。出題当時は正しかった選択肢2は、取引をした者が宅地建物取引業者かどうかが問題文に書かれておらず、業者の場合は弁済の前提自体がないため、現行法では正誤が決まりません。よって、この問題は正解が一つに定まりません。