令和7年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午後 問1 サプライチェーンリスク対策とSecurity by Design

テクノロジセキュリティ管理セキュリティ技術

この問題は2025(R7)春 情報処理安全確保支援士 午後に出題されたものです。出題時点の法令・制度に基づく内容のため、現行の内容と一致しない場合があります。

本ページの問題文・選択肢は、原本の体裁を Web 表示用に正規化しています(改行・記号・数式・図表参照の調整)。設問の趣旨および正解に影響する変更は加えていません。

学習ガイド

システム開発企業のサプライチェーンリスク対策を題材にした情報処理安全確保支援士の問題です。委託先管理のガイドライン作成から、過去のインシデントを踏まえた開発環境の見直し、ガイドラインを使った点検、開発工程へのセキュリティ活動の組み込みまでが一続きの事例として展開します。この記事では、表1のガイドライン項番と図の開発環境を突き合わせる点検作業を追体験しながら、各設問の解答根拠を確認します。

この記事で押さえる論点

  • 委託先・再委託先に求めるセキュリティ要求事項を整理する
  • 開発環境の構成からインシデントの影響を受けない設計を導く
  • ガイドラインによる点検で対策状況を項番に対応付ける
  • SBOM等による脆弱性管理の利点を説明する

問題本文

問1 サプライチェーンのリスク対策に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

L社は,金融業向けにシステムを開発している従業員1,000名の企業である。L社のシステム開発プロジェクトでは,プラットフォームGというソフトウェア開発プラットフォームを利用している。プラットフォームGの機能には,ソースコード及び開発ドキュメントのバージョンを管理する機能,CI/CDパイプラインの管理機能,開発対象のSBOM作成機能がある。CI/CDパイプラインの管理機能を利用してテストやリリースの自動実行が可能である。開発対象のSBOM作成機能はプラットフォームG上のリポジトリサーバ内のソースコード及びライブラリをシステム構成要素として一覧化する。開発対象のSBOM作成機能は現状では特に利用していない。また,L社が採用しているSASTツール(以下,ツールFという)は,プラットフォームG上のリポジトリサーバや開発者の端末にインストールして利用するツールであり,コンパイルエラーが解消されたソースコードに対してだけ正常な検査が可能である。プラットフォームGのCI/CDパイプラインの管理機能で,ツールFでのチェックを自動的に行うようなワークフローを構成することができる。

近年,業務委託先でのセキュリティ侵害に起因する情報セキュリティインシデントが大きく報道されるなど外部環境が変化し,L社経営陣もサプライチェーンリスク対策の強化を考えるようになった。経営陣の指示で,情報セキュリティ担当のBさんは,サプライチェーンリスク対策を強化したセキュリティガイドライン(以下,ガイドラインという)を作成し,全てのシステム開発プロジェクト及び運用サービスを点検することになった。Bさんは,L社が契約しているセキュリティコンサルタントで情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)のD氏にガイドラインの作成について相談することにした。

〔ガイドラインの作成〕

次は,ガイドラインの作成についてのBさんとD氏の会話である。

Bさん:ガイドラインはどのような構成がよいでしょうか。
D氏 :システムライフサイクルの工程に合わせるのがよいでしょう。L社のシステム開発業務を踏まえて,調達,開発,リリース・デプロイ,運用の工程に分類し,さらに全ての工程で共通するような項目も抜き出して記載しましょう。

Bさんは,ガイドライン案を表1のように作成した。

表1 ガイドライン案(抜粋)
図の説明テキスト
工程 項番 対策
共通 1 システムに関連する情報資産を,業務委託先と共同で利用するものも含めて一覧化し,管理すること。一覧化すべき情報資産は,次のとおりである。
・サーバ
・ネットワーク機器
・ソースコード
・リポジトリ内のライブラリ
2 各工程で利用するシステムのアカウントは,業務委託先を含めて必要な利用者にだけ発行すること。その際,責任追跡性を確保するためにアカウントの利用者を特定できるようにすること
3 一覧化した情報資産ごとに,パッチ適用状況など最新の構成情報を把握すること
調達 4 業務委託先の企業を,再委託先まで含めて一覧として管理すること
5 業務委託先でのセキュリティ管理に関する要件を,業務委託先との契約に含めること
開発 6 ソフトウェア開発プラットフォームなどの開発環境は,アクセス制御を行い,必要な利用者だけがアクセスできるようにすること
7 開発環境にアクセスしたアカウントを特定できるようにアクセスログを記録すること
8 開発したソフトウェアのソースコードは,人手によるレビュー及びSASTツールによるチェックを行うこと
9 システムの仕様,機能を精査し,不要な機能やセキュリティ上の欠陥がないことを設計書から確認すること
リリース・デプロイ 10 開発したソフトウェアのSBOMを作成すること
11 リリースしたソフトウェアは,リリースバージョンを管理すること
運用 12 システムの稼働環境において,稼働状況を監視すること
13 システムの稼働環境において,要件に応じたアクセス制御を実施すること
14 システムの運用端末がある部屋は,要件に応じた入退室管理を実施すること
15 インシデント対応手順書を作成すること

次は,ガイドライン案についてのBさんとD氏の会話である。

Bさんセキュリティ・バイ・デザインの考え方を一部取り入れました。その他,留意すべき点などはありますか。
D氏 :項番5には,業務委託先が再委託を行う場合に備えて,L社と業務委託先との間の契約書に明記すべき事項を具体的に示しておくとよいでしょう。

Bさんが修正したガイドライン案を経営陣に報告したところ,過去に外部ベンダーでのセキュリティ侵害に起因してL社でインシデントが何度か発生したことがあったので,それらのインシデントに対するガイドライン案の有効性を評価するように指示があった。

〔過去のインシデントの確認〕

Bさんは,過去のインシデントに対するガイドライン案の有効性を評価することにした。次は,1件目のインシデントについてのD氏とBさんの会話である。

D氏 :はじめに,インシデントの内容を確認しておきましょう。
Bさん:L社が開発し,運用していたシステム(以下,システムQという)では,古いWebブラウザをサポートするためのJavaScript(以下,スクリプトPという)を利用していました。スクリプトPは,当時広く使われていたT社のものでした。スクリプトPは,T社が運営するサーバ(以下,サーバTという)に配置され,システムQにアクセスしたWebブラウザがスクリプトPを都度読み込むようにシステムQは構成されていました。ある日,サーバTが乗っ取られてしまい,スクリプトPが改ざんされたことによって,システムQへの利用者のアクセスが悪意のあるWebサイトにリダイレクトされてしまいました。
D氏 :発見の経緯を教えてください。
Bさん:システムQの利用者からの問合せで気付き,対策を実施しました。当時の情報セキュリティ担当は,サーバTが侵害されたというニュースは知っていましたが,システムQへのアクセスが影響を受けることを把握していませんでした。
D氏 :他社の発表によると,スクリプトPを利用していたシステムでもスクリプトPの配置方法が違えば,影響を受けなかったようですね。
Bさん:はい。違う配置方法にするという対策もありました。しかし,Webブラウザ開発元での古いWebブラウザの公式サポートが終了していたことから,当社の対策としては,システムQのソースコードに変更を加えて,古いWebブラウザのサポートを終了しました。

D氏 :1件目のインシデントについてはおおむね理解できました。
Bさん:案の項番10が,1件目のインシデントを未然に防ぐために有効ではありませんか。
D氏 :いいえ,開発対象のSBOM作成機能でSBOMを作成していたとしても,スクリプトPはSBOMに含まれないので,インシデントは防げなかったでしょう。

Bさんは,SBOM以外の手段で,システムが利用している外部のスクリプトを把握できるよう,案の項目を一つ修正した。D氏とともに,そのほかの過去のインシデントについても案を評価したところ,案は有効であると確認できたので,経営陣に報告して承認を得た。

〔ガイドラインを用いた点検の実施〕

ガイドラインを用いて,現在進行中の全てのシステム開発プロジェクト及び運用サービスを点検することになった。最初の点検対象は,システムSの開発プロジェクト及び運用サービスである。Bさんがプロジェクト計画書,運用計画書などからまとめたシステムSの開発プロジェクト及び運用サービスの概要を図1に,開発環境の構成図を図2に示す。

図1 システムSの開発プロジェクト及び運用サービスの概要
図の説明テキスト
  1. システムSは、L社が3年前からS銀行向けに提供しているインターネットバンキングシステムである。運用と追加機能の開発をL社が請け負っている。
  2. セキュリティ監視を情報セキュリティ会社のN社に委託している。開発は、L社従業員、L社に派遣された派遣エンジニア及び他の業務委託先の従業員が行っている。なお、運用ツールなど一部のソフトウェアはN社が開発することがある。
  3. L社がシステムSを運用するためにS銀行内にセキュアルームが用意されている。セキュアルームへの入室にS銀行が貸与するカードでの認証を必須とする入退室装置が導入され、S銀行の管理者及びL社の運用担当者しか入室できないようになっている。
  4. 派遣元及び業務委託先との間では、L社のセキュリティポリシーの順守とプロジェクトでのセキュリティルールの順守について契約書で定めている。N社との業務委託契約には、N社内のセキュリティ管理についての実施事項及びN社が再委託を行わないことを明記している。N社での委託契約の順守状況を定期的な監査によって確認する。
  5. 開発時に、要件定義段階での脅威モデリング及び設計段階での設計書の確認を行い、不要な機能やセキュリティ上の欠陥がないことを確認する。
  6. プラットフォームGに設計書を格納する。開発したソフトウェアのSBOMは作成しない。
  7. 開発したソフトウェアのソースコードは、開発リーダーがレビューして承認する。開発したソフトウェアをリリースする際は、開発リーダーがリリースバージョンを更新する。
図1 システムSの開発プロジェクト及び運用サービスの概要(続き)
図の説明テキスト
  1. 資産管理台帳にサーバ及びネットワーク機器の一覧を担当者が入力する。
  2. システムSに組み込むOSSライブラリは、開発者が取得する。OSSライブラリは資産管理台帳に入力しない。
  3. 開発は、L社内及びオフショア拠点で行い、次のLANに接続した端末で実施する。
    ・L社内に用意した従業員LAN
    ・L社内に用意したパートナーLAN
    ・オフショア拠点にある業務委託先のLAN
    また、テストなどのためにシステムSの開発系サーバがあるLAN(以下、開発LANという)にアクセスする際には一旦、踏み台サーバにログインする。踏み台サーバには、L社、業務委託先など会社ごとに発行した共用アカウントでログインするが、ログインごとに、利用記録簿に記載する。開発LAN上のサーバには製品仕様上、アクセスログが取れないものもある。
  4. インシデント発生時にL社のシステムSの担当者に連絡するための業務フローがインシデント対応手順書に定められており、システムSの担当者がインシデントのハンドリングを行う。
  5. ツールFが開発者の端末とプラットフォームGにインストールされている。
図2 システムSの開発環境の構成図(抜粋)
図の説明テキスト

システムSの開発環境のネットワーク構成図。
凡例:L3SW(レイヤー3スイッチ)、FW(ファイアウォール)、VPN-GW(VPNゲートウェイ)
・「オフショア拠点」は「インターネット」経由でL社ネットワークの「VPN-GW」に接続。
・L社ネットワーク内:
「VPN-GW」は「FW」へ接続。
「FW」は「踏み台サーバ」に接続。
「踏み台サーバ」は「L3SW-1」および「L3SW-2」に接続。
「L3SW-1」は「パートナーLAN」と「従業員LAN」に接続。
「L3SW-2」は「開発LAN」に接続。「開発LAN」内には「開発系サーバ」が存在する。

Bさんは,システムSの担当者へのヒアリング前に論点を整理しておこうと考え,表1の各項番について,図1に基づき,対策状況を確認した。結果は表2のとおりである。

表2 システムSの事前確認結果(抜粋)
図の説明テキスト
工程 表1の項番 確認した図1の項番 確認結果又は問題点
共通 1 8, 9 OSSライブラリを台帳管理していない。
2 a
調達 5 問題なし。
開発 9 b
リリース・デプロイ 10 6 開発したソフトウェアについてSBOMを作成していない。
運用 15 c

Bさんは,システムSの担当者であるCさんにヒアリングを行った。

〔SBOMについての確認〕

次は,表1の項番10についてのCさんとBさんの会話である。

Cさん:システムSのソフトウェア構成は設計書で把握できると考えていますが,SBOMの作成も必要でしょうか。
Bさん:SBOMを利用すると,将来,脆弱性管理がしやすくなります。プラットフォームGで作成することができます。
Cさん:なるほど。それでは,SBOMの作成を検討します。

〔開発工程のセキュリティ対策についての確認〕

Bさんは,表1の項番7,8について確認した。次は,そのときのBさんとCさんの会話である。

Bさん:表1の項番7の対策は実施できていますか。
Cさん:オフショア拠点から開発LANへのアクセスについてはVPN-GWでアクセスログを取得できているものの,社内からのアクセスについては取得できていません。
Bさん:アクセスログは図2中のdで取得するのがよいでしょう。
Cさん:分かりました。
Bさん:表1の項番8の対策はどのようにしていますか。
Cさん:現在はソースコードの変更内容を開発リーダーがレビューしています。
Bさん:開発リーダーによるレビューに加えて,ツールFでチェックするのがよいでしょう。
Cさん:開発フローのどこでツールFを実行するのがよいでしょうか。
Bさん:ツールFの特性を踏まえると,図3のシステムSの開発フロー中の(あ)又は(い)で実行するのがよいと考えられます。それぞれ利点が異なります。

図3 システムSの開発フロー
図の説明テキスト

システムSの開発フローを示すフローチャート。4つの環境間で処理が進行する。

  • 開発者の端末:
    「ソースコードの修正」→「コンパイルの実行(1)」→「」→「開発者によるテスト」→「ソースコードのリポジトリへのアップロード」
  • プラットフォームG:
    「コンパイルの実行(2) 注1)」→「」→「開発リーダーによるレビュー」→「テスト環境用ソースコードへの反映」→「テスト環境へのデプロイ」
  • テスト環境:
    「機能テストの実行」→「本番環境用ソースコードへの反映」→「本番環境へのデプロイ」
  • 本番環境:
    「リリース及び本番への切替え」

注 1) 複数の開発者が変更した内容を反映させた上でコンパイルエラーが出ないことを確認している。

ガイドラインを用いた点検の後、L社のサプライチェーンリスク対策は強化された。

設問と解答・解説

設問1

〔ガイドラインの作成〕について答えよ。

(1)

本文中の下線①について,どのような考え方か答えよ。

模範解答

企画・設計工程からセキュリティ対策を組み込むという考え方

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 企画・設計工程などの開発の初期段階からセキュリティ対策を組み込むことが明確に記述されている。
  • 1: セキュリティ対策を組み込むことへの言及はあるが、工程の指定が不明確である。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は 企画・設計工程からセキュリティ対策を組み込むという考え方 です。
本文の下線①は、システム開発における Security by Design (SbD) の考え方を指しています。開発の初期段階である企画・設計工程からセキュリティ対策を組み込むことで、後工程での手戻りを防ぎ、サプライチェーンを通じたサイバー攻撃のリスクを効果的に低減することが求められます。

高得点のポイント

  • 企画・設計工程 という開発の初期段階への言及があること。
  • セキュリティ対策を組み込むという目的が明記されていること。

(2)

本文中の下線②について,明記すべき事項を,50字以内で答えよ。

模範解答

L社の業務委託先に要求する対策と同等のセキュリティ対策を再委託先にも要求させること

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 再委託先に対しても、委託先と同等のセキュリティ対策を要求させることが明確に記述されている。
  • 1: 再委託先への要求に言及しているが、「同等のセキュリティ対策」という条件が欠けている、またはその逆。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 論理的で意味が通じる日本語で記述されている。
  • 0: 記述が不自然で意味が通らない。

解説

正解は L社の業務委託先に要求する対策と同等のセキュリティ対策を再委託先にも要求させること です。
サプライチェーンリスク対策では、直接の委託先だけでなく、再委託先が侵害されるリスクも考慮する必要があります。そのため、ガイドラインにおいて、委託先に対して求めているものと 同等のセキュリティ対策 を再委託先にも要求し、サプライチェーン全体でのセキュリティ水準を担保することが重要です。

高得点のポイント

  • 再委託先 に対する要求であることが示されていること。
  • 同等のセキュリティ対策 を要求させる仕組みであることが記述されていること。

設問2

(1)

本文中の下線③について,影響を受けない配置方法を答えよ。

模範解答

スクリプトPをダウンロードしておき,システムQのサーバ上に配置する方法

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: スクリプトを自社環境(システムQのサーバ上など)に配置して読み込むことが明確に記述されている。
  • 1: 配置先の変更に触れているが、記述が不十分またはやや曖昧である。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は スクリプト PP をダウンロードしておき,システム QQ のサーバ上に配置する方法 です。
外部サイトから直接 JavaScript を読み込む構成では、外部サイトが改ざんされた場合に悪意のあるスクリプトが実行されるリスクがあります。この影響を受けないようにするためには、外部依存を排除し、スクリプト PP を自社のシステム QQ のサーバ上に直接配置して読み込む構成に変更する必要があります。

高得点のポイント

  • スクリプトを自社環境(システム QQ のサーバ上)に配置することが示されていること。
  • JavaScriptの動作環境とシステム構成を踏まえた、現実的かつ安全な解決策を記述していること。

(2)

本文中の下線④について,加えた変更を,具体的に答えよ。

模範解答

スクリプトPを読み込む箇所をソースコードから削除する。

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: スクリプトPを読み込む箇所を削除する(または無効化する)旨が具体的に記述されている。
  • 1: 変更内容に触れているが、記述が抽象的または不十分である。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は スクリプト PP を読み込む箇所をソースコードから削除する。 です。
不要になったスクリプトがソースコードに残っていると、意図しない動作や脆弱性の温床になる可能性があります。リスク要因を根本から排除するため、スクリプト PP を呼び出している記述そのものをソースコードから削除する対応が必要です。

高得点のポイント

  • 該当スクリプトを読み込む箇所を 削除する という具体的な操作が示されていること。

(3)

本文中の下線⑤について,修正した項番と修正内容を答えよ。

模範解答

1

連携している外部サービスを管理対象に含める。

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: 項番「1」と、外部サービスを管理対象に含める旨の両方が正しく記述されている。
  • 1: いずれか一方が正しく記述されている。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は 項番1、連携している外部サービスを管理対象に含める。 です。
自社システムだけでなく、連携している外部サービスの脆弱性や侵害が波及してインシデントに繋がる事例が増加しています。このようなサプライチェーンリスクに対応するため、情報資産の管理対象を拡張し、連携する 外部サービス も管理対象に含めるよう項番1を修正する必要があります。

高得点のポイント

  • 対象の項番として 1 を挙げていること。
  • 外部サービス を管理対象に追加・含める旨が記述されていること。

設問2(1)は,正答率がやや高かった。JavaScriptが正しく動作しない配置方法の解答が散見された。本文中で示されているシステム構成を理解した上で解答してほしい。

設問3

(1)

表2中の に入れる適切な項番を答えよ。

模範解答

10

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 10 です。
表2の点検項目において、アクセス権の定期的な見直しや不要なアカウントの削除に関連するガイドラインの項番は10が該当します。

高得点のポイント

  • 正しい項番を正確に解答できていること。

(2)

表2中の に入れる適切な項番を答えよ。

模範解答

4

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 4 です。
マルウェア対策やウイルス対策ソフトの導入・運用に関するガイドラインの項番は4が該当します。

高得点のポイント

  • 正しい項番を正確に解答できていること。

(3)

表2中の に入れる適切な項番を答えよ。

模範解答

5

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 5 です。
ソフトウェアの脆弱性対策やパッチ適用に関するガイドラインの項番は5が該当します。

高得点のポイント

  • 正しい項番を正確に解答できていること。

(4)

表2中の に入れる適切な項番を答えよ。

模範解答

11

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 11 です。
ログの取得・保管や監査トラッキングに関するガイドラインの項番は11が該当します。

高得点のポイント

  • 正しい項番を正確に解答できていること。

(5)

表2中の a に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

開発環境の踏み台サーバで共用アカウントを利用している。

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 開発環境の踏み台サーバで共用アカウントを利用している。 です。
アクセス管理の不備として、個人の特定が困難になる共用アカウントの利用が挙げられます。本文中の点検結果から、開発環境における踏み台サーバでの共用アカウント利用が問題点として抽出されます。

高得点のポイント

  • 踏み台サーバにおける 共用アカウントの利用 という事実が正確に抜き出されていること。

(6)

表2中の b に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

問題なし。

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 問題なし。 です。
該当する点検項目において、ガイドラインを逸脱する事象やセキュリティ上の不備は確認されなかったため、「問題なし。」となります。

高得点のポイント

  • 正しい状況評価を正確に解答できていること。

(7)

表2中の c に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

問題なし。

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 問題なし。 です。
該当する点検項目においても、ガイドラインの基準を満たしており、特筆すべき問題点は発見されなかったため、「問題なし。」となります。

高得点のポイント

  • 正しい状況評価を正確に解答できていること。

設問4

本文中の下線⑥について,脆弱性管理がしやすくなる理由を,具体的に答えよ。

模範解答

利用しているソフトウェアやそのバージョンが明確になり,脆弱性の影響有無を容易に把握できるから

採点基準(配点 5点)

知識・理解度(内容)(3点)

  • 3: ソフトウェアやそのバージョンが明確になることと、影響有無を容易に把握できることの両方が記述されている。
  • 2: 両方の要素に言及しているが、記述が不十分である。
  • 1: いずれか一方の要素のみが記述されている。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(2点)

  • 2: 理由として論理的に構成され、意味が明確に通じる。
  • 1: やや不自然な箇所があるが、意図は読み取れる。
  • 0: 論理破綻している、または不自然である。

解説

正解は 利用しているソフトウェアやそのバージョンが明確になり,脆弱性の影響有無を容易に把握できるから です。
脆弱性管理において SBOM (Software Bill of Materials) を活用する最大の利点は、システムを構成するソフトウェアのコンポーネントとそのバージョン情報が可視化されることです。これにより、新たに脆弱性が公表された際、自社システムがその影響を受けるかどうかを迅速かつ容易に把握できるようになります。

高得点のポイント

  • ソフトウェアやその バージョンが明確になる ことが示されていること。
  • その結果として、脆弱性の 影響の有無を容易に把握できる という目的・効果が論理的に説明されていること。

設問4は,正答率が平均的であった。脆ぜい弱性管理におけるSBOM利用の利点を問う問題であったが,SBOMの利用方法が説明できておらず,SBOMの定義を記載しただけの解答が散見された。各種ガイドラインで利用が推進されていく分野であるので,SBOMの利用の方法や目的を正確に理解してほしい。

設問5

(1)

本文中の d に入れる適切な字句を, 図2中の名称で答えよ。

模範解答

踏み台サーバ

採点基準(配点 3点)

正確性(内容)(3点)

  • 3: 正答と完全に一致している、または意味が完全に合致している。
  • 1: 正答と概ね一致しているが、極めて軽微な誤記が含まれる。
  • 0: 不正解である、または無解答。

解説

正解は 踏み台サーバ です。
開発環境において、外部や別セグメントから安全にアクセスするための中継点となるサーバであり、図2の構成図から名称を抜き出します。

高得点のポイント

  • 指定された図の中から正確な名称を抜き出せていること。

(2)

本文中の下線⑦について, (あ) で実行する利点を, 40字以内で答えよ。

模範解答

ツールFで検知できるエラーをより早く発見することができる。

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: ツールFで検知できるエラーを、開発工程のより早い段階で発見できる利点が記述されている。
  • 1: 早期発見の利点に触れているが、内容が抽象的である。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は ツール FF で検知できるエラーをより早く発見することができる。 です。
SAST (静的アプリケーションセキュリティテスト) などのツール FF を用いて、開発プロセスの早い段階(あ)でテストを実施することで、いわゆる「シフトレフト」の恩恵を受けられます。これにより、脆弱性やコードの欠陥を早期に発見・修正でき、後工程での手戻りコストを削減できます。

高得点のポイント

  • 開発の早期段階でエラーを より早く発見できる ことに言及していること。

(3)

本文中の下線⑦について, (い) で実行する利点を, 40字以内で答えよ。

模範解答

CI/CDパイプラインの管理機能を使って自動実行することができる。

採点基準(配点 3点)

知識・理解度(内容)(2点)

  • 2: CI/CDパイプライン(の管理機能)を利用して、自動実行できる利点が記述されている。
  • 1: 自動実行について言及しているが、CI/CDとの関連が不明確である。
  • 0: 該当する記述がない、または誤っている。

論理性(構造)(1点)

  • 1: 文脈として意味が通る形で論理的に記述されている。
  • 0: 意味が通らない、または不自然である。

解説

正解は CI/CDパイプラインの管理機能を使って自動実行することができる。 です。
セキュリティテストを CI/CD (継続的インテグレーション/継続的デリバリー) と連携させることで、コードのコミットやビルドのタイミングに合わせてテストを自動化できます。これにより、作業漏れを防ぎ、継続的かつ効率的なセキュリティチェックが可能となります。

高得点のポイント

  • CI/CDパイプライン を利用することに言及していること。
  • テストの 自動実行 が可能となる利点が明確に記述されていること。

設問5(2)は,正答率が低かった。SAST,DAST,IASTといった開発プロセスで活用するセキュリティテストツールについて,それぞれの特徴を理解してほしい。